小社の親会社、明日香出版社のチャレンジ出版です。
著者は兵庫県西宮市の進学塾で長年教壇に立たれた、溝越先生。
古文に詳しい方、コメントをいただけましたら著者へ届けます。
受験生向きのように見えますが、大人が読めば感じ方が違います。
暗号を解読するつもりで歴史に思いを馳せてみましょう。
かぐや姫と古文を学んでみる
『かぐや姫と覚える古文単語473』明日香出版社より4月発売
本書は暗記が苦手な方々を救いたいという著者の想いを形にしました。
平安時代生まれのかぐや姫がガイド役となって古文の世界を案内します。
手によって生じるものへと意味が広がりました。
「その花びらに、いとをかしげなる女の手にて、かく書けり」(大和物語)
その花びらに、とても趣のある女の筆跡で、このように書いてある
「女手を心に入れて習ひし盛りに、事もなき手本多く集へたりし中に、」(源氏物語)
ひらがなを熱心に習っていた頃に、無難な手本を多く集めていた中に、
人目につかないようにすることや、心の中で思うことを表します。
「しのぶれど 色に出でにけり 我が恋は ものや思ふと 人の問ふまで」
(拾遺和歌集)
がまんしていたが、(ついに)顔色に表れてしまったなあ、私の恋心は。
もの思いをしているのかと人がたずねるほどに。
「しめやかにうち薫りて、しのびたるけはひ、いとものあはれなり。」
(徒然草)
( 香こ うのかおりが)しんみりとかおって、人目を避けて暮らしている様子が、とても
しみじみした趣がある。
場所が狭いということから窮屈さを表すようになりました。精神的な窮屈さとして、
プラスの意味で「威厳がある」、マイナスの意味で「大げさだ」となります。
「ただ近き所なれば、車はところせし。」(堤中納言物語)
ほんの近い所だから、牛車では大げさだ。
「下襲の裾長く引き、ところせくてさぶらひたまふ。」
(徒然草)
(藤原伊周は)下襲の裾すそを長く引き、堂々とお仕え申し上げていらっしゃる。