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小澤征爾さんの『私の履歴書』

今日のメニューは「小澤征爾さん、その自画像で好きになりました」





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小澤征爾さんの私の履歴書、最高。
名もなき小澤青年に、名がある大人たちが力や知恵を貸していく。
小澤さんのやる気と秘めたる実力に、次から次へと運命が綱渡り的に繋がって開花していく。

日本から音楽留学のメドがたたなかった小澤征爾さんは、周囲の知恵とご自身のやる気でついには船に乗ってParisに到着する。
正統な音楽留学ではないのでParisで強制送還にあいそうになりながらも、一から築き上げた豊富な人脈の手助けによってコンクールを締め切り間際で受けられることになり、そこで優勝する。
というのが一昨日の「私の履歴書、13」までの流れ。


ご自身の才能自慢をすることなく、
大学生までの自分の人生と運命を綱渡り的にお話なさっているのが、
そのお人柄が現れていて、大好きになってしまった。

やはり青年期に誰に出会って何をしたかというのは、その後の人生を作っていくのね。



小澤征爾さんの青年期の過程が、どれひとつでも抜けてしまっては次の小澤さんの人生のタイミングに繋がらないので、スパイ小説を読んでいるようにスリリング。
若干、ヒヤヒヤする。
世界の小澤を私が心配することもないのだけど。


ひとつひとつの人の出会いと信頼、そこでの努力と才能がいかに大事だったのかを痛感する。


小澤さんと時代は違えど、
私もその青年期は10代からいろんな大人と会議したり、助けてもらったりした。
いまでもその頃を思うとありがたくて心がじーんとする。
私ももっと力をつけた大人になって、
やる気のある若い子が相談にきたらドカンと後押ししてさしあげたい。



この小澤征爾さんの「私の履歴書」は、小澤さんの体験を通して、当時の時代のダイナミズムを覗いているようで、圧倒される。
また登場人物たちのフルネームをよく覚えられている上に、活躍している人物がボンボンでてくるので興味深い。



いつも思うけど、
この「私の履歴書」文庫かネットで販売してくれないかしら?