https://youtube.com/watch?v=qNE0qOAw3sU&feature=shared


 1980年4月25日発売。30枚目のシングル。オリコン週間9位。ザ・ベストテン週間6位。シングルの総売上は「なみだ恋」に続き八代亜紀さんのシングルでは第2位を記録しました。

  TBS系列『ザ・ベストテン』では唯一の登場曲となりました。 前年発表した八代さんの「舟唄」が男心を歌にしていることに対し、同じく作詞をした阿久悠さんが女心を歌にしたものとさるます。 阿久悠さん&浜圭介さんコンビによる、「舟唄」「港町絶唱」と合わせて哀憐三部作とされました。阿久さんによると、「舟唄」「雨の慕情」と徐々に評判を高めていき、最終的に「港町絶唱」で日本レコード大賞を狙うつもりであったようですが、結果的には「雨の慕情」が予想以上のヒットとなり、同賞のほか多くの音楽賞を受賞することとなりました。 八代亜紀さんは1980年の『第31回NHK紅白歌合戦』の大トリで表題曲を歌唱しました。 サビのところからリズムが入る際の、手のひらを天に向ける振り付けは、八代さん自身の考案。他の八代さんの歌の場合と同様、自然に出てきたものだと本人は言います。本作が当時の様々な歌番組で披露されると、振付けが子どもたちにもウケてマネされたこともあり、世代を超えるヒットに繋がりました。

  1983年にサンリツ電気からリリースされたアーケードゲーム『四人打ち麻雀・ジャントツ』ではBGMにこの楽曲をアレンジした演奏が採用されました(このゲームのゲームセンター向け広告チラシやポスターにも八代が起用されています)。 中部日本放送(CBCテレビ)制作・TBS系の「昼の連続ドラマ」枠で1983年3月21日から同年7月15日まで放送されたテレビドラマ『雨の慕情』(加賀まりこさん主演)の主題歌に起用されました。 ヴィダルサスーンやBOSSのCM等でも使用されています。 偶然ではありますが、発売された1980年は夏場に雨が続き、同年の5~8月までの月間降水量は全て前年比100%を超えています。気象予報士の森田正光さんによると、当時働いていた気象協会では、この現象を「八代効果」と呼んでいたとのこと。また、このため記録的な冷夏となっており、この曲と冷夏とが重なる形で印象づけられることになりました。

  ドラマ『北の国から』第8話では、同曲を歌い出す登場人物(吉岡秀隆さん演じる黒板純)が最終的に歌詞の一部(あめあめふれふれ)が同じである童謡『あめふり』を歌ってしまうシーンが描かれています。 本作を作詞した阿久悠さんは、当初「雨々ふれふれ」というタイトルを考えていました。しかしこのタイトルを聞いた本作のプロデューサー・小西良太郎さんが、阿久さんに「雨の慕情」への変更を助言したことでタイトルが正式に決まりました。 それまでの日本の歌謡曲では、「雨」に関する名曲は切ないメロディが多かったとされます。「雨の慕情」では、楽しく雨乞いをするような歌詞、切なさもありながら明るいメロディは画期的でした。一部マスコミからは、「日本人が楽しそうに雨に関する歌を歌うのは、『あめふり』以来」とも言われています。 浜圭介さんは、阿久悠さをが書き上げた歌詞を受け取った際、「これは雨の歌だけと湿っぽい演歌ではない」と感じ、曲作りを始めました。「私のいい人つれて来い」の部分をどこか前向きなイメージを持ったことから、サビの明るいメロディが浮かんだといいます。 浜によると、「演歌のコブシを付けると暗くなりやすいため、リズムは16分音符を使って軽やかに、フォークっぽい分かりやすいメロディで作った」とのこと。また物憂げなイントロは、編曲した竜崎孝路さんの「ヨーロッパの匂いを出したい」との考えにより、フランス製のガットギターの演奏で完成させたそうです。


 そう、子どもにも分かりやすいメロディと振り付けだったのですよね。紅白歌合戦から演歌枠が減ったり、滅多にヒットチャートに顔を出したりしなくなって久しいですが、工夫によってはひょっとしたら、まだ老若男女に支持される方法はどこかにあるのかもしれませんね。


 第22回日本レコード大賞、大賞受賞。この年は八代亜紀さんと五木ひろしさんの激戦で、「五八戦争」として話題となりました。五木ひろしの「ふたりの夜明け」、五輪真弓の「恋人よ」、もんた&ブラザーズの「ダンシング・オールナイト」、都はるみの「大阪しぐれ」。凄い面子が並んでいますね。どれが大賞でも視聴者は納得したかもしれません。


 御冥福をお祈りいたします。



 

 


 







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