https://youtu.be/fVCCe2tuL20


 2003年1月22日に発売された8枚目シングル

 読み方は「ステム だいみょうあそびへん」。本楽曲は2001年に発表された7枚目のシングル『真夜中は純潔』から約2年ぶりとなるシングルに収録されたもので、このシングルは林檎さんが初めてオリコンシングルチャートで1位を獲得した作品 サブタイトルの「大名遊ビ編」とは、森俊之さんの編曲による豪華なオーケストラアレンジと演奏のためとされます。歌詞はロビー・クラークによる英訳であるため、タイトルのルビに「STEM」と付いています。

3作目のアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』の先行シングルでありましたが、このバージョンはアルバムに収録されませんでした。2019年11月13日に発売された初の公認オールタイム・ベストアルバム『ニュートンの林檎 〜初めてのベスト盤〜』において、晴れて初収録となりました。表題曲が2曲目に収録されているのは、アルバムの世界観に通じるシンメトリーの曲順にするためで、歌詞の綴りも同様に歴史的仮名遣に統一されています。またジャケットは同時発売された『短篇キネマ 百色眼鏡』とともに写真家のアラーキーこと荒木経惟さんが撮影しています。『短篇キネマ 百色眼鏡』の主題歌および同作品から派生した小林賢太郎プさんロデュース公演#004「LENS」のメインテーマにも使用されました。

 「茎(STEM)〜大名遊ビ編〜」と「迷彩」には番場秀一監督によりミュージック・ビデオが制作されました。「茎(STEM)」のミュージック・ビデオには『短篇キネマ 百色眼鏡』の映像が流用され、林檎さんの他に、女優小雪さんコメディアン/俳優小林賢太郎さん、俳優の大森南朋さんが出演している。当時、監督が『百色眼鏡』に掛かりきりで絵コンテが作成されておらず、現場で指示を仰ぐまでどう演技するか決まっていませんでした。「迷彩」のミュージック・ビデオにはレコーディングに参加した浮雲さん斎藤ネコさん渡辺等さんアヒト・イナザワさんの他、佃篤英さん(イベンター)、横町慶子さん(女優)、山口一樹さん(EMIのディレクター)が出演している。林檎さんが個人的に好きな曲であり、シングルのタイトル曲ではないにも関わらずビデオを制作してもらえるというので、女給を登場させることや単なるリップシンクの映像ではないものにしたいなど、普段よりも積極的にアイデアを出したとのこと。映像を作る際にはイメージに近い映画を伝えますが、「迷彩」では張芸謀(チャン・イーモウ)の「上海ルージュ」を挙げました

 大正ロマンの世界観が素敵ですね。これが初のシングル1位だったのは意外です。

 加爾基 精液 栗ノ花』ですが、僕は、このアルバム聴いた時、中森明菜さんの『不思議』を思い出しました。マーケットを気にせず、自分の表現、世界観を追究している感じ。