https://youtu.be/aRAvXIAXy9w


 1988年10月5日発売。布袋寅泰のファースト・アルバム。オリコン週間2位。

 BOØWY解散後、程なくして発売された布袋寅泰さんのファースト・ソロ・アルバム。 バンド時代の音楽性とは大きく異なり、コンピュータを大胆に取り入れたデジタル・ロックといった趣を見せており、「架空のサウンドトラック」をコンセプトに、それを意識した楽曲作りとアルバム構成が成されています。 「GUITARHYTHM」とは、GUITAR(ギター)とRHYTHM(リズム)を組み合わせた布袋さんによる造語。また、アルバムのタイトルに冠したシリーズ・プロジェクトの総称を指します。ちなみにこの言葉には「イズム=主義」という意味も含まれています。 先行シングルがなく全曲が新曲。また全曲英語詞であり、これは海外進出を意識して制作された為。なおインタビューでは「決まったように、サビになると英語になるっていうのはとにかく嫌だった。初めは日本語で全部やろうかとも思った。全部英語か全部日本語かどっちかしかないと。サビだけ英語なんて日本の作品としても美しくないし、英語圏じゃ何だかわからないしね」と語っている。同時に「日本語で歌って、日本人のオーディエンスに対して、僕の歌がメインになるのがすごい違うなっていうか、もっと音楽として聞いてほしかった」というコメントも残しています。本作に収録されなかった楽曲の中にはBOØWY風のものもあったとされますが、バンド時代とは違う新たなスタイルを志したこと、土屋昌巳さんから「自分をコピーするようになったらお終い」とアドバイスされたことなどから「そういった楽曲は容赦なく切り捨てた」そうです。 各プレスからの評価は軒並み好評でしたが、一部では「BOØWYで得た印税を使いたい放題に使って作った贅沢なアルバム」とも評され、「当時これにはそれなりにショックを受けた」と布袋さんは語っています。

 『“LAST GIGS”』から2ヶ月を経た1988年6月13日にロンドンへと渡り、制作が開始されました。一部の楽曲でゲストミュージシャンを迎えてはいますが、基本的に布袋さん、プログラマーの藤井丈司さん、キーボーディストのホッピー神山さんの3人で制作されたアルバム。 デジタル要素の強い作品であるものの、当時はまだコンピュータ媒体が発展途上だったこともあり、ギターとコンピュータの一発録りに近い形でレコーディングは進められました。またレコーディングではプロデューサーとアーティストの両方を目一杯やったとのことで、「レコードを1枚作る重みを味わいたいと思った。BOØWYの時はグループだから、僕には僕の役割があり、それをやるだけで良かった。今回は1枚のレコードを作ることに、それこそジャケットひとつのことまでも、ドップリ浸かってドップリ終わるというのが最初の目標だった」と語っています。 ビートルズが使用したことでも有名なロンドンのアビー・ロード・スタジオの第2スタジオにてレコーディングされました。レコーディングを終え帰国後、東京で改めて聴き直すとイギリスと日本の電圧の違いによる差異に違和感を覚え1からやり直したくなったそうですが、数日したら違和感は無くなったといいます。。 ギターテイクはアンプを一切使用せず、当時ではまだ珍しかったライン録りの手法でレコーディングされました(ローランド製のGP-8にCHANDLERのTUBE DRIVERを繋いで録音)。さらにそのままの音ではなく、全ての音にノイズリダクションをはじめとした加工が成されています。


 本当にBOØWYとは違う音楽性で、新しい音楽を聴いた感覚でした。氷室京介さんの『FLOWERS for ALGERNON』とは対照的。どちらが良い悪いではなく、ここまで違うと好みの問題ですね。全編英語にしたことで、まだあまり上手いとは言えなかった布袋さんのヴォーカルも気にならないというか。あの声もひとつのサウンドとして聴けた不思議な化学反応を起こしたアルバムかもしれません。邦楽ロックアンチの方でも、『GUITARHYTHM』は傑作だという方多いです。

 単にテクノロジーにギターを乗せて、『GUITARHYTHM』を冠してしまっている作品も後年出てきてしまった感もありますが、この1作目は目新しくて衝撃的でした。BOØWYを解散してまで、やりたい音楽。80年代の邦楽のずっと先を行っているような。解散を切り出したのは布袋さんかなと何となく当時から思ってました。

 

BOØWY時代から、日本国内で最もギターキッズを大量に産み出したアーティストかもしれませんね。


 




  


 



 





 






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