東野圭吾の「天空の蜂」を読んだ。
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あらすじは、
超大型特殊ヘリコプターが盗まれ
爆薬を積んだ状態で、
稼働中の原子力発電所の真上を遠隔操作の
自動操縦でホバリング(空中停止)している。
原発へ落下させると脅迫するテロリストとの
駆け引きは・・・。
そして
誤ってそのヘリコプターに一人乗ってしまった
子供の命は助けだせるのか・・・。
というような内容。
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この本を買ったのは一年以上も前なんですが、
好きな東野作品なのに読むことが出来ませんでした。
というのも
まさに読もうと思った日に、3/11の震災が起こったから。
地震が発生した時は会社におり、
仕事を残して帰宅しようとしたものの
電車が止まっており、帰れませんでした。
歩いて帰れるような距離ではないので
一旦会社に戻り、電車が動くまで待つ事にしました。
ところが、地震の影響でオフィスが水浸しになり
漏電の為、停電してしまいました。
修理を依頼したものの、道路は混んでいるし
結局その日はなおりませんでした。
さすがに真っ暗でエアコンもつかないオフィスに
いる事が出来ず、
ビルの共有会議室で一人で待機する事にしました。
で、そんな中で読み始めたのがこの本。
その時は、最初の揺れがあってから3~4時間しか
経っていなかったので原発のニュースは
まだ出ていなかったと思います。津波の事ばかりで。
数ページ読んでみたものの
全然読む気になれませんでした。
そうして、その後は福島の原発のニュースが続き
この本の表紙をみるのもウンザリしていました。
・・・とそんな1年以上を過ごし、
先週、やっとこの本を手に取ってみました。
なんだか、読まない事にはいつまでも
シコリが残ってしまうので。
という経緯がありました。
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さて、本題です。
感想としては、
「いまこのタイミングで読んで良かったなーー。」
ということ。
東野作品は、ガリレオシリーズにも出てくるように
難しい専門知識・用語の説明が
ずらずら書かれている事があります。
「容疑者Xの献身」の数学の四色問題?なんかは
その例です。
そんな感じで、
原発について、軽水炉と高速増殖炉の違い
事故が起きた時の反応などが
分かりやすい形で説明されていました。
また反原発の運動や推進側の意見や事情も
書かれていて、
原発行政について考えるきっかけとしては
分かりやすい情報がちりばめられているなと。
そういう意味で、福島の原発事故に対しての
恐怖感が発生当時とは変わってきた
いまのタイミングでこの本を読めた事は良かったと思います。
きっと、去年の今頃読んでいたら
原発とか政府とか、計画停電とかすべて
もっともっと怖かったと思います。
だけど、今は原発を全て停止しているし
計画停電だって経験して
それでも人間生きていけるんだって分かったから
すこし安心して読むことが出来ました。
原発に対しての知識をほんの少しでも得るために
この本を読むというのもアリだと思います。
あ、あと
東野作品らしく、犯人を最後まで憎み切れない所が
いつもながらズルイなぁ~と思ってしまいました(笑)
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