「十三や」さん
上野池之端にある、櫛の老舗です。
そう
九（く）＋四（し）＝十三
ですね！
昔々、中合百貨店の京都物産展で
祖母が買い与えてくれた本つげの櫛
子どもにとっては、びっくりするお値段だったように記憶しています。
そのお店も「十三や」さんだったような。
京都と東京のお店に繋がりはないようだけど
やっぱり９＋４にかけてるのかな
で
それを床に落として真っ二つにしたのが、たしか二十代前半の頃
そこから、なんとなく、でも、ずーーーーーっと
黄楊の櫛で髪を梳きたい想いをひきずっておりました。
粘着質なものですから…
出張の時に、このお店を見つけて
「いつか入ってみよう」と思ってはいたのですが、わりと良く行く場所なので
「また今度でいっか」と、
なかなかその「いつか」がやって来なかったのですがね
ひと月ほど前に通りかかって、
ふと思い立ってガラスの扉をくぐってみたわけです。
これが、わたしの新しい櫛
使い初めをいつにしようかと考えて
十三夜だった昨日の晩、お店と同じ響きの夜に下しました。
髪と一緒に、乱れた心も梳けたらいいなー
なんてね
ついでにとお店で尋ねたら
割れてしまった櫛の修繕方法はないのだそうです
わたしの割れた櫛、それでも捨てる気にはならないけど
あの頃よりうんと大人になった今、もう一度、ようやく手に入れた櫛
大切に扱おう。