https://youtube.com/watch?v=EcJqAWbnmoc&feature=shared
桑田佳祐さんの2作目のオリジナル・アルバム。1994年9月23日にCDとカセットテープで発売。発売元はタイシタレーベル。オリコン週間1位。オリコンによる累計売上枚数は87万枚を記録しています。
前作『Keisuke Kuwata』から約6年2か月ぶりとなる作品。本作は桑田さんが「自分はこのままでいいのだろうか」と思ったことから前年まで続いたサザンオールスターズの活動を一時的に休止して制作に取り掛かり、発表されました。「名曲はギター1本で歌える」というロックの基本のコンセプトで作られ、サザンの楽曲とは対照的な内向的な歌詞とアコースティックサウンドを全面に押し出しています。また、製作期間中であった1994年2月に桑田の母が心筋梗塞により60歳の若さで亡くなったことも制作に多大な影響を与えました。実家で母の通夜・葬儀が行われていた頃はスケジュール的には曲を書かなければいけなかった時期だったため、桑田さんは母の棺の傍らで幾つかの曲を作ったことを語っています。
「孤独の太陽」というタイトルは当時の桑田さん自身のことで「体温も表情も無いまま世の中を俯瞰で見つめているイメージ」と述べています。当アルバムは「名曲はギター1本で歌える」というロックの基本のコンセプトで作られましたが、桑田さんはこうしたコンセプトやサウンドでも、根底にあるのはポップスであったと後に著書で述べています。 歌詞についてはメッセージ性の強いものと評されることがありましたが、桑田さんはそれについてやや否定的な発言をしており、「打倒せよ」「断固反対」といったはっきりとしたメッセージは言い切れていないとしています。また、制作当時は母の死も影響して行き場のない気持ちになっていたことや、社会問題などを歌うことに自信を無くしていたことも述べています。
Mr.Childrenの桜井和寿は2016年に自身のおすすめとしてこのアルバムを挙げています。
このアルバムでこの話題に触れないわけにいかないのですが、発売直後、収録曲の「すべての歌に懺悔しな!!」の歌詞が長渕剛さんと矢沢永吉さんを揶揄していると決めつけられマスコミなどで話題になり、桑田さんは記者会見を開き報道を否定し釈明する事態となりました。矢沢さんは桑田さんを気遣う対応をしましたが、長渕さんは桑田さんを糾弾する発言をし、最終的に1995年1月24日に長渕さんが大麻取締法違反で逮捕されて、事態が一気に沈静化するまで論争が続きました。音楽評論家のスージー鈴木さんはこの論争を「つまらない騒動」と評しており、その理由を「桑田の歌詞の意味を具体的に解釈しようとすることの意味の無さを感じるから」としています。また、桑田さんと長渕さんの音楽性に大きな影響を与えた吉田拓郎さんは「ボクは桑田クンのファンとしていえば、桑田クンは何も説明しなくてもいい、謝る必要なんてない」などと桑田さんの肩を持つ発言を行い、長渕さんをトーンダウンさせました。薬物事件以前にも長渕さんに暴力や女性問題などを始めとしたスキャンダルやダーティな噂が多かったこともあり、業界人の多くが桑田さんを支持していたとされ、以後二人は絶縁状態となったとされます。
この歌は、誰がどう聴いても長渕さんのことを連想してしまいますね。個人的にはあの時、長渕さんは激怒して、殴り込みも辞さないという態度でしたが、反論は歌でやったら?と思ってました。今でいう、ヒップホップミュージシャンみたいに。桑田さんも謝罪会見なんかしなくて良かったかも。その方がロックだったというか。
この後の桑田さんって『孤独の太陽』ほどの名盤は出せていないと思ってます。良い曲は多いけど、個人的には。そういうのはサザンでやればいいのにと思うことも多かったかな。