https://youtu.be/U2IPWhuBleQ
1982年2月1日発売。通算23枚目のシングル。オリコン週間37位。
「言葉にできない」、「君におくる歌」両曲ともアルバム『over』からのシングルカット曲で、アルバム収録曲と同内容。
「言葉にできない」は、「Off course Concert 1982 “over”」の最終公演地日本武道館での10日間連続公演最終日の6月30日と1989年2月26日に東京ドームで行われた“The Night with Us”で、小田和正が涙で声を詰まらせ、歌えなくなったことがあります。“over”ツアーの武道館公演では曲の後半部分で映画『ひまわり』の中の、一面に広がるひまわり畑のシーンがスクリーンに映されました。このアイデアについて小田さんは「まさに言葉にできないほどの、圧倒的な花の映像が欲しかったので、映画の版権の一部を買い取って武道館一面、ひまわりで埋めたんだ」と、後のインタビューで答えていました。フェードアウト直前に解散を示唆する「We are over,thank you」のナレーションが収録され、武道館公演ではひまわり畑のシーンにこのライブの前に発売されたアルバム“We are”, “over”, “I love you”(順に1980年、1981年、1982年)のタイトルが投影されました。
この曲の制作過程について、小田は『たしかなこと』でのインタビューの中で以下の通りに答えています。
「アルバム作ってて、“もう1曲核になる曲が欲しいな”って思って、で、みんなが帰った後、ひとり残ってね。確か、渋谷の『マック・スタジオ』だったと思うけど」「何しろ“ラララ”でいこうというのはアイデアとしてあって。ただ、そこにたどり着くまでの過程があって。歌なんてもしかしたら、“歌詞がないほうが強いんじゃないか?”って思ったのかな。その前段階で、“歌詞、書くのイヤだな”って、そう思ってたのが、だんだん“歌詞がないほうが…”ってなったいったのかな。いや、ともかく“ラララ”って歌っているうちに、“このままのほうがシンプルで強い”って確信してったんだよ。ちょうどそれが当時の、バンドのテーマだったから」 「循環コードを弾きながら、“ラララ”って、歌いながらメロディをちょっとずつ直していったんだと思う。“ラララ”のあと、“言葉にできない”が先か“悲しくて”が先か、どっちか忘れたけど、このふたつが前後して浮かんだと思うんだよ。とにかく、そこのブロックが最初に出来たのは覚えている。“言葉にできない”って歌詞と“ラララ”っていうのはとても辻褄が合うじゃない?」 「そしたら、“悲しくて”だけじゃなく、“悔しくて”っていうのも“言葉にできない”や“ラララ”とも辻褄が合う。で、途中で、“否定的な、暗いまま終わるのはイヤだな”っていうことで“嬉しくて言葉にできない”という、“それで締めればいいんだ”みたいな。そう思いついたときに“ああ、そうか、これで解決。ハッピー、ハッピー!”って、この展開は素晴らしいな、とね」
小田和正さんのオフコースへの惜別の想いと、言葉にできないほどの気持ちを純粋なラヴ・ソングへと昇華したバラードですね。サビがほぼ、ラララで占められ、『言葉にできない』で締めるというのは斬新ですね。
1999年に明治生命(当時)のCMソングとして小田和正さん自身がセルフ・カヴァーし、アルバム『LOOKING BACK 2』に収録されました。ソロ以降、ステージで幾度ととなく歌われ、コンサートの重要なレパートリーの一つとなっています。2014年1月度の日本レコード協会発表にてフル配信50万ダウンロードに認定されました。1980年代初出の作品によるフル配信50万DL達成は、本作と、久保田利伸さん『Missing』、プリンセス・プリンセス『M』、TM NETWORK『Get Wild』、米米CLUB『浪漫飛行』5例のみ。
2003年にテレビ東京系アニメ『ソニックX』の挿入歌として、『言葉にできない』に収録されたヴァージョンが使用されました。
2014年7月1日より、金沢シーサイドラインの鳥浜駅(新杉田方面)、並木中央駅(金沢八景方面1番線)、八景島駅(新杉田方面)、金沢八景駅(1番線)で駅メロディとして流されています。
2016年にテレビ東京系アニメ『プリパラ』の挿入歌として、『LOOKING BACK 2』に収録されたヴァージョンが使用されました。
『言葉にできない』ってある意味、最強の表現かもしれませんね。