https://youtu.be/3xw892a2LuI
『FLOWERS for ALGERNON』は、氷室京介さんの1枚目のアルバム。
1988年9月1日に東芝EMIのイーストワールドレーベルからリリースされました。BOØWY解散後に初めてリリースされた氷室さんのファースト・アルバム。 作詞は氷室の他に松井五郎さん、泉谷しげるさんが担当し、作曲は氷室さんおよび吉田建さんが担当、プロデュースは吉田さんおよび氷室さん、ヒロ鈴木さんが担当しています。 レコーディングは一部アメリカ合衆国にて行われ、現地のギタリストであるチャーリー・セクストンが参加しています。アルバムタイトルは氷室さんが同アルバム制作にあたって強い影響を受けたダニエル・キイスの小説『アルジャーノンに花束を』(1959年)の原題をそのまま使用しています。先行シングル「ANGEL」を収録している他、リカットシングルとして「DEAR ALGERNON」がリリースされました。オリコンチャートでは最高位1位を獲得し、『第30回日本レコード大賞』にてアルバム大賞を受賞しました。
1988年4月4日、4月5日の東京ドーム2日間連続公演「LAST GIGS」を以って氷室さんが所属していたBOØWYは解散し6年間の活動に終止符を打ちました。解散はすでに決定事項であり「LAST GIGS」の半年前には決定していました。当時ブリティッシュ・ロックを愛聴していた氷室さんは、解散決定後から解散に至るまでの半年間の内3か月間をロンドンにて過ごす事となりました。ディレクターの子安次郎さんによれば、1987年の夏にはバンド解散およびメンバーがそれぞれソロ活動を行う事が決定していましたが、具体的な活動に関しては1988年に入ってから開始されました。 BOØWY解散からおよそ3か月後の7月21日に氷室さんはファースト・シングル「ANGEL」(1988年)をリリースしてBOØWYメンバーの誰よりも早くソロデビューを果たす事となりました。
本作が『アルジャーノンに花束を』をモチーフとした事に関して、音楽情報サイト『OKMusic』にてライターの帆苅智之さんは、小説内の知的障害者である主人公が脳手術により天才となるも孤独感に苦悩しやがて知能が低下していくというストーリーが、BOØWYでの成功から解散に至った経緯に氷室さんが自身を重ね合わせていたのではないかと推測しています。また音楽性に関しては、まだ完全にソロとしてのオリジナリティーが確立されておらず、本アルバムではBOØWY時代の8ビート、シャッフル、ロッカバラードに、キーボード類を取り入れ発展させたサウンドがベースになっており、バラードの「ALISON」はロキシー・ミュージック、ミディアムのスカビートによる「STRANGER」はポリスへのオマージュであると述べています。その他、「LOVE & GAME」や「TASTE OF MONEY」、「STARANGER」の歌詞に関しては、「80年代初頭の佐野元春文脈からの流れと言えなくもない」と述べています。
僕は「SHADOW BOXER」が好きなのですが、この曲は、「BOØWY時代に氷室が行っていた楽曲の製作方法をソロで行うとどういう楽曲になるか」というコンセプトで作られた楽曲だそうです。
布袋寅泰さんの『GUITARHYTHM』と聴き比べると面白いのですが、布袋さんがBOØWYらしさ皆無なのに対して、氷室さんの『FLOWERS for ALGERNON』がどことなく(敢えて?)BOØWYらしさを残してるんじゃないかと感じられるのが興味深いです。
『アルジャーノンに花束を』は、僕も氷室京介さんの 『FLOWERS for ALGERNON』の影響で読みました。その時は中学生1年でした。正直、難解で泣きのツボが分かりませんでした。40歳を過ぎて、もう一度読んでみると、印象が変わりました。自分にも老い、衰えが迫ってきたからでしょうか。チャーリイ・ゴードンは知能を得て幸せだったのだろうか。知能が高ければ幸せ、低ければ不幸。本当にそうだろうか。