『CRIMSON』は、中森明菜さんにとって前作『不思議』に続く1986年発表の2枚目となるスタジオ・アルバムで、前作からおよそ4か月振りとなる同年12月24日にLP (L-12650) とコンパクトカセット (LKF-8150) とCD (32XL-190) の3形態で同時発売された通算10枚目にあたるスタジオ・アルバム。本作も『不思議』と同様にシングル楽曲は収録していません。このアルバムタイトルのCRIMSONとは「深紅の」という意味を表し、オリコンは「それはサンセットの焼けた海と空の色、それはしっとり濡れた口唇の色、アフター・ファイブのドレスの色。」とタイトルイメージを解説しています。 このアルバムでは、小林明子さんと竹内まりやさんからそれぞれ5曲提供を受けました。これは女性作家陣による女性的な温かみや、優美さをテーマにしたいとのコンセプトにより、小林さんと竹内さんに楽曲提供を依頼したものでした。ディレクターの藤倉克己さんは本作について、「20歳すぎの女性が誰でも経験しそうな物語という事を意識しています。」と説明し、ニューヨークあるいは日本では例えるならば東急東横線の地域で暮らすオフィスレディをイメージしていると述べました。

 このアルバムに収録されている楽曲のうち、10曲目として配置された「ミック・ジャガーに微笑みを」を除き、全曲で歌唱法を統一しています。ウィスパーボイスですね。囁くような。「ミック・ジャガーに微笑みを」についてディレクターの藤倉さんは、アルバム全体の中でこの楽曲のみ肌合いの異なるもので、どのようにしてアルバムに取り入れるかを取り組んだ末にSE処理を施し、「明菜が自分の部屋にいるような設定にして、カセットの中から流れてくる曲という設定にしたんです。」と解説しています。

 本作収録曲は音楽番組でも披露され、1987年2月からマンスリー出演したフジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』の1987年2月18日のマンスリー3週目で「約束」を、同年4月29日放送の同番組で「OH NO, OH YES!」を、また、同年5月20日放送の同番組で「ミック・ジャガーに微笑みを」を披露しました。明菜さんがワーナーを離籍した後も、1993年3月31日に放送された『夜のヒットスタジオ・リターンズスペシャル』で本作収録の「駅」を披露しました。

 昨今のシティポップ、アナログ盤ブームで本作は再評価されて人気盤となっており、アナログ盤はプレミア価格で取り引きされています。

 このアルバムは、今でもクリスマス・イブの夜に物思いに耽りながら聴いたりします。


 クリスマス・イブといえば、『駅』の「私だけ(が)愛してた」という解釈アリだと思いますよ。ウィスパーボイスも曲のアレンジも素敵だと思います。確かに好き嫌いはあるでしょうけど、旦那さん、奥様のベストアルバムに何であんな書き方したんだろう。あのベストアルバムのライノーツ見て、ちょっと憤慨したの覚えています。どう考えても、楽曲提供している元彼の方が解釈がどうこうのレベルじゃない気がするのですが。ちなみに竹内まりやさんの『駅』もサラッとしてて、好きですけどね。

 









 




 



NO MUSIC&SONG, NO LIFE - にほんブログ村