21枚目のシングルとして、1988年5月18日発売。オリコン週間1位。ザ・ベストテン週間1位。
本作からEP盤と8cmCD盤で同時発売されるようになりました。1988年12月21日には、シングルカセット でも発売されました。この楽曲は、中森の1986年のスタジオ・アルバム『不思議』で実質的なサウンド・プロデューサーを務めたEUROXの関根安里さんが作曲し、EUROXがアレンジを担当、作詞は森由里子さんが手掛けました。音楽番組では、ボディ・コンシャスのタイトなミニスカートの衣裳をまとい、振り付きで本曲を歌唱披露しました。本人としてはミニの衣裳は避けたかったそうですが、この曲の衣裳にはそれが相応しく、プロデューサーとしての自身が着ざるを得ないと決断させたと語っています。シングル・リリース後の1988年7月13日から同年7月31日までの間、自身出演の「オリエント時計YOU」のCMソングとしてこの楽曲は使用されました。
『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1980's』の馬飼野元宏さんはこの楽曲について、「ベニー・グッドマン風の曲想で、分厚いビッグバンド風オーケストレーションとジャングル・ビート(ボ・ディドリー・ビート)を融合し、デジタル・サウンドで再現するという大胆な試み。」と批評しました。さらに、「歌謡曲の枠組みから逸脱するギリギリの線にあるナンバー」と指摘し、アルバムでの実験的な取り組みがシングルでも現われてきたと付け加えました。明菜の担当ディレクターだったワーナー・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)の藤倉克己さんは、「リズム的にも50年代っぽい感じで面白かった。とにかく曲調を、それまでの明菜作品とは変えました。いわゆる歌謡曲とはちょっと違うタイプの作品にしたかったので。それに、この作品は僕なりに力を入れていたんです」
藤倉さんは、そう言うと作品内容について、「ハリソン・フォードが主演した映画『ブレードランナー』(82年公開)がヒントだったのです。現代の若者は人間らしさを忘れていないか…といった、僕としては、あの映画の世界を明菜の作品として描きたかった。で、そんな思いを表す言葉として『TATTOO』というタイトルにしたのです。入れ墨を入れるのと同じぐらい人を愛してほしいというか、ある意味で『絆』を表現したいと思ったのです。単に心意気のようなものかもしれませんが…」と解説しました。
毎回、曲によってガラッと衣装を変えてビジュアルでも魅せてくれるので楽しみでしたが、こういうのがエロかっこいいと言うのでしょうね。当時はそんな言葉無かったけど。曲も中学生になったばかりの僕は新しい音楽に聞こえて、衝撃的でした。あまり聴いたことのない音楽に感じました。このあたりから、本当にアイドルと形容できなくなったなあと思います。
『都会にはびこる 哀れなアンドロイド』まるで現代を予見しているような。
明菜さんより音域の広い、歌の上手い歌手は星の数ほどいます。しかし、それだけでは何故か売れない。明菜さんが持っている声の艶、スター性、幸薄を感じる陰のような魅力。本当にこの先現れないと思われる歌姫。
この曲で思うのは、振り付けがセクシーだけど、わざとらしくない。下品にならず、気品に満ちているなと。この曲、本当に衝撃的でした。『DESIRE』や『TANGO NOIR』の時もびっくりしましたが、中1の自分には違う意味で刺激的すぎました(笑)。ダイエットして絞っていたのですよね、ウエストが51、52だとか、聞いたことがありました。年末の『ザ・ベストテン』では“この曲は役目を終えた”とかで歌わなかった記憶が…定かではありませんが。