https://youtu.be/tQBHb9x7ZVk
「As long as I love / Scratch(with 稲葉浩志)」は、凛として時雨のギター・ボーカルTKがTK from 凛として時雨名義として、2022年3月16日発売した両A面シングル。両曲とも稲葉浩志さんが参加しています。オリコン週間6位。
本作の制作は、TKのソロプロジェクト始動10周年を締めくくるコラボ企画として行われました。TKは今回のコラボに対し、自分の音楽的なDNAに深く根づいてる人にオファーをしてみようと考え、その相手が稲葉浩志さんでした。オファーを考えた時のタイミングは稲葉さんが桜井和寿さんとの対談動画を公開した頃であり、この対談や稲葉の所属するB'zがサブスクリプションを解禁したりなど、コロナ禍により今までにない動きを精力的に行っていた今なら稲葉さんに自身の楽曲を聴いてもらえるのではないかと考えたTKは稲葉さんに「Scratch」のデモ音源を送り、その後実際に稲葉と会い制作が実現した。Scratchを送る前に計4曲ほど曲を作っており、Scratchはその中でも1番本人が気に入ったもの。
TKが初めてB'zの楽曲を聴いたのは1991年に発売されたアルバム『IN THE LIFE』の頃であり、ギターを始めて意識するように聴き始めた時に発売されていた「Calling」やアルバム『Brotherhood』などにも影響を受けています。
「As long as I love」の歌詞はTKと稲葉さんによる共作となっています。ギターと歌のユニゾンからスタートするなど、稲葉のアイディアも採用された構成となっています。稲葉さんはこの曲もScratchというタイトルで歌詞を書いており2曲ともScratchとなってしまったが、稲葉は一部歌詞を書き直し、タイトルが「As long as I love」となりました。「傷跡」という歌詞はそのまま残っており、結果的に同じ言葉をもとに別軸から書いたような形になったそうです。「Scratch」はピアノやストリングスなどが使われたバラード・ナンバーとして制作されました。デモとして稲葉さんに送ったこちらの楽曲が先に作られました。TKが主軸となり制作された楽曲ではありますが、キーの確認など要所要所で稲葉に確認しながら制作され、バンドメンバーくらいのスピード感で非常にスムーズにできたとTKは述べています。元々タイアップが決まっていたカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』も意識しながらスクラッチの意味の一つでもある"傷跡"をテーマに歌詞は書かれています。
今回の稲葉さんとのコラボレーションに対しTKはなかなかこんな機会はないとし、レコーディングをしている最中からこの瞬間を一生覚えておかないといけないと思って制作に励んだそうです。稲葉さんも今回のコラボレーションはどんなものができるのか最初想像ができなかったが、デモを聴いた瞬間に迷いのようなものは消え去ったとコメントを残しています。ファンからしても、音源を聴くまで、想像つきませんでしたよね。同じ高音でもタイプが全然違うと思ってました。でも、音源を聴いたら、それは杞憂に終わったと思いました。
個人的には、「As long as I love」の方が好みです。コロナでエンターテイメントが停滞する中、こういうコラボレーションが実現すると、音楽リスナーとしては嬉しいですね。B'zとも、INABA / SALASとも、稲葉さんのソロとも全く違うテイストで新鮮です。
『IN THE LIFE』僕も好きでした。『BAD COMMUNICATION』以降、『SURVIVE』、『Brotherhood』あたりまで、どんどん僕の人生の中で最高傑作を更新していった感覚です。分かりやすい、親しみやすいという点では一番取っつき安いアルバムかもしれませんね。全曲シングルカット可能だと思ってました。