https://youtu.be/pNsYrsspFVk


 TMNのファーストアルバム(TM NETWORKからの通算では7枚目のアルバム)。

 1990年10月25日にEPIC/SONY RECORDSよりリリース。TM NETWORKからTMNにグループ名を変更して第一弾アルバムであり、TM NETWORK時代の6枚目のアルバム『CAROL 〜A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991〜』(1988年)より1年10ヶ月ぶりのリリースとなりました。作詞は小室哲哉さん、小室みつ子さんの他に、新たに脚本家の坂元裕二さんが参加。作曲は小室さんおよび木根尚登さん、プロデュースは小室さんが担当しています。 レコーディングは「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」以外は日本国内の一口坂スタジオで全て行われ、国外の著名なミュージシャンであるウォーレン・ククルロやブラッド・ギルス、デヴィッド・"クレム"・クレムソンが参加しています。音楽性としてはヘヴィメタルの影響が大きく、1曲目の「TIME TO COUNT DOWN」のリズムなどはスラッシュメタルに近くなっています。 先行シングルとしてマクセルカセットテープのコマーシャルソングとして使用された「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」「TIME TO COUNT DOWN」を収録している他、ハウス食品「O'ZACK」のコマーシャルソングとして使用された「RHYTHM RED BEAT BLACK」が後にリカットシングルとしてリリース。 オリコンチャートでは最高位1位を獲得し、売り上げ枚数は約60万枚と前作に匹敵する結果となりました。同年12月10より本作を受けてのツアー「TM NETWORK RHYTHM RED TMN TOUR」が敢行されました。

 1990年7月7日にはTM NETWORK名義では最後となるシングル「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」をリリース。同年8月28日にはTM NETWORKは記者会見を開き、「TM NETWORKの完了」と「プロジェクトTMNの開始」が宣言され、TM NETWORKからTMNへとリニューアルすることとなりました。この宣言の理由は「精神的なボルテージが急激に高まってゆく世紀末にアーティストとして何ができるのか、その自問への答え」であったといいます。

 

 1987年に宇都宮さんがアメリカで体験したヘヴィメタルのコンサートのファンのノリ・舞台美術のスケールの巨大さ・ミュージシャンの一丸とした気合の入り方にショックを受け、それ以来現地に行く度にそのジャンルのライブに足を運んでいました。その頃小室さんもガンズ・アンド・ローゼズやモトリー・クルーの活躍に強烈な刺激を受け、「速いBPMとハードロックの2つのイメージが重なり合った」「いつかはTMの手でこの感覚を音にする」と考えていました。そこから、「1970年代のドブロ・ギター主体のハードロック・1980年代のシンセポップ・1990年代のシンクラヴィアを中心とした最新機器等の音・展開・時代性をコラージュして融合させる」ことを本作のメインコンセプトとしました。 


 タイトルは「リズムが限界を超えてレッドゾーンへ飛び込む」のをイメージし、「『レッドゾーン』を『世紀末』に見立て、人生で1度しかやってこない世紀末を思いっきり楽しんでしまおう」「少し下世話な表現だけど、世紀末は1世紀の師走にあたる。クリスマス・忘年会・納会、更には世紀末を彩って盛り上げるパーティーソングを作る」というコンセプトを持たせました。ハードディスクレコーディングが可能なシンクラヴィアを多用し、CDの音質を超える100kHzサンプリングでマスターが作られましたが(音を聞いた時「生演奏より生っぽく聞こえた」といいます)、CDの容量が44.1kHzまでのため、CDフォーマット向けに44.1kHzに落した(小室さん曰く「劣化させた」とのこと)といわれます。ブラッド・ギルスはシンクラヴィアに録音した音を聞いた際、普通では気付かないノイズやミストーンまでもが再現されていたため「これ、本当に俺の音か?」と憤慨し、その後何度か長時間に渡り録り直しを行いました。また、ブラッド・ギルスはドラムスでこのレコーディングに参加した山木秀夫さんのツーバスのプレイを絶賛していたといいます。


  歌詞の面でもTM NETWORK時代にはない部分が多く見られました。当時フジテレビの月9ドラマで脚本を手がけていた坂元裕二さんを起用(リリース翌年『東京ラブストーリー』を手がけ大ヒットさせる)しました。また、今作収録の「LOOKING AT YOU」で木根尚登さんが初めてメインヴォーカルを取っています。 1曲単位でも、コード進行・展開・ハードロックと融合した音楽ジャンルの多彩さに宇都宮さんは「この音のどこにボーカルが入るの?」と驚きました。

 本作の音楽性はX JAPANやBUCK-TICK、B'z、UNICORN、THE BLUE HEARTSなどがブレイクし、第二次バンドブームが発生した事による影響があった他、元々小室はガンズ・アンド・ローゼズやモトリー・クルーなどのハードロックを愛聴していた事もあり、TMNへのリニューアルと共にハードなロックサウンドのアルバムを製作する事となりました。本作に関して小室さんは「吉と出るか凶と出るかというギャンブル性はあった」と述べています。浅倉大介さんは「TM NETWORKが好きで聴いてきた人たちの耳にはシンセサイザーの音がすごく印象に残っていて、完全に生音になってしまうと別物になるところを、身体で感じる低音はシンセできちんと押さえて、上に乗るギターやアレンジをハードロックテイストにしたのが本作」と評しています。


 僕自身にとっては、戸惑いと新鮮味が交錯した“驚き”の一言のアルバムでした。いつものTMの音がツーバスドコドコが乗っていたので。『CAROL』『DRESS』こそがTMの究極の姿だと思っていたので、こういう方向性へ行った衝撃というか…。

 個人的に思うのは、B'zやX等、小室さん自身より若い世代の台頭が刺激になったのかなあとか思います。


 ガンダムが公開になって、ふとした瞬間に「BEYOND THE TIME」が聴きたくなり、そうしているうちにTMの以前の曲も聴きたくなって


 



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