「犬部!」本編映像の冒頭8分間をご覧いただけます。
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林遣都さん主演の「犬部!」を観てきました。
この作品は実在する獣医師が学生時代に、殺処分される犬や猫たちの命を救うために「犬部」というサークルを立ち上げ、野良犬や野良猫の保護と飼い主探しに奔走し、獣医師となってからも動物たちのために日々奮闘するというヒューマンドラマです。
ストーリー、キャスト共に本当に素敵な作品で私は5回観に行きました。
これまでたくさん映画を見てきましたが、全て1回のみで、何度も映画館に足を運んだのはこれが初めてです。
そして何度観ても飽きず、毎回深く感動出来た作品も今回が初めてかもしれません。
その理由は何より林遣都さんの演技力の賜物だと思います。
林さんは公開前の雑誌のインタビューで
「この作品を自分の代表作にしたい。」
とおっしゃっていましたが、私としては
「いやいや、これまで出演された作品全部が代表作ですよ。全て傑作です。」
個人的にベスト3を上げるなら
「世界は3で出来ている」「アオゾラカット」「おっさんずラブ」
でしょうか。
あ、でもデビュー作の「バッテリー」もいいし「火花」と「シャボン玉」も泣けるし、それから「姉恋」も ・・・・・・ごめんなさい、止まりません(笑)
そんなことを考えながら映画を観ました。
そして始まって数分で
「ああ、確かにこれは林遣都さんの代表作だ。」
そう思いました。
スクリーンに映し出されていたのは「花井颯太」という動物たちの命と正面から向き合い、たとえ一人になっても決して諦めない強い信念を持った青年でした。
そして少し不器用で要領よく立ち回ることができない「花井颯太」を演じられるのは林遣都さんしかいないと強く感じました。
それは林さんの「目」が言葉を越えて多くのことを語ってくれるからです。
時には楽しく
時には悲しく
時には嬉しく
時には苦しく
そして時には愛情深く
そんな感情の一つ一つが言葉だけでなく林さんの「目」で淡々と心に染み込んでいくように語られます。
それは人間のみならず出演している動物たちの心にも伝わっているのではないかと思うほどです。
実際、冒頭の映像に出て来るニコ役のミックという犬は、山中に捨てられていた保護犬で、通常はなかなか人間に懐かないそうですが、林さんとのシャワーシーンでは途中から驚くほど素直に林さんに身を預けています。
それはたぶん林さんが根気強くコミュニケーションを取られた結果、信頼関係が生まれたからなのではないでしょうか。
この作品は実在する人物がいるからこそでしょうか、派手な演出も胸がキュンとするような恋愛シーンもありません。
ただ一人一人がそれぞれの立場で命と真摯に向き合う。
それは簡単そうに見えて実は難しいこと、理想を語るだけでは成り立たないことです。
そんな厳しさを含んだ「現実感」がこの映画に溢れていましたし、ラストシーンの林さんの表情がそれを強く物語ってくれました。
私なんかの拙い表現では伝えきれない、本当に素晴らしい作品です。
現在はミニシアターでの上映のみですが、機会がありましたら皆様もぜひご覧ください。
きっとそれぞれの方の心に響くものがある映画です。
藤沢飛鳥