https://youtube.com/watch?v=wvGQ9jzTbB0&feature=shared


 『ライジング・フォース』(Rising Force)は、1984年に発表されたイングヴェイ・マルムスティーンのソロ第1作目のスタジオ・アルバム。アルカトラスにおいて自らのギタープレイと作曲能力を示したマルムスティーンが、日本のレコード会社からの強力なプッシュによりインストゥルメンタルを主軸にさらなるミュージシャンシップを発揮させたアルバム。

   このアルバムで示された、ヴァイオリンを思わせるレガートなギター演奏や、クラシック音楽とヘヴィメタルを高次元でクロスオーバーさせた楽曲は、ロック・シーンならびにギター・シーンに多大な影響を与え、新ジャンル「ネオクラシカルメタル」として多くのフォロワーを生み出すに至った。グラミー賞のベスト・ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス部門にノミネートされるも受賞は叶いませんでしたが、雑誌の読者投票などで最優秀新人賞、最優秀アルバム賞ほか数々の賞に選ばれました。2013年に米国のGuitar World誌が発表した「Top 10 Classic Shred Albums(速弾きギター・アルバムの傑作 TOP10)」で1位に選ばれました。 本作に収録された「ファー・ビヨンド・ザ・サン」はファルコムのゲーム「イースIV」の劇中曲「偉大なる試練」でほぼそのままのアレンジで使用されています。 この作品以降はボーカルをフィーチャーした作品が続き、次なるインストゥルメンタル・アルバムの発表はエレクトリック・ギターとオーケストラのための協奏組曲 変ホ短調『新世紀』 (Concerto Suite for Electric Guitar and Orchestra) (1998年) まで待たねばなりません。 なお、題名の『ライジング・フォース』は、マルムスティーンがアマチュア時代に結成していたバンド名であり、次作品以降しばしばライジング・フォース名義を使用して活動を行っています。


 〈参加ミュージシャン〉

イングヴェイ・マルムスティーン Yngwie J.Malmsteen - エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ベース・ギター、タウラス・ベースペダル 

イェンス・ヨハンソン Jens Johansson - キーボード ジェフ・スコット・ソート Jeff Scott Soto - ボーカル 

バリモア・バーロウ Barriemore Barlow - ドラム


 イングヴェイ・マルムスティーンは、ロック・ギターにクラシック音楽の要素を盛り込み、驚異的な速弾きで80年代以降ギター奏法に大革命をもたらしました。日本ではマイケル・シェンカーの「神」に対して「王者」と呼ばれます。

 楽曲の特徴は、俗に言う欧州メタルのスタイルに、ハーモニックマイナー・パーフェクト・フィフス・ビロウというスケール(本人が言うところのフリジアンスケール)とアルペジオを主とした高速なギター・ソロが加わる所。スウィープ奏法や、エコノミーピッキングなどのテクニックの存在を広く知らしめたとも言われます。インストゥルメンタルに於いては、大部分がインプロヴィゼーションに基づいています。その超絶なスケーリングは、19世紀の名ヴァイオリニストであるニコロ・パガニーニの技巧に多大なる影響を受けたとされます。ジミ・ヘンドリックスやウリ・ジョン・ロートなどのギタリスト、ジェネシス、ディープ・パープル、クイーン等の影響が強く、それらのバンドが得意としたクラシカルで盛儀なサウンド、リッチー・ブラックモアが初期レインボーで展開・確立した「様式美」をヘビー・メタルに導入し発展させた作風で欧州や日本における人気を確立しました。

 「速いだけだ」という批判もありますが、その「速い」ということで聴く者を感動させる才能。よく比較されますが、多くのフォロワーを生んだ影響力という意味では、エディ・ヴァン・ヘイレンと双璧をなすというか。立ち位置は随分違うかもしれませんが。いったん捕まると沼にはまるような癖になる魅力がありますね。





 

 




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