ギリシャ旅行記・・・うざいほど続いてすみませんもうちょっとお付き合いください
アテネ国立考古学博物館がようやく開館ここは56もの展示室、有史以前からローマビザンティン時代までの展示物が所狭しと並んでいて、丁寧に見ると3時間以上かかってしまいます
うれしいような
大変なような
2016年に東京国立博物館で開催された「古代ギリシャー時空を超えた旅」では300点の展示物がありましたが、ここではもうそんなもんじゃないひたすら興奮です
先史時代のミケーネ遺跡のコレクション
古代のカーネリアンやゴールドのアクセサリーはどんな美男美女が身に付けていたのか興味津津です
こちらはギリシャ神話の対照的な女神
左側は月と狩りの女神アルテミス 男嫌いで潔癖症、ただし一度だけ情熱的な恋をしたことがあります
その相手はオリオン
兄のアポロンに騙され誤ってオリオンを射殺してしまいます
そして右側は愛欲と美の女神アフロディーテこちらはどちらかと言うと面食いで浮気者、性愛を否定するものを許さないので、そういう人には容赦ないですが、女神とは折り合いが悪く、同性には好かれないタイプなのかもです
ちなみに元々は彩色が施された色鮮やかな像だったようですが、どんな色合いだろう・・・古代ギリシャ人は小麦色の肌に天然パーマの黒や茶色の髪で、目も黒が多かったそうですので中東から来たと言われているこの二人の女神も、元々は栗毛や黒髪だったかも知れませんね。(アルテミスはトルコのエフェスで地母神として崇拝され、アフロディーテはメソポタミアのイシュタルがギリシャへもたらされたものと言われてます)
少年のような中性的な姿で描かれるのはワインの神ディオニュソスディオニュソスという名前は「若いゼウス」という意味だそうです
中年の姿の多いオリンポスの神様の中ではジャニーズ系です
大理石の像の色彩が剥がれてしまっても、壁画や壺に描かれた絵は元の姿をとどめていることが多いので、きっとこんなふうな色が神様の像にも塗られていたことでしょう
このような壺に描かれた神様の姿は顔が黒く描かれていることもあります
ギリシャの文化は白ではなく「極彩色」だったのが、最新の研究でわかっていますパルテノン神殿も鮮やかな姿だったことでしょう
大英博物館による大スキャンダルのせいでそういうことがわかったのですが、元々彩色されていたギリシャの大理石のレリーフや像を、当時の大英博物館の偉い人の命令でゴシゴシこそぎ落とすことをしたということです
なんでそんなことをしたかというと彼らはギリシャこそ「白人の素晴らしい文化の祖である」という主張をしたかったみたいです。その為、どうしても「白」くなければならなかったのです。
エジプトの神々のような黒い髪や小麦色の肌では都合が悪かったのでしょう。でも元々古代ギリシャ人はゲルマン人とは違うのですから、無理やりこじつけるのもねえ・・・
実はそのあたりの色彩に関するデータもイギリスにあるので、きちんとした復元をしていくのもギリシャの研究者が関われない状態です
ギリシャ政府はオスマン・トルコ帝国時代にイギリスが買い取ったパルテノン神殿のレリーフの返却をイギリスに申し立てていますが、イギリスは保管するよい博物館がギリシャにはないという理由で返してませんその為にギリシャは「新アクロポリス博物館」という素晴らしい展示の施設を造りました
もう返して上げて良いのでは
名高い大英博物館が「大盗品博物館」ではちょっと悲しいではありませんか(;´д`)トホホ…
ということで、実はギリシャの神々の像は当時の文化最先端であったエジプトの影響を受けています
エジプトからの出土品も一部あります 猫の女神さまバステト大好き
そしてこちらはビザンティン時代の教会関連の展示
十字架に彫られたレリーフがすごく細かいです
こちらはエメラル語やルビーを散りばめた胸飾り
この木彫り、本当に小さい中によく表現されているんですこうしたビザンティン関連にはやはり心惹かれます
それは前世の記憶がそうされるのかも知れません
なんだかんだで長居してしまって、気がついたらもう3時さあ次は再びシンタグマに戻って他の博物館も見ないと
続きます