最近、文章が下手になった。

いや、そもそも上手かったわけじゃないけど。

前は、言葉がぽんぽん浮かんでくる感じがあった。

それが、先生や周りの大人がとっても喜ぶような綺麗な言葉ばっかりで。

だから、何を言ったら先生達が褒めてくれるか、大人が凄いねって言ってくれるか、わかって書いてた。

そんなんだから当然、書いた文章はそれなりに賞賛されたし、学年だより的なやつにもそこそこ載ったんだよね。

下手になった、ってことは、嘘をつくのが下手になったってことで。

私としては、それでよかったって思ってる。


だって、思ってもないこと書いて誉められる文章なんて、気持ち悪い。
そんな才能、こっちから捨ててやりたい。
だけど、少なくとも学生のうちはおさらば出来ないわけで。


小学4年生の頃、作文を書くのが好きになった。

3年生までは文章が苦手で、親が言ったことをそのまま書いてた。

なんだけど、4年生になって作文を書く機会が増えて。
その時は作文のテーマも「昨日行ったところ」とか、「今週あった楽しかったこと」とかだったから、すごく自由に、好きに書いてた。

そうしたらいつの間にか、作文が得意になってた。
自由に書く文章は楽しいって気づいた。

でも、高学年になるにつれてテーマも変わって、綺麗なことを書かなくちゃいけなくなって。

しかも受験もあったから、塾に通うことになった。
塾は基本毎日あって、水曜日が作文特訓、土曜日が自習。

作文特訓を取り始めて、多分、嘘作文技術が発達してしまった原因でもある言葉をその時聞いた。

「無かったことでも良いんだよ、体験していないことでも嘘でもなんでもいいから、とりあえず書いて」

って。

それを聞いた時は特に何も思わなくて、純粋に、
「あ、便利だな」
って思った。

だから私は嘘を書きまくった。思ってもないことを書くのはもちろん、体験を書かないといけない作文にも、「英語圏で何年間か生活した」とか、「国の大会に出たことがある」とか。

「重い病気にかかって生死をさまよった」とも書いた。正月特訓の時。あまりに嘘すぎる嘘で、いつ書いたかも覚えてる。笑

そんな生活をしてれば、絶対に綺麗な作文が上手くなる。誰でも。

中学に入ってからも嘘作文は上達した。体験を書く文章は無くなったから、意見作文に思ってもないことをなるべく綺麗に聞こえるように、文末も綺麗に揃えて、言葉もなるべく難しい、聞こえのいい言葉を使いまくった。

だけど、違和感に気づいたのはつい最近のこと。
中3になる少し前。
今まで気づかなかった自分が逆にすごい。

気づいてしまったからには、もう嘘をつくのは気持ち悪かった。だから、気づいてから1番最初の作文にはなるべく本当のことを書いた。ちゃんとした意見。

テーマは「平和」。

周りの子達はみんな、祈るとか、テロについて知るとか、ちゃんと書いてたんだけど、私はとても書けなかったから、正直に「平和なんてわからない」って書いた。

自分に酔ってるみたいかな、とも思ったけど、中学3年生で平和とか言われても私はそんなの知らない。戦争なんてものも経験したことがないから、戦地の事なんて分からない。いくら本やネットで調べても、そこにいる人たちの本当の事情なんてわからない。

だから私は自分の意見を初めてちゃんと書いた。


だけど、付けられた成績は平均よりも大分下で。

出せば平均点はもらえる道徳みたいな授業だから、文章が多少下手でも平均は貰えるはずだった。

意見を言うとうるさいって蓋をされる。
そうなんだなぁ、と。

こんなの反抗期の過程に過ぎないって思う人も中にはいると思う、というか多分居て当たり前。

だけど私は、本気で思ってる。
おかしい。


私がもう一つ、怖いと思っていることがある。

それは、嘘作文が世に出てしまうこと。

作文をいつも本気で、本音で書いてる人なんていないと思う。いたらそれは、ちょっと凄い。心が綺麗すぎる。

とにかく、そうやって書かれた思ってもいないことを書いた文章を、校内で留めるならまだ良い。

だけど、世の中に出されたら困る。
思ってもないのに、聞いた人が本気にするかもしれない。そうしたら、
「今の若い子達はこんなにも利口で、優しいのか」
って思われちゃう。

ちがう。そんなんじゃない。
だけどそんなことお構い無しに、嘘作文が独り歩きしていってしまう。

そんなに綺麗な感情ばかりじゃないはず。
私達の裏側も知って欲しい。
いや、知らない方が幸せかな?

嘘作文で安心しないで下さい。


私が考えすぎなのか。学校で書く文章なんて所詮文章を書く練習に過ぎないのか。そんなの分からないけど、少なくとも先生は本気にしてるみたいだから。


今回も長々とごめんなさい。
思っていたことがかけて良かった!
書きたいことをポンポン打っていったので文章も多分めちゃめちゃ、でもいいや。


あすぱらがす