12月になり、肌寒い日が増えてきましたね。
冬の季節には様々な花が咲きますが、日本では「ハツユキオコシ」「マツユキソウ」と美しい和名で呼ばれているクリスマスローズ代表的なのではないでしょうか?



    クリスマスローズはギリシャ語の「Helenin」(殺す)と「bora」(食べ物)から(食べると死ぬ)という意味でヘレボルス、根が黒く見えるから「niger」(黒)という意味でニゲル、この二つの単語を組み合わせて「Helleborus niger」(ヘレボルス・ニゲル)と命名されました。
(現在の日本で店頭に並ぶのは、原種というよりもオリエンタリスレンテンローズですね。)

    さて、クリスマスローズは古くから様々な薬効があるとして知られてきました。古代ギリシアには頭を良くなる効果があるとして哲学者が好んで飲んでいたとされてきましたし、根や茎から採取した絞り汁は毒矢に使ってきましたし、精神病に効くとも言われてきました。

    また、キリスト教圏には、クリスマスローズにまつわる素敵な伝説が残されています。ナザレのイエスがユダヤのベツレヘムで生まれた時にマデロンという少女が誕生祝いに贈る物がないと嘆きました。少女が流した涙が地面に落ちて純白のクリスマスローズが咲き乱れ、それを摘んで花束にして捧げたということです。

    日本では師走と言われる年度末の多忙期ですが、クリスマスローズを眺めながら、多くの伝説に想いを馳せるのも良い気晴らしになるかも知れません。