https://youtu.be/Wkyl6y9M5EA


 『“LAST GIGS”』は、BOØWYの2枚目のライブ・アルバム。

 1988年5月3日に東芝EMIのイーストワールドレーベルからリリースされました。正式名称は、『“LAST GIGS” LIVE AT TOKYO DOME "BIG EGG" APRIL 4,5 1988』(ラスト・ギグズ・ライブ・アット・東京ドーム"ビッグエッグ"-)。『“GIGS” JUST A HERO TOUR 1986』(1986年)以来およそ2年振りとなるライブ・アルバム。 同年4月4日から4月5日の2日間に亘り開催されたBOØWYの最終公演である「LAST GIGS」の模様を収録、4月5日に演奏された全23曲の中から12曲が収録されました。デビューアルバム『MORAL』(1982年)から最後のアルバムとなった『PSYCHOPATH』(1987年)まで幅広く選曲されていますが、2枚目のアルバム『INSTANT LOVE』(1983年)の収録曲は演奏されなかったため1曲も収録されていません。 オリコンチャートでは最高位1位を獲得、売り上げ枚数は累計で約153万枚となりました。

 後に4月5日の公演の全演奏曲目を再現したライブ・アルバム『“LAST GIGS” COMPLETE』(2008年)がリリースされたほか、4月4日および5日の両公演の全音源を収録した『LAST GIGS -THE ORIGINAL-』(2019年)、公演日ごとに個別に分けられた『LAST GIGS -1988.04.04-』および『LAST GIGS -1988.04.05-』もリリースされました。この後出し商法はレコード会社に疑問を抱きますが。

 6枚目のアルバム『PSYCHOPATH』(1987年)リリース後、BOØWYは「BOØWY ROCK'N'ROLL REVIEW DR.FEELMAN'S PSYCHOPATHIC HEARTS CLUB BAND TOUR」と題したコンサートツアーを同年9月16日の宇都宮文化会館から12月24日の渋谷公会堂まで、32都市全35公演を実施。すでに解散が決定事項となっていたBOØWYでしたが、外部には一切公開されていない状態でした。しかし同年12月には写真週刊誌『FRIDAY』に「BOØWY解散の噂」と題した記事が掲載され、それ以前から巷で流れていた解散の噂に拍車が掛かる事となりまし。解散の意向を受けたプロデューサーの糟谷銑司さんは、解散を阻止しない代わりに最後のコンサートを行うよう要求しました。糟谷さんはかつてBOØWYメンバーが「ファンの一人一人が五人目、六人目のBOØWY」であると語っていた事を持ち出し、本来目出度いはずのクリスマス・イブに解散宣言を突き付けられたファンの心情を考慮した上での忠言でした。これを受けた布袋寅泰さんは「最後は自分たちのためじゃなく、ファンのみんなのためにライヴをやりましょう」と承諾する事となりました。

 その後ツアーファイナルとなった12月24日の渋谷公会堂公演にて、2回目のアンコールの際に氷室京介さんから解散宣言とも受け取れる発言がなされ、BOØWYとしての活動は終了する事となりました。同日に解散宣言が出される事は決定事項でしたが、宣言を行うタイミングは全て氷室さんに一任されていました。また、実際に宣言を行うかどうかについてはスタッフを含めメンバーにも明確には伝えられていませんでした。当日はチケットを入手できなかった300人程度のファンが会場に詰め掛け、強引に中に入ろうとする余り会場の扉がしなり続け、結果として入口のガラスが破壊され会場側から中止勧告が出される事態となりました。翌12月25日には新聞各紙のBOØWYサイドが買い取ったスペースにメンバー4人の個人名が記載された状態で解散宣言が掲載され、その中で最終公演となる「LAST GIGS」が予告される事となりました。

 最終公演の舞台は東京ドームと正式に告知され、2日間の入場者数に当たる約95000人分のチケットは販売開始から10分でソールドアウトしました。また、チケット販売開始後に電話が殺到した影響で、文京区の電話回線がパンクする事態となりました。また、これらの出来事は新聞各社の社会欄や朝日新聞の天声人語においても掲載される事となりました。

 本作には2日目となった4月5日公演の演奏のみが収録されています。また当日演奏された全23曲の内12曲と半分程度の曲数が収録され、氷室によるMCは全てカットされています。 氷室さんは前年12月24日の解散宣言が行われたライブでBOØWYは既に終了していると述べ、この公演はお楽しみ企画でありお祭り、同窓会である趣旨であるとました。高橋まことさんは自著『スネア』にて同種の発言を行っており、「BOØWYの本当の意味でのラスト・ステージはこの日(12月24日)の渋谷公会堂だったと俺は思っている」と述べた他、「『LAST GIGS』は俺らにとって同窓会であり、ファンへの厚い感謝であり、5万人もの観客を集めた派手なお祭りという意味合いだった」とも述べています。

 オリコンチャート最高位1位。最終的な累計では売り上げ枚数は約153万枚となりました。


 サウンド面に関しては賛否両論あり、1988年のオリジナル盤に関して、歴史的価値を強調する余りに歓声が多く収録されている事から「ウォークマンなどで聴いていると耳ざわり」、「ドラム音のバランスも良くない」等、否定的な意見、当日演奏された曲の半分程度しか収録されていない事を指摘しつつも、ファンには思い入れの強い曲が収録されている点を挙げ「聴き所を挙げればキリがない」とした他、最大の名シーンは氷室さんによる「最後に夢を見てる奴らに贈るぜ!」とMCされた後に演奏された「Dreamin'」であると指摘、また当日氷室さんが観客にマイクを向けて歌わせるシーンが多くあった事を挙げた上で「4万人以上が一体化するエネルギーにおいて、このライヴを越えるものはなく、凄まじいという以外に言葉がない」と絶賛した方も。


 僕個人としては、生まれて初めてライヴアルバムなるものを聴いたことになりましたが、ライヴ、コンサートとはこういうものであるということを植え付けてくれたアルバムでした。この『LAST GIGS』を聴いて、衝撃を受けたからこそ、色んなライヴに参加してみたい、それこそ、氷室さん、COMPLEXのチャリティーライヴは何としても観たいと考えたのだと思います。後から『1224』の映像、並びに音源聴きましたが、あれで終わってたら、こんなにBOØWY好きじゃない未来だったかもしれません。

 再結成なんてしなくて良いと思いますね。『観たいけど、観たくない』その一言です。


   




 

 

 






 



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