毎月楽しみに読んでいる月刊「すばる」。
最新の6月号をぱらぱらとめくっていたら、強烈なタイトルの読み切り小説が目に飛び込んできました。
その作品のタイトルは、
『おもちゃの指輪がほしいねん』。
著者名は――ピンク地底人3号。
最初に名前を見たときは、「なんだこのインパクト抜群のペンネームは……!」と正直ちょっと笑ってしまったのですが、読み始めた瞬間、その軽い気持ちは吹き飛びました。
めちゃくちゃ面白い。
しかも、ただ奇抜なだけではなく、人間観察が鋭い。
現場の空気感が異様にリアル。
登場人物の会話が、生々しいほど自然。
気づけば一気読みしていました。
読後、あまりに印象に残ったので、「この人はいったい何者なんだろう?」と気になって調べてみたところ、どうやら元々は劇作家・演出家として活動されていた方のようです。
なるほど、と妙に納得。
この人の小説、会話が生きているんです。
セリフに「舞台感」がある。
人物同士の間合いや沈黙、空気の圧力まで感じる。
文章を読んでいるのに、まるで舞台を見ているような感覚になる瞬間があるんですよね。
2025年「すばる」8月号掲載の『カンザキさん』で小説家デビューとのことですが、実はこの作品も読んでいました。
当時もかなり印象に残ったんです。
「あ、この人、絶対ただ者じゃないな」と思った記憶があります。
『カンザキさん』の舞台はブラック配送会社。
そして今回の『おもちゃの指輪がほしいねん』の舞台は、万引き犯を捕まえる保安員の現場。
どちらも華やかな世界ではありません。
むしろ、社会の裏側というか、日常の中でもあまりスポットライトが当たらない仕事の現場です。
でも、だからこそ面白い。
ピンク地底人3号さんは、「職場の空気」を描くのが抜群にうまい。
仕事って、その人の本性がめちゃくちゃ出ますよね。
どんな場面でイライラするのか。
どんな人間関係を築くのか。
責任から逃げるのか、背負うのか。
弱い人にどう接するのか。
職場というのは、人間性がむき出しになる場所です。
ピンク地底人3号さんの作品には、その「むき出し感」がある。
だから登場人物が妙にリアルで、「こういう人いる……!」となる。
しかも、ただリアルなだけではなく、どこか滑稽で、切なくて、笑えて、でも少し苦しい。
この絶妙な温度感が、とても現代的だなあと感じました。
もちろん生年月日は公表されていないので、ホロスコープは出せません。
ですが、作品世界を読んでいると、ものすごく「乙女座的」な感性を感じるんですよね。
乙女座というのは、派手さよりも「現場」を見る星座です。
社会の細部。
労働。
日常のルーティン。
働く人々。
システムの歪み。
現場で起こる小さな異変。
そういうものを観察し、言語化する力に長けています。
まさにピンク地底人3号さんの小説はそこが強い。
特に、「働くことによって少しずつ摩耗していく人間」を描く感覚が非常に乙女座っぽい。
だから個人的には、
- 太陽乙女座
- 月乙女座
- 6ハウス強調
- 水星が土星と関係している
このあたりの配置を勝手に想像してしまいます。
特に6ハウス的な雰囲気がかなりあります。
占星術で6ハウスというのは、
- 労働
- 職場
- サービス業
- 日常業務
- 現場
- 心身の消耗
- 「働く」という現実
を司る場所。
ピンク地底人3号さんの作品は、この6ハウス的世界を、かなりリアルに切り取っている感じがするんですよね。
しかも、ただ暗いだけではない。
現場の absurdity(不条理)を笑いに変える感覚もある。
この「悲惨なのに笑える」という感覚は、乙女座+風星座っぽさも少し感じます。
最近の文学って、自己表現型の作品も多いですが、ピンク地底人3号さんはかなり「他者観察型」の作家だと思います。
しかも、描く対象がエリートではない。
配送会社。
保安員。
現場労働。
ギリギリの職場。
そういう、社会を支えているのに、普段はあまり可視化されない人たちを書く。
ここにすごく時代性を感じます。
現代って、「普通に働くだけで消耗する時代」ですよね。
だからこそ、こういう「現場文学」は、多くの読者に刺さるのだと思います。
まだ小説家としてはキャリア初期ですが、すでに独特の文体と世界観が完成されている印象があります。
しかも、劇作家出身という強みがかなり効いている。
今後、長編を書くようになったら、さらに化けそう。
個人的には、芥川賞候補に入ってきても全然おかしくないタイプの作家さんだと思っています。
ピンク地底人3号――。
名前はふざけているのに、作品は異様に鋭い。
このギャップも含めて、今後かなり気になる存在です。
「すばる」を読んでいて、久々に「この作家を追いかけたい」と思わされました。





