ちば映画祭 ~マジック・バスに乗っかって~
ちば映画祭 ~マジック・バスに乗っかって~
ちば映画祭というものを調べていく内に、
私たちは、マジック・バスというモノの存在を知ることとなった。
マジック・バス・・・
今回は、このマジック・バスについて、できるかぎり知りえた情報を
お伝えさせていただきたいと思います。
Q:そもそも、このマジック・バスって何なんですか?
主催者『マジック・バス・・マジック・バス・・・忘れもしないさ、
初めての映画祭で、何よりも一番金がかかり、失敗した企画だからねー。』
Q:一番金がかかった?というのは・・・
主催者『映画祭のメインである映画上映よりも、手間を掛けて、一番お金を使って、
失敗しちゃったんだよ。』
『このマジック・バスとは、映画祭のゲスト達を新宿スバルビル前まで
迎えに行き、会場である千葉市民会館まで送迎するという役割の他、
上映の裏側でゲスト達だけが体験する、
ちょっとした交通事故の様なモノになる筈だったんだ。』
Are You Experienced?
~映画「野良猫ロック~暴走集団’71~」と、THE WHOの同名アルバムのジャケットからイメージが拡がりマジック・バスの構想が出来上がったという。
レンタカーで、コースターという29人乗りのバスを借りて、
その中にギッシリと風船を詰め込む。
そしてゲスト達がバスに乗り込み必然的に、その風船をかき分けてゆくと、
何故か、おっぱいがでてくる。
「なんじゃこりゃー」ってな感じでよく見ると、
天井から吊り下げられた全裸の女性が2、3人居るではないか。
果たしてゲスト達は、その女性をイジくるのか?
おっと、その前に、バスに乗り込みする時に、ゲスト達には一人一本の
“おーいローション”が手渡されてるんだった。
この“おーいローション”ってのは、正に“おーいお茶”のパクリで、
パッケージはそっくりなモノなんだよ。
ゲスト達は、乗り込む時にお茶を手渡されたと一瞬だけ勘違いするんだけど、
すぐにお茶じゃない事に気が付く・・・???・・・ってな感じだよ。
そして、車内の全裸女性を発見した時に、手渡されたローションとの意味を知るんだ。
そうこうしている内に、バスは高速道路を幕張インターで降りて、
埋立地域にさしかかる。
すると、バスの行く手を阻む一台の車・・・
停止したバスに乗り込んでくるハイジャック犯・・・
グチャグチャとなったバスが、どうにかこうにか会場にたどり着く~
その一部始終を撮影してドキュメンタリーを撮る。
できれば、中継で、上映会場の人達にその画像をみせる・・・
ってのが、本当は、やりたかったんだよ。
『ゲストの方たち怒るでしょ。』
『やめた方がいい。』
『アホか。』
関係者から色々な批判の声が飛び交う中、
主催者は、知り合いに教えてもらったAV事務所のリストから女優さんを選んだり、
“おーいローション”の発注をしたりしていたそうだ。
そもそも最初は、車内に風船ではなく、煙をたくというのが、やりたかったのだが、
それは本格的にヤバイという事になり(当たり前だ)急遽、風船に変更したそうだ。
AV女優さんの見積金額で、やっと現実を知り、それじゃピンクコンパニオンで
いこう!!と、なったのだが、ここで問題が発生。
女の子を選べないのだ。当日の一発勝負。来てみなければ分からない。
女の子が、脱いでくれるかどうかも本人達との当日の交渉しだいである。
しかも時間的に、朝、新宿で女の子を拾って、
その足ですぐにゲストを迎えに行かなければならない為、
チェンジなどできないのだ。
賭けであった。
前日の夜遅くまで、マジック・バスの仕込みをする関係者達の姿があった。
風船を空気で膨らまし、天井までギッシリとするには、
いったい何個の風船を作らなければならないのだろうか。
業者から購入してきたヘリウムガスのボンベもすぐに無くなった。
期待と希望と多くの不安と共に、
エアーコンプレッサーが風船に空気を吹き込んでゆく。
「ちいさくまとまるな!!」
主催者の頭の中では、さまざまな男達の想いが、バチバチと火花をたてていた。
多くの方の協力を元に、バスがそれなりの形にまとまった。
ハイジャックの案も無くなった。
この時点で、当初の理想の形とは大きく違う方向へと向かっていた。
そして当日を迎える・・・
結局、その時の模様は、ゲストからNGが出て撮影できなかったらしい。
当然だ。
(今となっては、古厩監督のブログでのみ、その様子を知りえる事が出来る。)
http://www.hollywood-ch.com/gyoukai/08112701.html
お忙しい中、わざわざ朝早くから待ち合わせ時間に来ていただいた
ゲストの方々は、バスの中でゆっくりとしたいのである。
上映会場で待っていた主催者の携帯が鳴り、
「皆さん不機嫌みたいです。」
なるマジック・バスのスタッフからの連絡をもらい
一気にテンションが下がる主催者。
失敗に終わったのである。
夢は終わった。