荒川静香:アスリートが芸術家に進化したその「時」  | 飛鳥カナ配列 ☆未来の子供たちへの贈り物☆

荒川静香:アスリートが芸術家に進化したその「時」 

毎度毎度無味乾燥な配列話も何なので、私もたまにはブログ 
らしく、世の中のメジャーな話題に触れてみます。 
 
きっかけは、私のコメントに対する141Fさんの三月二日の記事です。 
 
>金メダルを取ってから、荒川選手はさらに美しくなりましたよね。 
>結果を残すと人はこうも変わるものかと、改めて感じます。 
 
この前ググってみたら、141Fさんのきれいなブログ「Weblog 61℃」 
http://61degc.seesaa.net/  (私もネコ好きです>141Fさん) 
が見つかったので読んでみたら、141Fさんも飛鳥を 
試したのが分かって、コメントしたんです。 
 
しかし、それはどうでもよくて、問題は上の記事です。 
 
彼が村主ファンと書いてあったので、私は荒川ファンだとコメントで 
書いたのがきっかけで、141Fさんは上の記事を書いたようです。 
 
念のため言っておくと、この記事は、荒川ファンの私に対する外交辞令
を含む141Fさんの上の発言にマジで反論しているものではありません。 
 
いつもの、「お題拝借」ってやつで、今まで言いたかったことを 
あれをきっかけに書きたくなっただけです。 
 
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で、一体荒川選手は 
「金メダルを取って、結果を残してから、美しく変わった」のだろうか? 
 
私は、そうは思わない。 
 
彼女は、フリー演技の最初から美しかった。 
 
そして、金メダルを取って帰国した際の記者会見では 
例によって能面のように表情のない、相も変わらぬ 
「ぶっきらぼうなしーちゃん」だった。 
ミキティー・ファンが「荒川はブ○だから。。」と呼ぶあの表情だ。 
 
それでも氷上の彼女は、誰が何と言おうと美しい。 
 
上で私は、彼女は「最初から美しかった」と書いた。 
 
しかしその「美」は、あのフリーの前半と後半で全く異質なものだった。 
 
 
前半の彼女の美は、鍛え抜いた身体と、余人には 
不可能なほどの集中力がもたらすものであった。 
 
我々素人にも伝わってくる、異能ともいえるアスリート 
の、一挙手一投足が伝えてくるあの「厳しい美」である。 
 
クール・ビューティーとはよく言ったものだ。 
 
その「美」の質が一変したのは「あれ」の後だ。 
 
そう、異な・場右阿ー じゃなくて。。(^^;;  
イナ・バウアーの後。 
 
イナ・バウアーをしている途中から、彼女の表情から前半 
の厳しさが徐々に消えていったのを私は見逃さなかった。 
 
その顔には柔和な笑みさえ浮かんできたのである。 
 
次のトリプル・ダブルのジャンプに向かうとき、荒川はもう別人だった。 
 
明らかに彼女は全てを楽しんでいた。失敗への危惧など彼女にはもうなかった。 
 
前半の緊張の厳しさの生む美が、後半は優雅な美しさに置き換わっていたのだ。 
 
大好きなツーランドットに合わせ、荒川は今まで世界 
の誰もがなしえなかった優美な世界を氷上に表現した。 
 
その均整の取れた体は自由に宙を舞い、滑らかに移動した。 
 
日本人離れしたその長い四肢は、空中に美しい弧を描いた。 
 
明らかに、彼女の意識からは「メダルへの期待・失敗への恐れ」 
のような世俗的なものは完全に消え失せていた。 
 
彼女を動かしていたのは、氷上で舞う喜びのみであった。 
 
自らの演技が観客に深い感動を与えているという 
手応えも、その喜びを更に強くしていたかも知れない。 
 
何のポイントにもならないイナ・バウアーに 
荒川がこだわり続けてきたのは周知の事実だ。 
 
それが自己を最も美しく表現でき、それを観客も見たがったからだ。 
 
しかし彼女の美に心揺さぶられたのは、どうも観客のみではなかったらしい。 
 
確かにNHKのアナウンサーは「トリノの女神は荒川にキスをした!」と叫んだ。 
 
しかし、本当に彼女にキスをしたのは、そんな新参者の神などではない。 
 
それは、由緒正しい美の女神・ビーナスだった。 
 
「美」を求める荒川の飽くなき追求は、ついに天界にも知れ渡っていたのだ。 
 
究極のアスリートが演技を終えたとき、彼女は既に氷上の芸術家であった。 
 
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(ちなみに念のため広辞苑引いたら、美の女神は厳密にはギリシャ神話の 
 アフロディテらしいです。ヴィーナスはローマ神話の菜園の守護女神とか 
 いうなんかパットしない女神様だそうで、後にアフロディテと同一視され、 
 美と愛の女神と言われてるみたいです。  
 っと、突っ込みどころは芽のうちに摘んでおこう。。(^^;;) 
 
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私は、彼女の美の質が変わったのを、生放送の時に「何となく」感じていた。 
 
そして、演技が繰り返し放映されるたび、このことを考えざるをえなかった。 
 
そして、それが正しかったことが、後日のインタビューで確認された。 
 
荒川は、彼女の前の演技者であるコーエンの転倒も何も 
見てはいなかった。 
彼女は大きなヘッドフォンでツーランドットを聞きながら 
淡々とイメージトレーニングに専念していた。 
 
コーエンに最も近い場所にいた彼女には、地球の反対側の日本人の 
半数に聞こえていた観客の失望の声も何も聞こえていなかったのだ。 
 
最初のトリプル・トリブルをトリプル・ダブルにしろというコーチの 
変更の指示も、彼女にはその理由が分からなかったはずである。彼女 
はコーエンの取ったポイントを確認することもなくリンクに向かった。 
 
荒川の頭の中には、ほかの演技者との勝負など一切なかった。 
 
それが、前半のあの集中力をもたらした。 
 
彼女の言では、演技中は音楽以外の音は一切聞こえないらしい。 
ジャンプはともかく、スピンやスパイラルのように音は聞こえて 
きそうに思えるときにも、観客の拍手を聞いている余裕はないそうだ。 
 
スピンやスパイラルでレベル4難度を獲得するためには 
三秒間その動作や姿勢を維持しなくてはならない。 
 
そのため彼女は、「ワン・アイスクリーム、ツー・アイス 
クリーム、スリー・アイスクリーム」と、その三秒間を 
頭の中でカウントしているのだ。 
 
普通のワン・ツー・スリーの脳内発声では、一秒位しか掛から 
ないため、早く終わりすぎてレベル4にはならないからだ。 
 
しかし、カウントする必要がない(ポイントにならない) 
イナ・バウアーの時は、しっかり観客の拍手とどよめきが 
聞こえたという。 
 
それが、後半のあの変化を生んだ。 
 
観客の彼女への声援は、実は自らは姿を現せないビーナスが、 
美を体現している荒川を観客を通して後ろから押していた、 
その姿なのかも知れない。 
 
荒川が予定の曲から、以前のツーランドットに変更して 
開会式で歌われた曲と偶然一致したのも、彼女に奇跡を 
行わせるためのビーナスの周到な仕込みだったのだろう。 
 
 
 
ううん、尻切れトンボなんですが、天気もいいことだし 
この辺で、貼りを兼ねてに外出します。 
 
あと、彼女とミキティーの人間性や、そのフィギュアファッション?を 
それがこけてる(体ではなく衣装が)ミキティーのと比較したり、 
アホなマスコミのフィギュア報道の批評とかしたいのですが、 
きっと読みたい人いないだろうし。。(^^;; 
 
あっ、協会のお金が選手の養成に行かず天下り役員のビジネスクラス代 
(選手はエコノミー!)や報酬に消えてしまっているという話もあるな。 
それに民主党の話とか、あと、東横インとヒューザーの社長の話も。。(^^;; 
 
でも、絶対許せないのは、おい、そこのテレ朝! 
 
彼女の演技の芸術性が分からないのは見る目がないから仕方ないとして、 
金メダルの翌日にトリノのスタジオにわざわざしーちゃん呼んどいて、 
ミキティー特集のコメンテータにするって、アタマ大丈夫かああ!? 
 
今回唯一のメダリストで、欧米以外では初のフィギュア金メダリスト 
に対して取る態度ってもんがあるだろ!いくら何でも失礼過ぎる! 
 
権威筋に取るべき態度なんだから、それくらいはいつも強い 
ものにはゴマをすってるお前らなら、分かりそうなもんだが。。 
 
あらら、何十万人もいる一流大卒の自分たちの方が、一握りしか 
いない筋肉アタマの金メダリストより上ですか?ああそうですか。。 
 
 
 
で、私をこんなに飛鳥作りに走らせたもの。。。 
 
若い頃飛鳥があったら、雑文書きでもなんでもいいので、 
何かのライターを目指していたはずだからみたいです。