https://youtu.be/RNBiaZbFGII
2001年1月17日発売。メジャー9枚目のシングル。カネボウ化粧品「テスティモ」CMソング。
現在、オリコンが掲載するm-floのシングル売上ランキングにおいてトップの作品。1曲目「come again > Original」(以下「come again」)は、当時イギリスで流行していたクラブミュージック、2ステップを基調としています。
1990年代末から2000年代はじめにかけ、イギリスでは「2ステップ」と呼ばれる新たなクラブミュージックが全英チャート上位に数多くの楽曲を送り込む人気を得ており、日本においても本シングルリリース9ヶ月前の2000年4月にはavex傘下のcutting edgeレーベルから2ステップに焦点を合わせたDJミックスCD『THIS IS 2 STEP』がリリースされ、同年6月には六本木のクラブ「クワイル」での2ステップ専門クラブイベント『ステップス』がスタートするなどこれに呼応する動きがありました。☆Takuは、先輩クリエイターにあたるテイ・トウワとの会話をきっかけに2ステップを知り、これに自らも挑戦したのが「come again」であるという趣旨の発言をしています。この点については、平井堅さんの「TABOO (a tip of M-FLO remix)」の発展形が本楽曲であるとの内容を松尾潔さんが伝聞の形をとってツイートしてもいます。
リリースに際しトラック制作担当メンバー☆Takuは、m-floの公式ウェブサイト上で「日本の歌謡曲の方程式を無視してつくった曲です」とコメントしました。m-floのオリコン週間チャート最高位記録を更新する第4位のヒットとなった本作により、m-floは一般のリスナーにも広く認知されました。松任谷正隆さんは、自らが司会を務める音楽バラエティ番組『FUN』へのm-flo出演時、この曲を聴いてコード進行に驚いたと語っています。
レコチョクが掲載するCDジャーナルの楽曲解説によると、「come again」は「つれない彼に愛想を尽かし、クラブで踊り明かして忘れようとする女性の気持ちを歌う」。サビに出現する「スカラ」という言葉についてボーカル担当メンバーのLISAは、かつて渋谷に実在したディスコ「ラスカラ」を指すものと述べています。ブログ『Google プレイス 渋谷キャンペーン』の連載記事「渋谷バブル建築の変遷」の1エントリーによると、「LA・SCALA」という名前のディスコが渋谷ジョイパックビル内にあったが、1992年にヒューマックスパビリオンに姿を変えています。LISAのFacebookページに投稿された解説によると「come again」は「そこで出会った男の子とLISAの切ない初恋について歌ってい」ます。
発売当時は、むちゃくちゃかっこいい新しいサウンドだなあと思いながら聴いていました。LISAの囁くような早口の歌唱法も上手くないと歌えないですね。