月刊岩淵1
岩淵弘樹監督による20分の短編ドキュメンタリー作品。
作品全体に何か感じたことのある
得体のしれない漠然とした不安感・焦燥感みたいなモノが
チラチラとその顔を覗かせている。
他者との関わりをなるべく希薄にしようとする構造(社会)の中で、
岩淵は、自分を同志と呼ぶ おじさん(並木さん)にグイグイとテメエから
まるで己の存在意義を確かめるがごとくぶつかってゆく。
夕暮れせまる松本駅 しめった股間 ( 血まみれの2人 )
ここには、上っ面だけで完結しようとする あらゆる物事を拒絶し、
まるで刃物で互いの本質ってモノをえぐり取ろうとしている
痛々しい血まみれの2人が見えたりもした。
自身のライナーノーツで岩淵は、
~並木さんの懐に自分の小さな威勢をぶつければ、
可視化できない関係性がカメラに映るような気がした。~
~カメラを持つこと、ただの記録ではなく、そこにある作為を乗せること。
ドキュメンタリーを筆のように描くこと。自分の力を試したかった。~
と書いている。
こういう才能を自分達は、支えてゆかなければならない。
こういう人に作品を作ってもらう為に、金が回ってゆかなければならない。
こういう作品を平気で見過ごしている何気ない構造ってモノをぶち壊す為にも
何気ない日々に何気なく流されないように
自分なりに行動してゆかなければならないと感じた。