青字は追加、訂正です。
こんにちは。
ELACの大型ブックシェルフ・スピーカー BS404(18cm ウーファー、4Ω)を300Bシングルアンプ(8W+8W@8Ω)で鳴らしていましたが、比較的大きな音量で交響曲の全奏シーン(全部の楽器が鳴る)では低音が膨らんで、少しぼやけることに気がつきました。そこで駆動力が大きい KT88プッシュプル真空管アンプ(トライオード TRV-88XR、35W+35W@8Ω)に換えて使い始めました。締まった低域の押し出し感が十分で、KT88 PPの駆動力の高さが頼もしく感じたので、説明していこうと思います。
あくまで、日中に比較的大きな音量で、交響曲や協奏曲などの管弦楽曲の全奏シーンで十分なスケール感が出ることを目標としています。そうではない音楽(例えばボーカルが入るJ-POPなど)や音量を下げて使う場合は、300Bシングル、EL34やEL84 PPなどの別の選択肢もあると思います。
KT88真空管はJJ Electronic
更に、真空管プリアンプ(トライオード TRX-4、12AX7真空管)をUSB DACとの間に入れてみました(300Bシングル・パワーアンプ TRX-P300Sに使った物と同じ)。解像度はそのままに音が僅かに柔らかくなって、奥ゆかしく上品になった?、もう少しプリアンプ有り無しで比較しようと思います。
TRV-88XRはパワーアンプではなく、プリメインアンプですが、ボリュームを全開の2/3程度(つまみ14時くらい)に設定して(パワーアンプのアッテネーターと同じ役目をさせる)、細かな音量調整はTRX-4側で行いました。また、過去に紹介した D級アンプ内蔵 25cm密閉型サブウーファー2台(2.2ch再生)を TRX-4に繋いでいて、重低音を足したい時に電源を入れています(大体、オンです)。特に電源オンオフの順序は気にしなくて良さそうですが、サブウーファーの電源は最後に入れて、最初に切ります。
(左奥)TRX-4 真空管プリアンプ(中央奥)FiiO K9 Pro Ltd(4499 USB DAC内蔵ヘッドホンアンプ))
(右奥)TRV-88XR
(手前)FiiO M11 Plus Ltd(4497 DAP)、Silent Power USB iPurifier Pro、他
[スピーカーは2機種]
(右)ELAC Vela BS404(18cmウーファー、4Ω)(左)ELAC Carina FS247.4(13.5cmウーファー2発、6Ω)背面の壁まで、2メートルあります
鳴らし難いとされる大型ブックシェルフとトールボーイ・スピーカーの2機種で聴きました。トールボーイは、前回使ったブックシェルフ(ELAC Carina BS243.4、6Ω)とユニットは同じですが、ウーファー2個の 2.5wayで、内容積は3~4倍に増え(BS404と比べても2倍弱)重いです(16.4Kg)。
Carinaシリーズは、アンドリュー・ジョーンズ氏が設計を手がけたスピーカーで2019年発売ですが、未だに売られているロングセラーモデルです。
夜にボリュームを落として聴く時は、スピーカーをブックシェルフからトールボーイに替えることが多いです(後で説明します)。
なぜまたELACなのかを問われると、偉大な作曲家ベートーベン、ブラームス、バッハはドイツ出身だから?というより、交響曲や協奏曲を音量を上げて聴くのが好きで、爆音でもJETツィーターが追従して音のバランスが崩れない点が気に入っています。
[トランスポート、USB DAC]
今回はPCではなく、ハイレゾ音楽配信サービス「Qobuz」を走らせたiPad pro 12.9インチ(M1 プロセッサー)をネットワーク・トランスポートとして使いました(過去に紹介しました)。音源は、予めダウンロードしたクラシック音楽で、オフライン再生機能を使って音源データをUSB DACに送っています。従って、ストリーミングで聴いている訳ではありません(機内モードで一切の通信を遮断可能)。
USB DACについては、前回同様、AKM 旧AK4499EQ 4ch DACを搭載した据置き型USB DAC内蔵ヘッドホンアンプ(Fiio K9 Pro Ltd)をメインで使いました。ライン出力(アンバランス)をRCAケーブルで真空管アンプに送っているだけなので、ヘッドホンアンプ部は使っていません。音の特徴は中域が厚く艶があり、空間表現が優れていると思います(真空管アンプで聴くとEX版ほど遠くないが、前後方向に広いです)。
デジタルフィルターは当初、初期設定の”Sharp Roll-Off”を使っていましたが、途中から”Short Delay Slow Roll-Off”、又は”Short Delay Sharp Roll-Off”に切り替えました(アプリ “FiiO Control” でスマホで設定)。
[試聴音源]
ハイレゾFLAC音源(96KHz、192KHz)で、交響曲やピアノ曲を中心に、本来、トールボーイ・スピーカーが得意とする曲目を選びました。
交響曲o テオドール・クルレンツィス指揮、ベートーベン5番、7番。 事件級の革新的な演奏o テオドール・クルレンツィス指揮、マーラー6番。 音が炸裂o アンドリス・ネルソンス指揮、ブルックナー7番。 サウンドステージが奥深く展開
ピアノ曲o ヤン・リシエツキ、シューマンピアノ協奏曲。 数少ないシューマン協奏曲だが、演奏も録音が優秀o ヤン・リシエツキ、モーツァルトピアノ協奏曲9番、22番。 上品o ラファウ・ブレハッチ、ショパン ピアノソナタ2番、3番。 低音が豊かo マウリツィオ・ポリーニ、ショパン練習曲(エチュード、第1番ハ長調)、他。 アタックが強烈
[結果]
真空管プリアンプ(TRX-4)と真空管プリメインアンプ(TRV-88XR)を繋げて聴いた感想ですが、柔らかさも感じるのにパンチ力があり、とてもハイスピードでした。
[ブックシェルフ] BS404では、ロック・ミュージックのような クルレンツィスのベートーヴェンを聴いていると気持ち良過ぎて、ついつい音量が大きくなります(爆音で第1楽章から第4楽章まで続けて聴けます)。倍音やホールトーンが強調され、原音から相当ずれていると思いますが、叫ぶようなバイオリンの響きは嫌な音ではなく、官能的で気持ち良いです(ピーキーでELACらしいJETツィーターの音が炸裂?)。大口径18cm ウーファーの音にはパンチ力があり、トールボーイ FS247.4より音が明瞭で分離が良く、迫力があります。交響曲を大きな音量で鳴らすには、大型ブックシェルフが良いようです(今まで、スケール感に秀でたトールボーイだと思っていました)。
[トールボーイ] FS247.4は逆に、小~中音量でバランスが良く、楽器の響きが豊かな美音のスピーカーでした。小音量でも音が痩せ難い点がBS404より優れていて(小音量でもバランスが良い)、夜にバックグランド・ミュージックを流すのに合っています。また空間表現が優れていて、真空管アンプとの組み合わせで、スピーカー背後に広大なサウンドステージが出現し易いです(BS404より奥行き方向に深い)。時間軸解像度が低い(スピーカー前後方向の分解能が低い)FLAC音源でも立体的に聴こえ、アンドリュー・ジョーンズ氏の狙いは、ここにあったと思います(DACにも左右されます)。搭載されているJETツィーターは比べると穏やかで、小口径のウーファーの音離れの良さを感じますが、力強さ、明瞭さはブックシェルフ BS404に及びません。
しかしピアノ曲になると、持ち前の持続時間が長い響きでトールボーイの良さが際立ってきます。深いグランドピアノの音はリアルで、ピアノ曲(ソロ、バイオリンとのデュオ、協奏曲など)はトールボーイ FS247.4で聴く場合が増えます。但し、ピアノ・ソロのアタックに注力して聴くと、パンチ力のあるBS404には敵わないと思う曲が多々あります。
例えば、鍵盤を叩く指の力が強い マウリツィオ・ポリーニのショパン練習曲(エチュード、第1番ハ長調)のピアノソロは、BS404では打鍵音のピークは解れて柔らかいのに(硬くない)、とても強く明瞭に鳴ります(最もハイスピードに感じます)。アンプ、USB DAC、ヘッドホンでもアタック音が変わるので、私がベンチマークに良く使う曲です。
以上です。
青字は追加、訂正です。
こんにちは。
ELACの大型ブックシェルフ・スピーカー BS404(18cm ウーファー、4Ω)を300Bシングルアンプ(8W+8W@8Ω)で鳴らしていましたが、比較的大きな音量で交響曲の全奏シーン(全部の楽器が鳴る)では低音が膨らんで、少しぼやけることに気がつきました。
そこで駆動力が大きい KT88プッシュプル真空管アンプ(トライオード TRV-88XR、35W+35W@8Ω)に換えて使い始めました。
締まった低域の押し出し感が十分で、KT88 PPの駆動力の高さが頼もしく感じたので、説明していこうと思います。
あくまで、日中に比較的大きな音量で、交響曲や協奏曲などの管弦楽曲の全奏シーンで十分なスケール感が出ることを目標としています。
そうではない音楽(例えばボーカルが入るJ-POPなど)や音量を下げて使う場合は、300Bシングル、EL34やEL84 PPなどの別の選択肢もあると思います。
KT88真空管はJJ Electronic
更に、真空管プリアンプ(トライオード TRX-4、12AX7真空管)をUSB DACとの間に入れてみました(300Bシングル・パワーアンプ TRX-P300Sに使った物と同じ)。
解像度はそのままに音が僅かに柔らかくなって、奥ゆかしく上品になった?、もう少しプリアンプ有り無しで比較しようと思います。
TRV-88XRはパワーアンプではなく、プリメインアンプですが、ボリュームを全開の2/3程度(つまみ14時くらい)に設定して(パワーアンプのアッテネーターと同じ役目をさせる)、細かな音量調整はTRX-4側で行いました。
また、過去に紹介した D級アンプ内蔵 25cm密閉型サブウーファー2台(2.2ch再生)を TRX-4に繋いでいて、重低音を足したい時に電源を入れています(大体、オンです)。
特に電源オンオフの順序は気にしなくて良さそうですが、サブウーファーの電源は最後に入れて、最初に切ります。
(左奥)TRX-4 真空管プリアンプ
(中央奥)FiiO K9 Pro Ltd(4499 USB DAC内蔵ヘッドホンアンプ))
(右奥)TRV-88XR
(手前)FiiO M11 Plus Ltd(4497 DAP)、Silent Power USB iPurifier Pro、他
[スピーカーは2機種]
(右)ELAC Vela BS404(18cmウーファー、4Ω)
(左)ELAC Carina FS247.4(13.5cmウーファー2発、6Ω)
背面の壁まで、2メートルあります
鳴らし難いとされる大型ブックシェルフとトールボーイ・スピーカーの2機種で聴きました。
トールボーイは、前回使ったブックシェルフ(ELAC Carina BS243.4、6Ω)とユニットは同じですが、ウーファー2個の 2.5wayで、内容積は3~4倍に増え(BS404と比べても2倍弱)重いです(16.4Kg)。
Carinaシリーズは、アンドリュー・ジョーンズ氏が設計を手がけたスピーカーで2019年発売ですが、未だに売られているロングセラーモデルです。
夜にボリュームを落として聴く時は、スピーカーをブックシェルフからトールボーイに替えることが多いです(後で説明します)。
なぜまたELACなのかを問われると、偉大な作曲家ベートーベン、ブラームス、バッハはドイツ出身だから?
というより、交響曲や協奏曲を音量を上げて聴くのが好きで、爆音でもJETツィーターが追従して音のバランスが崩れない点が気に入っています。
[トランスポート、USB DAC]
今回はPCではなく、ハイレゾ音楽配信サービス「Qobuz」を走らせたiPad pro 12.9インチ(M1 プロセッサー)をネットワーク・トランスポートとして使いました(過去に紹介しました)。
音源は、予めダウンロードしたクラシック音楽で、オフライン再生機能を使って音源データをUSB DACに送っています。
従って、ストリーミングで聴いている訳ではありません(機内モードで一切の通信を遮断可能)。
USB DACについては、前回同様、AKM 旧AK4499EQ 4ch DACを搭載した据置き型USB DAC内蔵ヘッドホンアンプ(Fiio K9 Pro Ltd)をメインで使いました。
ライン出力(アンバランス)をRCAケーブルで真空管アンプに送っているだけなので、ヘッドホンアンプ部は使っていません。
音の特徴は中域が厚く艶があり、空間表現が優れていると思います(真空管アンプで聴くとEX版ほど遠くないが、前後方向に広いです)。
デジタルフィルターは当初、初期設定の”Sharp Roll-Off”を使っていましたが、途中から”Short Delay Slow Roll-Off”、又は”Short Delay Sharp Roll-Off”に切り替えました(アプリ “FiiO Control” でスマホで設定)。
[試聴音源]
ハイレゾFLAC音源(96KHz、192KHz)で、交響曲やピアノ曲を中心に、本来、トールボーイ・スピーカーが得意とする曲目を選びました。
交響曲
o テオドール・クルレンツィス指揮、ベートーベン5番、7番。 事件級の革新的な演奏
o テオドール・クルレンツィス指揮、マーラー6番。 音が炸裂
o アンドリス・ネルソンス指揮、ブルックナー7番。 サウンドステージが奥深く展開
ピアノ曲
o ヤン・リシエツキ、シューマンピアノ協奏曲。 数少ないシューマン協奏曲だが、演奏も録音が優秀
o ヤン・リシエツキ、モーツァルトピアノ協奏曲9番、22番。 上品
o ラファウ・ブレハッチ、ショパン ピアノソナタ2番、3番。 低音が豊か
o マウリツィオ・ポリーニ、ショパン練習曲(エチュード、第1番ハ長調)、他。 アタックが強烈
[結果]
真空管プリアンプ(TRX-4)と真空管プリメインアンプ(TRV-88XR)を繋げて聴いた感想ですが、柔らかさも感じるのにパンチ力があり、とてもハイスピードでした。
[ブックシェルフ]
BS404では、ロック・ミュージックのような クルレンツィスのベートーヴェンを聴いていると気持ち良過ぎて、ついつい音量が大きくなります(爆音で第1楽章から第4楽章まで続けて聴けます)。
倍音やホールトーンが強調され、原音から相当ずれていると思いますが、叫ぶようなバイオリンの響きは嫌な音ではなく、官能的で気持ち良いです(ピーキーでELACらしいJETツィーターの音が炸裂?)。
大口径18cm ウーファーの音にはパンチ力があり、トールボーイ FS247.4より音が明瞭で分離が良く、迫力があります。
交響曲を大きな音量で鳴らすには、大型ブックシェルフが良いようです(今まで、スケール感に秀でたトールボーイだと思っていました)。
[トールボーイ]
FS247.4は逆に、小~中音量でバランスが良く、楽器の響きが豊かな美音のスピーカーでした。
小音量でも音が痩せ難い点がBS404より優れていて(小音量でもバランスが良い)、夜にバックグランド・ミュージックを流すのに合っています。
また空間表現が優れていて、真空管アンプとの組み合わせで、スピーカー背後に広大なサウンドステージが出現し易いです(BS404より奥行き方向に深い)。
時間軸解像度が低い(スピーカー前後方向の分解能が低い)FLAC音源でも立体的に聴こえ、アンドリュー・ジョーンズ氏の狙いは、ここにあったと思います(DACにも左右されます)。
搭載されているJETツィーターは比べると穏やかで、小口径のウーファーの音離れの良さを感じますが、力強さ、明瞭さはブックシェルフ BS404に及びません。
しかしピアノ曲になると、持ち前の持続時間が長い響きでトールボーイの良さが際立ってきます。
深いグランドピアノの音はリアルで、ピアノ曲(ソロ、バイオリンとのデュオ、協奏曲など)はトールボーイ FS247.4で聴く場合が増えます。
但し、ピアノ・ソロのアタックに注力して聴くと、パンチ力のあるBS404には敵わないと思う曲が多々あります。
例えば、鍵盤を叩く指の力が強い マウリツィオ・ポリーニのショパン練習曲(エチュード、第1番ハ長調)のピアノソロは、BS404では打鍵音のピークは解れて柔らかいのに(硬くない)、とても強く明瞭に鳴ります(最もハイスピードに感じます)。
アンプ、USB DAC、ヘッドホンでもアタック音が変わるので、私がベンチマークに良く使う曲です。
以上です。




