https://youtube.com/watch?v=TfCLTBqempw&feature=shared
『THANK YOU SO MUCH』は、サザンオールスターズの16作目のオリジナル・アルバム。2025年3月19日にCD・レコード・ダウンロード配信・ストリーミングで発売されました。発売元はタイシタレーベル / SPEEDSTAR RECORDS。
キャッチコピーは「この歌と出会い あなたがいれば 何も怖くない――」。
自身のオリジナル・アルバムとしては、前作の『葡萄』から10年ぶりとなる発売。2024年6月25日に7作目の配信シングルの「恋のブギウギナイト」のリリース発表とともに本作の制作が発表されました。その時はレコーディング中であったために収録曲やタイトルなどは決まっていなかったのですが、2024年11月13日に本作のタイトル、2025年1月6日に発売日が発表されました。 ジャケット写真では日本人形が使用されています。アルバムがリリースされる3月は桃の節句もあり、子ども達の幸せを願う春の季節でもあります。古来より日本を見守り、人々の願いに寄り添い続けてきた日本人形ならではな繊細さ、侘び寂びが、ストレートな『THANK YOU SO MUCH』という英字タイトルと同居し、厳かでありながら“軽み(かろみ)”を感じさせる1枚になっています。内村光良さん(ウッチャンナンチャン)は本作の内容及びジャケットを「新作を聴いてまず感じたのは、桑田さんはこの国のことが大好きなんだなと。年を重ねられて思うことがあるのかなと思いましたし、ジャケットも含めて、ニッポンということを感じました」と評価する発言を行っています。
CDの完全生産限定盤は三方背のくるみケースとなるため、通常盤とはまた違った大きいサイズでのレイアウトとなり、アナログ盤においてはCDとは異なるアングルの写真が使用されたジャケットとなっています。
制作時期の関係もあり、『海のOh, Yeah!!』以降のシングル曲では「愛はスローにちょっとずつ」が本作に未収録となりました。
桑田佳祐さんは本作について「この作品は“読み物”としての側面も大切にしたい」という発言を行っています。
本作はSPECIAL DISC(AはBlu-ray Disc、BはDVD)とSPECIAL BOOK『よむ“THANK YOU SO MUCH” / かたる “THANK YOU SO MUCH”』が付属する完全生産限定盤、通常盤、2枚組アナログ盤の計4形態でリリースされました。SPECIAL DISCには昨年9月に茨城・国営ひたち海浜公園で行われた音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA」より、サザンが“最後の夏フェス”として出演したステージの模様の全編が、ドキュメンタリー映像を織り交ぜ、新たに編集された内容で収録されました。内容は最高です。ちょっと値段はどうにかならないかとは思いますが、内容は文句のつけようがないです。
桑田佳祐さん、69歳です。70歳を前にしたミュージシャンがこのアルバムのサウンドを作り上げたのかと思うと、驚愕です。
1978年デビューということは、キャンディーズが解散、ピンク・レディーがミリオン連発、山口百恵さんがまだまだ現役の頃だから、もう、47年、最前線に君臨しているんですよね。モンスターバンドです。
「夢の宇宙旅行」
「桜、ひらり」
サザンオールスターズは、1978年6月25日にシングル「勝手にシンドバッド」でメジャー・デビュー。1979年に「いとしのエリー」がヒットしました。1980年代には 「チャコの海岸物語」「ミス・ブランニュー・デイ」「Bye Bye My Love (U are the one)」などがヒットしました。1990年代になると「真夏の果実」がヒットし、「涙のキッス」「エロティカ・セブン」「あなただけを 〜Summer Heartbreak〜」「愛の言霊 〜Spiritual Message〜」の4作がミリオンセラーとなりました。2000年には「TSUNAMI」がダブルミリオンを記録し、第42回日本レコード大賞の大賞を受賞、その後2000年代には「HOTEL PACIFIC」や「涙の海で抱かれたい 〜SEA OF LOVE〜」「I AM YOUR SINGER」などもヒットしました。5年の活動休止を経て、2010年代には「ピースとハイライト」「東京VICTORY」「闘う戦士たちへ愛を込めて」などがヒットしています。オリジナル・アルバムは1978年に『熱い胸さわぎ』、1985年に『KAMAKURA』、1996年に『Young Love』、2005年に『キラーストリート』、2015年に『葡萄』など計15枚、ベスト・アルバムは1998年に『海のYeah!!』、2018年に『海のOh, Yeah!!』など計7枚が発売されています。 一般的にはラブソングやエロティックな内容の楽曲で認知されていますが、楽曲によっては風刺、反戦、さらには生まれ育った日本への強い愛情や世界平和などのメッセージや国民へのエールが込められたものも存在しています。また、サザン及び桑田佳祐さんの楽曲の作風や歌唱法は一般的には日本語を英語風に発音し、ロックのリズムに乗せて早口でまくし立てて歌ういわゆる「巻き舌唱法」で知られていますが、桑田さん本人は日本語の持つワビ・サビの感覚をもっと音楽に出していきたいという意向を示しており、実際にはその他にも「逢いたくなった時に君はここにいない」を始めとしたバラード曲のように美しく明解な日本語の歌詞の楽曲を制作したり、「JAPANEGGAE (ジャパネゲエ)」「通りゃんせ」「イヤな事だらけの世の中で」のように古語や四季折々の情景を取り入れた日本情緒を感じさせる内容の歌詞をロック・ポップスのリズムに乗せて歌ったりするなど、楽曲によって表現を使い分けており、英語や早口な歌い方を取り入れないスタイルの楽曲も多く制作されています。桑田さんはベスト・アルバム『海のYeah!!』と『海のOh, Yeah!!』を聴き比べた際に、前者を「英語と日本語を融合させようとあれこれ格闘している跡が見てとれます」、後者を「やっぱり日本語を大切にして歌いたいという気持ちが、全面に出ていますね」と評し、作風の変化を自己分析しています。
幅広いテーマの楽曲とボーカルの桑田佳祐さんが生まれ育った茅ヶ崎市および日本への強い愛情と世界平和を希求する思いを発信し続け、被災地支援やエイズ啓発などの社会的貢献も行っています。 こういった長年に渡る活動と功績がゆえに「日本の宝」「国民的ロックバンド」「日本人にとっての“心のふるさと”」とも称されています。ユーミンと並んで、『歌謡曲』を『J-POP』へと進化させた功績も大きいと思っています。
『THANK YOU SO MUCH』のプロモーションで歌番組に出演されて、アルバムタイトルの意味を問われた時に、“言えるうちにありがとうを言っておこう”的な発言を桑田さんがされていたのが気になっています。何かしらの“悟りの境地”に辿り着いたのでしょうか。
桑田さん、大病も経験されていますが、まだまだ、できる限りサザン、桑田佳祐さんのステージを観たいものです。
僕は、桑田佳祐さんの巻き舌唱法、初期はあまり好きではありませんでした。原由子さんが産休で、サザンが活動休止中に聴いたKUWATA BAND及び桑田佳祐さんのソロ活動で、その魅力に取り憑かれたので、実質80年代の終わり頃、聴き始めた感じです。