https://youtu.be/vtZG0_ohQrY


 『CAROL 〜A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991〜』は、TM NETWORKの6枚目のオリジナルアルバム。

 12月9日にEPIC/SONY RECORDSからリリースされました。前作『humansystem』(1987年)よりおよそ1年1ヶ月ぶりにリリースされた作品であり、作詞は小室哲哉さん、小室みつ子さんが担当、作曲は小室さんおよび木根尚登さんが担当、プロデューサーは小室さんが担当しています。少女「キャロル・ミュー・ダグラス」が異世界で盗まれた「音」を取り戻すという内容のストーリーをモチーフとしたコンセプト・アルバムとなっています。 レコーディングは同年6月から10月までイギリスのアソシエイテッド・インディペンデント・レコーディングおよびコンフォートプレイススタジオにて行われ、ミックス・エンジニアとしてジャパンやXTCを手掛けた事で知られるスティーヴ・ナイが参加、ミュージシャンとしては元ABCのメンバーでYMOの散開ライブにも参加したドラマーのデヴィッド・パーマー、スタイル・カウンシルのドラマーとして知られるスティーヴ・ホワイト、同年9月にB'zのメンバーとしてもデビューしたばかりであった松本孝弘さん等が参加しています。 先行シングルとして、アニメ映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)の主題歌「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」、同名小説の映画化作品『ぼくらの七日間戦争』(1988年)の主題歌「SEVEN DAYS WAR」、ノンタイアップとなった「COME ON EVERYBODY」を収録している他、後にリカットシングルとして「JUST ONE VICTORY (たったひとつの勝利)」がリリースされ、カップリング曲の「STILL LOVE HER (失われた風景)」はテレビアニメ『シティーハンター2』(1988年 - 1989年)のエンディングテーマとして使用されました。 オリコンチャートでは最高位1位を獲得し、最終的な売り上げはミリオンセラーを達成、日本レコード協会ではダブル・プラチナと認定されるなどTM NETWORKのアルバムとしては最大のヒット作となりました。2013年には「大人の音楽~Age Free Music~」の「もう一度聴きたいオリジナルアルバム 80年代&90年代」に選定されました。


 小室哲哉さんが拠点を移したロンドンで、リンゼイ・ケンプ主催のミュージカルにインパクトを受けて、そこから「コンサートで踊って、音楽をただ楽しんで発散すればいい」所に衝動的に「プログレッシブ・ロックを基調としたミュージカルを開催する」という企画を衝動的に立て、内容が畑違いの企画だった故にリスクを減らすために「サウンド主体で、ミュージカルを制作し、その後に従来のライブが行われる」という構成にし、バランスをとっていく様にしました。 1988年に製作されましたが、作品の世界設定は1991年という近未来を舞台に描きました。ストーリーと共に楽曲が練り上げられました。小室哲哉とともに作詞した小室みつ子さをもミュージシャンとスタジオに詰め、"Still Love Her"、"Winter Comes Around" といったロンドンの情景を彷彿とさせる曲が含まれます。1991年を選んだ理由は1988年当時、1991年以降のスケジュールが未定だったからと言われています。本作と同じく1988年発売の『ぼくらの七日間戦争』のOST『SEVEN DAYS WAR』と同時並行的に製作されています。 「CAROL」のコンセプトが思いついたのは「Kiss Japan TM NETWORK Tour '87〜'88」終了間際の1988年の2月だった。その時点で次のツアーのスケジュールが決まっていたので、制作にかける余裕が少なかったそうです。木根さんによる「どこにでもいるような1人の女の子が誰でも可能性を持っていることに気づき、ほんの少しの勇気を持って向かって突き進む」を大まかなモチーフに留め、3人は「僕らは劇団バンドではないから、まずシングル向けの楽曲を作ろう」と意思統一し「Self Control」の時ほど事前に楽曲と歌詞は作り込みませんでした。最終的なストーリー・コンセプトの総括を木根が完成させた後に、そのコンセプトに向けた楽曲を制作しながら、脚本・舞台演出・アレンジを決めていきました。小室さんに至っては「T-MUE-NEEDS STARCAMP TOKYO Produced by TM NETWORK」終了直後のレコーディングでやっと本作を作っていることを自覚し、セットリスト・ビートを考えていきました。アルバムに関するすべての作業が終わったのは同年10月8日。小室さんは「このアルバムが1988年の一番の大きな収穫である」と答えています。


 1曲目「A Day In The Girl's Life」はアート・オブ・ノイズに所属しているアン・ダッドリーがストリングスアレンジを手掛けたため、アンが手掛けたウイングスの「007 死ぬのは奴らだ」(1973年)と類似していると小室さんは指摘しています。5曲目「COME ON EVERYBODY」は「Come on Let's Dance」を元にライブ中に制作されました。6曲目「BEYOND THE TIME」はイントロに重きを置いた作品であり、Bメロで転調するもののメロディはAメロと同一であるといいます。7曲目「Seven Days War」は本来アルバムに収録する予定ではなかったのですが、実験的すぎるアルバムであるため売り上げ不振への恐怖感から収録される事となるました。8曲目「You're The Best」は小室さんの様々なルーツが複雑に混ざった曲であり、難易度の高さからライブでも演奏された事がない曲となっています。9曲目「Winter Comes Around」は当時小室さんがロンドンに在住していた際、冬の凍てつく寒さから来る生活感を基に製作されました。10曲目「In The Forest」は情景描写やダイナミズムを念頭にオーケストラを活かす曲として製作されましたが、製作中に小室さんは邦楽から離れて洋楽のような音楽になっている事に気付き、「これは売れてくれないと困るという、怖さもすごく感じました。当時のチャートから考えても、全然J-POPじゃないなと思ったので」と述べています。12曲目「JUST ONE VICTORY」はトッド・ラングレンの同名曲からタイトルのみインスパイアされています。13曲目「STILL LOVE HER」はロンドンでの日常生活を描いた曲であり、小室さんは「シンガー・ソング・ライター的に、自分のことを歌った曲ですね」と述べています。


 同年12月9日より本作を受けてのコンサートツアー「TM NETWORK TOUR '88〜'89 CAROL 〜A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991〜」が敢行され、アルバムコンセプトを再現したミュージカル仕立ての構成でライブが行われました。 後に本作のコンセプトを基にした小説やアニメが制作され、メディアミックスによって展開されました。



~構成とテーマ~

イギリス、ロンドンから少し離れたバースという街に住む女の子、キャロル・ミュー・ダグラス(Carol Mue Douglas)。謎の音楽グループ、ガボール・スクリーン(Gaball Screen)の新曲を1991年4月21日に、ラジオで耳にするが、世間では不評のその曲に、何か秘密があると考える。 ロンドン・フィル・ハーモニーに属する父、ライマンのチェロの音や、ビッグ・ベンの音さえもが消え、何物かに音が盗まれている事に気づく。そして異世界ラ・パス・ル・パスへ迷い込み、ティコ・ブラーニ(Tico)、フラッシュ(Flash)、クラーク・マクスウェル(Clark)と出会い、盗まれた音を奪い返すべく、魔王ジャイガンティカを倒すために闘う事になる。 — 『CAROL』ストーリー


 2005年〜2007年頃、このアルバムで初めてTM NETWORKを知った、初めて買ったアルバムがこのCAROLだったと小室さんは直接言われたことが多かったといいます。僕もTM NETWORKの初めてのアルバムは『CAROL』でした。


 このアルバムは音源で聴くのも良いですが、映像で観ると魅力が何倍にもなると思います。

 TMのアルバム、聴き返しているのですが、コンセプトアルバムなのに、とても聴きやすいですね。シングルが多いこともあるのかもしれませんが。ダンサブルな曲もありますが、メロディが大変美しいですね。親しみやすいし。











 

 

 



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