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こんにちは。


前回、ラックスマン真空管アンプ(SQ-N150)について触れましたが、今回、トライオード真空管アンプ (TRS-34)を加えて聴き比べをしました。
ヘッドホンの聴き比べも行いましたが、結果は分離して後日に報告出来ればと思います。

[真空管アンプ]

 真空管アンプは3種類です。

(1)ラックスマン SQ-N150 プリメインアンプ(EL84 PP、AB級 10W+10W @6Ω)

(2)トライオード TRS-34 プリメインアンプ(PSVANE EL34C PP、AB級 18W+18W @8Ω)

(3)TRX-P300S-WE300B パワーアンプ(PSVANE WE300B シングル、A級 8W+8W @8Ω)
トライオード TRX-4 プリアンプとの組み合わせで聴きました

(4)トライオード TRV-88XR プリメインアンプ (JJ KT88 PP、 AB級 35W+35W@8Ω)
まだ慣らし中で、後日報告したいと思います。

トライオード TSR-34

球は、PSVANE EL34C でした


[スピーカー]

JETツィーターを搭載するELACスピーカー 3台を使いました。

小型ブックシェルフ
ELAC カリーナ BS243.4、13.5m ウーファ、85dB、6Ω)
インピーダンスは6Ω(最低インピーダンスは4.8Ω)で低くはありませんが、能率が悪く鳴らし難いスピーカーです。

小型トールボーイ
ELAC カリーナ BS247.4、13.5m ウーファ2発、87dB、6Ω)
能率は極端に低くなく、最低インピーダンスも4.8Ωなので、300Bアンプでも駆動し易そうです(これより上位のELACスピーカーのインピーダンスは4Ω)。

大型ブックシェルフ
ELAC ベラ BS404(18cm ウーファー、87dB、4Ω)
インピーダンスが低く(最低インピーダンスは3.2Ω)、アンプに負担がかかるので、出力が大きいPPアンプと相性が良さそうです。

 カリーナシリーズは2019年発売のロングセラースピーカーで、開発にELAC米国法人に招かれた著名なスピーカー設計者アンドリュー・ジョーンズ氏(イギリス人)が携わりました。


左から

ELAC カリーナ BS243.4

ELAC カリーナ FS247.4

ELAC ベラ BS404

スピーカーから背面の壁まで2メートルあります。


ケーブルは、キンバー 4TC-AN
JETツィーターが有名ですが、バスレフのポートが下向きで実効長が長いので重低音も良く出ます。

[USB DAC、試聴音源]

 使ったDACの記述がない場合は、AKM 旧AK4499EQ 4ch DAC(自社FAB製造)を搭載した据置き型USB DAC内蔵ヘッドホンアンプ(Fiio K9 Pro Ltd)を使いました。
ライン出力(アンバランス)をRCAケーブルで真空管アンプに送っているだけなので、ヘッドホンアンプ部は使っていません。
真空管アンプの特性で、サウンドステージはスピーカー背後に下がり易くなりますが、現行版に比べて中域が厚く艶があり、前後方向にサウンドステージが広いDACだと思います(人によって感じ方は異なります)。

Fiio K9 Pro Ltd ヘッドホンアンプ


 スピーカー後方の奥深いサウンドステージの特徴を活かす為、サブスク QOBUZやApple MusicのFLACやALACなどのPCM音源ではなく、時間軸解像度が高いDSD及びMQA音源を使い、スピーカー前後方向の分離感を高めることを狙いました。

具体的には、Windows PC上でAudirvanaを走らせ、Fiio提供のASIOドライバーを使って音源データをUSB DACに送りました。

MQA音源のコアデコードはAudivana上で行い、それ以降の展開はK9 Pro Ltdに備わるMQAレンダラーに任せました。


以下は試聴音源の一例です。


MQA 96KHz


MQA 352.8KHz

ブラームス交響曲1番だが素晴らしい


DSD64(2.8MHz)

PENTATONEは欧州のレーベルで、QOBUZのFLAC 96KHzとの比較試聴が可能


[結果]

 総じて、バイオリンやピアノの響きとホールトーンが豊かで、ハイスピードな音です(ピアノのアタックは軽やかに立ち上がり綺麗です)。
真空管アンプの特性でスピーカー後方深く広がるサウンドステージ(スピーカーが消え、その背後1メートル付近を中心に)は、DACの特徴により前後方向に広く、オーケストラ演奏では、リアリティが増しました。
但し、スピーカーから背面の壁まで2メートルあるので、影響している可能性があります。
PCM音源でも192KHzなどのハイレゾ音源では、同じように時間軸解像度の改善により前後方向の立体感が増すのを感じますが、DSD音源やMQA音源は更なる優位性を感じます。
しかし、アンプの種類(トランジスタ、真空管)やDACの特性に大きく左右されるので、QOBUZやApple Musicなどのサブスクで、PCM音源が主流になったのは自然な事だと思います(実際にMQAは開発会社が倒産して終了)。

ラックスマン SQ-N150(EL84 PP)

(Good)BS243.4
(Very Good)BS247.4、バランスが良く、音に艶があり、響きも良い。

 出力が小さいので、余裕を感じる音ではありませんが(音量つまみは10時〜10時半位)、トールボーイをバランス良く鳴らし、300Bっぽい音が出てくるのは驚きです(重低音は幾分軽い)。
ニアフィールド(例えば2メートル以下)で聴くのであれば問題ありません。
本体にトーンコントロール(BassとTreble)が付いているのは便利で、曲に合わせて調整することがあります。
線が細い優しい音は、夜に聴くと癒される感じで、協奏曲、とりわけピアノ協奏曲が美しく、合わせてすっきりした音のAK4497EQ搭載DAP(紹介済み)をUSB DACとして、又はOPA656にプリアンプを換装したPCM1795搭載USB DAC(紹介済み)に切り替えます。
後者のスピーカー背後のサウンドステージはより深く、2018年から私のリファレンス USB DACを勤めています

 スピーカー由来の特性ですが、トールボーイなので低音豊かで、夜に小音量で聴いてもバランスが崩れ難くいです。
バスレフのダクトがスピーカー底面にも付いていて、地響きのような極低音が得意ですが、それに助けられて非力のEL84 PPでも重低音が出てきます。
小口径ウーファーなので音の芯の太さはあまり感じませんが、音離れは良く、ブックシェルフのような定位で音像は小さい特徴があります。
また、空間に音が広がるような鳴り方で、サウンドステージはBS404を上回って広いです。

 DAPのライン出力(アンバランス)を繋いで聴くこともありますが、ヘッドホン出力の音も良いです。
真空管アンプの特性で高抵抗のヘッドホン(例えば、300Ωのゼンハイザー HD820)は余裕で鳴りますが(音が少し明るくなる)、逆に低抵抗で能率が悪い平面駆動型ヘッドホン(例えば、Hifiman Arya、HE1000)の駆動は余裕が少ない感じです(音量つまみは10〜10時半)。

DX300MAX DAP、Hifiman HE1000 Stealth ヘッドホン

トライオード TRS-34(EL34 PP)

(Good)BS243.4
(Good)FS247.4、重低音が幾分軽い
(Poor)BS404、音が少し曇る

 駆動力が高いので、インピーダンスが6Ωのブックシェルフ BS243.4、及びトールボーイ  FS247.4を余裕で鳴らします。
スッキリした明瞭な音で、個々の音の艶や響きを強調し過ぎないと感じましたが、それがヘッドホン再生では幸いになります(抜けが良くさわやか)。
Hifiman平面駆動型ヘッドホン HE1000 StealthやArya Stealthで聴いてみましたが、出力に余裕があり、EL84 PP、KT88 PPと比べも魅力的で、ヘッドホンではベストに感じました(ヘッドホンについては次回)。

トライオード TRX-P300Sパワーアンプ(300Bシングル)+ TRX-4 プリアンプ

(Good)BS243.4
(Very Good)FS247.4、極低音が良く出ている(サブウーファーが要らない)
(Good)BS404、低音で少し膨らむ

 バランスは一番良く、最もサウンドステージがスピーカー後方に下がる感じで、オーケストラの立体感が快く、個々の音の艶や響きが抜群です。

 A級シングルアンプ8Wの音の密度感やエネルギー感は、 AB級プッシュプルの20~40Wに相当するらしいですが、実際にKT88 PPのTRV−88XRアンプ(35W+35W@8Ω)の音と比較すると、BS404では低音が膨らみ気味なのは否めません。
従って、300Bアンプには専らトールボーイの FS247.4を繋いで聴いています(低音の膨らみは目立たない)。

 音場型のスピーカーで、空間への音の広がりが良く、小音量でも低音豊かでバランスが崩れ難くいです。
加えて、小音量でも音が明瞭なA級アンプ、そして300Bアンプの響きは、実際に夜に音量を抑え気味で聴くのに、とても良い組み合わせだと思いました。
でも、モニター系のトールボーイ(例えば、B&W)で300Bの音を聴いてみたいです。

 TRX-4は、4バンド・イコライザーを搭載した真空管プリアンプで、12AX7(ECC83)を増幅用とイコライザー用に2本ずつ使っていますが、今回はイコライザーは使いませんでした。
このプリアンプの消費電力は30W、300Bシングルアンプは91Wで、プッシュプルアンプに比べて相当に小さく夏に使い易そうです。
電源トランスカバーの温度上昇も穏やかです。

ヘッドホン端子はありません。

トライオード TRV-88XR(KT88 PP)+ TRX-4 プリアンプ

(Very Good)FS247.4、締まりの良い極低音
(Very Good)BS404、パンチ力で交響曲を聴かせる迫力

 次回、一番駆動力があるこのアンプと、一番駆動が大変なBS404と組み合わせて、じっくり聴きたいと思います。


以上です。