https://youtu.be/t99KH0TR-J4
1991年に発表した楽曲。アルバム『イニュエンドウ』に収録され、『グレイテスト・ヒッツII』の先行シングルとして同年に発売されました。クレジットはクイーンですが、主にブライアン・メイによって書かれました。イギリスチャートで16位、フランスチャートで2位に入るなど、ヒットしました。
創作に当たっては、ロジャー・テイラーとジョン・ディーコンが弾いたコード進行を元に、ブライアン・メイがフレディ・マーキュリーとともに詞と曲を書き下ろしていきました。この頃、フレディ・マーキュリーはエイズが進行し、すでに体調はかなり悪化していました。このため、当初作曲したブライアン・メイは、この曲はフレディには音が高すぎて歌えないかもしれないと考えていましたが、ある日フレディの元にデモを持っていったところ、フレディが 'I'll fucking do it, darling' (ダーリン、僕はこの曲に全てを捧げるよ)と語ったという逸話があります。この逸話が物語るように、歌詞の内容は、命ある限りショーを続けなくては、と自分自身を勇気づけるものとなっています。ブライアンは、この曲でのフレディの歌唱は生涯最高のうちの一つだったと評価してます。第3ヴァースはプロデューサーのデイヴィッド・リチャーズの提案によりキーを変更しています。
この曲のプロモーション・ビデオは、1981年から1991年までのクイーンの楽曲のプロモーション・ビデオを組み合わせて作られ、曲のイメージとは反対にユニークな作りになっている。フレディの体調が芳しくないため、既存の素材を編集したものになったといわれています。このビデオはクイーン公式YoutubeチャンネルやDVD版『ジュエルズ』などで視聴することができます。
クイーンの正規メンバーでは演奏されたことはないのですが、1992年4月20日に行われたフレディ・マーキュリー追悼コンサートでは、ヴォーカルにエルトン・ジョン、リズムギターにトニー・アイオミ(ブラック・サバス)を迎えて演奏されました。また、1997年にはパリで開催されたモーリス・ベジャールバレエ団「バレエ・フォー・ライフ」のオープニングイベントで、フレディとほぼ同時期にエイズで逝去した同バレエ団のダンサー・ジョルジュ・ドンに捧げるステージとして、エルトン・ジョンを再びボーカルに迎えライブ演奏されました。このときの音源は『グレイテスト・ヒッツIII 〜フレディー・マーキュリーに捧ぐ〜』に収録されています。このステージはジョン・ディーコンが参加した最後のステージとなりました。その後も、この曲を気に入っているエルトン・ジョンは自身のコンサートでも好意的に取り上げ歌っています。
また2005年及び2008年のクイーン+ポール・ロジャースのツアーでも、ポールのヴォーカルにより演奏されています。ヨーロッパではこの曲の受けはよく、聴衆が大合唱するシーンが見受けられます。
先日、『ボヘミアン・ラプソディ』放送されていました。僕は映画館でも観たのですが、改めて作品として素晴らしいと思いました。終盤、ウェンブリーのライブエイドステージに立ったクイーンは、約20分のパフォーマンスで会場の群衆とテレビ生中継の視聴者たちを熱狂に導き、チャリティーイベントとしても大成功させて出番を終えます。ラストでは、実際のフレディおよびクイーンの映像とともに、1991年にフレディの死と、彼の生涯の最期までハットンが添い遂げ、メアリーが友人として支え続けたこと、フレディの名を冠したエイズ患者支援基金『マーキュリー・フェニックス・トラスト』が設立されたことが語られます。圧巻なのが、ライブのシーン。よくあそこまで再現できたなと思います。劇場を後にする時、ライブを見終わった時と同じ興奮を覚えたのを思い出しました。エンドロールでは、最初に『Don't Stop Me Now』が流れ、その後に『The Show Must Go On』で締めています。これも泣かせますね。内容は知ってるのに興奮して眠れませんでした。