1986年7月21日発売。オリコン週間46位。

 1985年、吉岡治さんと弦哲也さん、桜庭伸幸さんの3人が天城湯ヶ島町(現・伊豆市)の温泉旅館・白壁荘で製作しました。3人は旅館に2泊し、吉岡は旅館周辺を散策する事で詞の原案を練っていたといいます。静岡県・伊豆半島の天城山を舞台にしたご当地ソングでもある。 当時のカラオケブームの最中に、「石川にしか歌えない、難易度の高い作品を」ということで制作された楽曲。作曲した弦さんによると「石川は『天城越え』の歌詞を初めて見た瞬間、戸惑いの表情を浮かべた。“こんな情念の籠もった歌、自分には歌えない”そううろたえ途方に暮れている様子だった。しかし、その後石川は一つ一つの歌詞に真正面から向き合い、解釈し、消化していった。言うなれば『天城越え』をゆっくり自分の身体に染み込ませていった」と語っています。 2008年シーズンの大リーグ選手・イチローの打席曲にもなりました。この時は非常に驚きましたが、ナイス選曲と思いました。これはシーズンオフに帰国して紅白歌合戦を見ていたイチローが本曲を聴いて、「記録など、いろいろな物を越えたい」と思ったからだといいます。その後さゆりさんはマリナーズのホームゲームに招待されました。但し、さゆりさん自身は「野球音痴」だそうです。 しかし、日本が誇る名曲だと思います。僕は演歌好きな曲が数曲あるんですが、ゆっくり紹介していこうかな。

 第一興商が、自社の通信カラオケ『DAM』がサービスを開始した1994年4月から2018年までのデータを集計したところ、『天城越え』は最も歌われた楽曲として演歌では首位、全楽曲の中でも4位となりました。

 年末恒例の『NHK紅白歌合戦』では、1986年(第37回)で初披露。その後も1997年(第48回)、1999年(第50回)、2002年(第53回)、2005年(第56回)、2008年(第59回)、2010年(第61回)、2012年(第63回)、2014年(第65回)、2016年(第67回)、2018年(第69回)、2020年(第71回)、2022年(第73回)と、合計13回も歌唱しました。これは紅白史上最多記録となっています(その次も石川自身の「津軽海峡・冬景色」の11回)。その内、第37回・第53回・第67回・第69回は紅組トリとして通算4度披露した。これも同じ石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」の通算4度に並ぶ、紅組歌手としてのトリ回数では歴代最多の記録。 2005年に実施された「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」では、紅組の16位に選ばれました。また、石川は2007年(第58回)以降の紅白歌合戦においては、隔年で「天城越え」と「津軽海峡・冬景色」とを交互に披露しています。昨日の歌唱も説得力があって良かったな。他にも良い曲はあるんですが、すっかり世間が「天城越え」と「津軽海峡・冬景色」を求めているのでしょうね。



 毎年、オーケストラやロックギター(マーティー・フリードマンや布袋寅泰さん)と共演したり、工夫されてますね。演歌とメタルギターの相性ってこんなに良いんですね。


毎年、またかと思っていた時期もありましたが、ここまで愛される曲もなかなか無いというか。

 石川さゆりさんが毎回、表現を変えようとしている、というか、歌の中で演じているように思う。またか、と思いながらも毎回歌の世界に引き込まれる。

 こういう情念を歌える演歌歌手が昨今、減ったような。上手いけど、可愛らしい、美しいだけとか。なかなか石川さゆりさんクラスの表現力を出せる方はまだまだいないのだろうなと思います。