https://youtube.com/watch?v=0IgELBHnV-w&feature=shared


 1990年10月21日発売。8作目のシングル。オリコン週間2位。

 作詞・作曲およびプロデュースは尾崎豊さんが行い、尾崎さんによる初のセルフプロデュース作品となりました。マザーアンドチルドレンからの移籍第一弾として、前作「太陽の破片」(1988年)よりおよそ2年4か月ぶりのリリースとなり、5枚目のアルバム『誕生』(1990年)からの先行シングルとなりました。 覚醒剤体験を綴った尾崎さんによる同名の短編小説『LOVE WAY』と重複する表現があり、尾崎さんは共同幻想によって個体がそれぞれ同じ一つの物事に突き進む事で全ての虚像を突き抜けるという内容をテーマにしたと述べています。編曲を担当した星勝さんによるタイトなデジタルビートと膨大な言葉数の畳みかけるような歌詞が特徴となっています。シングルジャケットのアートワークも尾崎さん本人が担当しています。

 批評家達からは、尾崎さん自身の体験に即しすぎているといった意見や難解な言葉を無理解なまま多用しているとした意見など否定的な評価が見受けられました。


 尾崎さんは本作と同名の小説『LOVE WAY』を上梓しており、後に短編集『普通の愛』(1991年、ISBN 9784041867013)に収録されました。小説の内容は現実から逸脱したい主人公による覚醒剤体験を綴ったものとなっています。ノンフィクション作家である吉岡忍さんは著書『放熱の行方』において、歌詞の内容が非常に難解であり、前述の小説を読んだ後であれば多少の理解は可能であると述べています。吉岡さんは本作の歌詞の解釈として、誰もが究極の愛を求めるがその過程で欲望や矛盾に捉われて善意が相手を傷つけ期待した事は裏切られる、真実など安易に掴む事はできないがそれが人間の生きざまであると述べています。 


 書籍『地球音楽ライブラリー 尾崎豊』においてライターの落合昇平さんは、本作が尾崎さんが見つめている最新の「地図」であると位置付け、その地図上には何一つ確かな物がなく、心は何かが不足し常に満たされず、意味は形を失って愛は卑小なものと化していくという内容であり、「(だとしても)生きていくすべては愛しいものだ」というメッセージが歌われていると述べています。また星勝さんによるサウンドアレンジが、タイトなままであるが次第に熱を帯びてくると表現し、「前傾姿勢をとった尾崎の形を伝えている」と述べています。 音楽誌『別冊宝島1009 音楽誌が書かないJポップ批評35 尾崎豊 FOREVER YOUNG』においてフリーライターの河田拓也さんは、星勝さんのアレンジによって尾崎がデビュー以前に音楽性として持っていたフォークソングのようなルーツに立ち返り、井上陽水のアルバム『氷の世界』(1973年)収録曲の「氷の世界」を目指したかのようであると指摘しました。また、「畳みかけるような言葉のリズム感と、微妙に垢抜けないデジタルビートの組み合わせが妙に生々しく新鮮で、インパクトはあった」とも述べ、歌詞の内容は「人は誰も愛を求めているが、欲望に翻弄され引きずられる。けれどそうした愚かさも生きていくための過程であり、その姿はいじらしく愛しい」と要約しています。


 そうそう、『LOVE WAY』を初めて聴いた時、難解な言葉を詰め込んだ楽曲、畳み掛ける言葉に驚きました。同時に、陽水さんの『氷の世界』みたいだと思いました。

 尾崎豊さんって、ロックというより、フォークみたいだと思うことも多かったです。

 


 

 


 

 






NO MUSIC&SONG, NO LIFE - にほんブログ村