https://youtu.be/HyFpvNF1jDo?feature=shared


 23枚目のシングル1989年4月25日発売。オリコン週間1位。ザ・ベストテン週間2位。

 EP盤での発売は本作が最後となりました。この楽曲は、白峰美津子さんが作詞し、和泉一弥さんが作曲を手掛け、西平彰さんが編曲しました。スタジオ・アルバム『CRUISE』ではこの楽曲がアルバムバージョンで収録されています

 ザテレビジョン』は「LIAR」について、「ロスト・ラブ」を歌った楽曲であると指摘しました。音楽評論家の堤昌司はこの楽曲の構成について、「オーソドックスなスタイル」と指摘し、明菜さんの歌唱については、低音のピアニシモの歌唱でも歌詞がくずれることなく明瞭に伝わるのは、これまで色々な種類の歌唱法に取り掛かってきた末得たものであろうと評価しました

 この曲歌っている時、というか、テレビ出演で歌前にトークしている時、何故か心ここにあらずというか、不安気な、悲しそうな顔をしているような気がしていました。歌の世界に入り込んでいたのか?とも思ったこともありましたが、時々見せる笑顔も何だか必死で作っているように思えてならなかったというか。どこか体調でも悪いのかなと思うほど。でも、歌は何かが憑依したようにしっかり歌いきるし、やはり、歌に入り込んでいるんだ…と思ってたら、あの事件が起こってしまいました。よく、恋人の破局が原因(それは大きいかもしれない)と言われたけど、それ以外のこともあったのでしょうね。きっとまわりの人間に頼れなくなっていたのかもしれない。『LIAR』には、「ただ泣けばいいと 思う女と貴方には 見られたくないわ」

「もう貴方だけに 縛られないわ 蒼ざめた 孤独選んでも」

「次の朝は 一人目覚める それが 自由なのね」

 と、恋の終わりを強がっていると思われる歌詞があります。押し潰されそうな、崩れてしまいそうか表情でした。かなりきつい精神状態で歌っていたのかもしれないですね。後年、本人がテレビで崖の上に立たされて「落ちてみろ!」と言われているような心境だったということを言っていたことを記憶してます。理由はひとつじゃなかったかもしれないし、案外、ファンが想像していることが1番の理由じゃなかったりするかもしれませんね。

 恋、家族、仕事での人間不信、自分より若いアイドルの猛追…頂点に立っている者だけが味わう孤独だったのかもしれません。全部憶測になってしまいますが…。


デビュー曲『スローモーション』のイントロはピアノから始まります。『LIAR』もピアノバラード、たまたまでしょうが、明菜さん本人は、当時は役割は終えたと思っていたかもしれない。あの時点でできた80年代の集大成だったのかもしれないですね。

 事件後に、この曲が含まれたアルバム『CRUSE』が発売されますが、これもまた、ロストラブを歌った哀しいバラードが多かったですね。実生活と歌が混同してしまうっていうことあるのでしょうか。『CRUSE』を聴くと、あの平成最初の夏を思い出してしまいます。


 近年、また昭和、そして80年代アイドルや歌謡曲が注目されていて、中森明菜さんも、復活を望む声が多いですが、先日、同級の男子と話してて、「LIARが好きだ」って言ってたのを聞いて、この世間の支持、再評価は本物なんだなと思いました。


 


 

  

 



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