酒のあて・おつまみ・肴はどれもお酒と一緒に味わう食べ物のことを指して使われている言葉です。
しかし、酒のあて・おつまみ・肴の3つの言葉の違いやそれぞれの意味を理解して使っている人はほとんどいないのではないでしょうか。
この記事では、人に聞かれてもなかなか答えられない酒のあて・おつまみ・肴の違いや意味について解説していきます。
酒のあて・おつまみ・肴の違いとは?
それぞれの言葉の意味の違いや語源についてお話ししていきます。
「酒の肴」の正しい意味
酒の肴(さかな)という言葉の肴とはお酒を飲む際に一緒に食べる料理全般の総称です。
よく酒の肴という使い方をしますが、肴という単語そのものにお酒に添える料理という意味があり意味が重複するため間違いで、本来は肴が正しい言葉です。
肴という言葉の歴史は古く、奈良時代に作られた常陸国風土記に、「酒と肴を準備し、遠方の村から男女が集まり宴を楽しんだ」と記録されています。
もともとは、酒(さか)と菜(な)でお酒とおかずを意味していたので合わせて「酒菜(さかな)」と呼ばれていました。
やがて中国から肴(こう)という、酒を飲む際に添える料理の意味をもつ漢字が伝わったため、肴(さかな)という字があてられるようになったようです。
現代では「○○を肴にして飲もう」というような使い方もされるようになり、料理だけでなく酒の席での余興や面白い話、花などを肴という単語で表すようになりました。
酒のあてとおつまみの違い
酒のあてと酒のおつまみはどちらも同じような意味で使われていますが、実は違いがあります。
「あて」はもともと関西の方言で、現在の近畿地方で主に使われている言葉です。
「あて」はお酒にあてがうおかずを意味しています。
肴やおつまみと同様にお酒とともに味わうもののことを指しますが、お通しや珍味のような小鉢や小皿で出される軽い料理といった意味合いが強いです。
「おつまみ」は漢字で表記すると「摘」となり、ものをつまむ際に使われる言葉に丁寧語の「お」がつき、「おつまみ」になりました。
おつまみの語源は奈良時代にあり、肴の中でも貝の干物や塩、果物、木の実といった食べ物を手でつまんで食べることから「つまみもの」として区別するようになり、平安時代には「おつまみ」という呼び方がされていたと言われます。
おつまみは主に関東地方で使われる言葉で、するめなどの乾きものや枝豆のように、手でつまんで気軽に食べられるもののことを指します。
まとめ
肴はお酒と一緒に食べるもの全般、あてはお通しなどの小鉢や小皿で出される軽い料理、おつまみは手でつまんで食べるような料理という違いがありました。
これからは場面でそれぞれの言葉を使い分けることができますね。
おいしいあて・おつまみはお酒をさらに味わい深いものにしてくれます。