https://youtu.be/dsUXAEzaC3Q
『バッド』(Bad)は、1987年8月31日に発売されたマイケル・ジャクソンのアルバム。全米、全英、日本のオリコンでも1位。
これまでに3500万枚以上を売り上げており、史上最も売れたアルバムの一つ。「ローリング・ストーンズ誌が選ぶ史上最も偉大なアルバム500」において202位。 シンセサイザーによる近未来的な世界観や歌詞のメッセージ性が強調された作品で、クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えた1980年代三部作の最終作。
当時一世を風靡した電子楽器「シンクラヴィア」を駆使した革新的な音作りと、世界平和や世相批判など決して個人的なものに留まらないメッセージ性の強い歌詞が、本作の大きな特徴とされています。 収録曲は「マン・イン・ザ・ミラー」と「ジャスト・グッド・フレンズ」の2曲を除いて全てが自作。「今回の曲は全部マイケルが書くべきだ」と言ったのはクインシーで、マイケルはその提案のもと本作のために60曲以上を作詞・作曲し、そのうち33曲を正式に録音したといいます。マイケルはこれらを3枚組のアルバムとしてリリースしようとしましたが、「無理だ、長すぎる」というクインシーの反対により断念。その候補曲の多さゆえに、後に名曲としてファンの間で親しまれることとなる「ストリートウォーカー」「フライ・アウェイ」「チーター」などの曲が惜しくも選曲から漏れることとなりました。
先行シングルとしてカットされたのは、クインシーの秘蔵っ子だったサイーダ・ギャレットとのデュエット曲「キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」。本曲から第5弾シングルの「ダーティ・ダイアナ」まで、5曲連続で全米1位を獲得することとなります。 表題曲は、私服警官に強盗と間違えられて射殺されてしまった青年の実話を基に制作された18分に及ぶショートフィルムが話題となりました。元々はプリンスとのデュエット曲として制作されていましたが、プリンスが「僕が参加しなくてもこの曲は売れるよ」と言ったことからデュエットは中止となりました。 実際Badはビルボードチャート1位という結果を残しています。
5曲目の「ジャスト・グッド・フレンズ」では、モータウン時代からの旧友でもあるスティーヴィー・ワンダーとの共演が実現しています。 7曲目の「マン・イン・ザ・ミラー」では、ゴスペルを基調とした力強い音楽にのせて政治的な題材が扱われ、自作曲ではないものの後のマイケルの作風に大きな影響を与えました。 第5弾シングル「ダーティ・ダイアナ」はダイアナ・ロスに向けて歌われたものではないかといわれたが、マイケル本人は否定しています。ダイアナ妃をゲストに迎え入れた1988年のロンドン公演で、ダイアナ妃に「『ダーティ・ダイアナ』は歌われるのですか?」と訊かれたマイケルが「いえ、貴方に失礼かと思いまして歌いません」と答えたところ、「ええ! 私はあの曲が大好きなので歌って下さい!」と懇願されたという逸話が残っています。 マイケル本人が製作総指揮を取った1988年の映画『ムーンウォーカー』は、LP版で作品のラストを飾る一曲「スムーズ・クリミナル」の世界観を基に作られ、作中で披露された無重力傾斜(アンチ・グラヴィティ・リーン)が話題となりました。
前作『スリラー』の売上を超えるというマイケルの目標は達成されなかったものの、本作は聴衆及び批評家から概ね高い評価を得ました。ビルボード史上において初めて同一オリジナル・アルバムからのシングル5曲連続1位獲得を達成。1988年の第30回グラミー賞では4部門においてノミネートされ、最優秀録音賞を獲得しました。 売上に関しては諸説はあるものの、これまでおよそ3000万枚から4000万枚を売り上げたとされており、「史上最も売れたアルバム」ランキングの上位に位置付けられています。
個人的には『スリラー』の時は、幼すぎて、記憶がなく、『Bad』が初めてアメリカの音楽に触れた瞬間でした。