こんにちは。 青字は、修正または加筆です。
真空管アンプでスピーカーを鳴らすと、第2次高調波(1オクターブ上の音)が歪みとして増え、結果として人間の耳には、バイオリンやピアノの音が艶やかになって音の輪郭に堀(立体感や実在感)が出易くなると共に、豊かになったホールトーン(響きや残響音)に包まれるサウンドステージ(音場)が後ろに後退するようです。
前回紹介した真空管アンプ、トライオード TRX-P300S(球はPSVANE社 WE300B)の低音は締まってタイトですが、A級シングルで出力僅か8W+8Wなので、パワーが必要な重低
A級シングルエンドアンプで出力僅か8W+8W(8Ω)ですが、18cm ウーファーの比較的大柄なブックシェルフ・スピーカー(ELAC ベラ BS404、4Ω)をしっかり駆動出来ているようで、低音不足は感じず、また十分タイトに感じます。
しかし重低音の迫力が欲しくなるオーケストラ演奏では、大出力のトランジスタ・アンプを蹴飛ばせるように、D級(クラスDのデジタル)アンプを内蔵するサブウーファーを加えて、一種のマルチアンプ構成にしてみました。
メインスピーカーは4Ωで16W+16W相当(P=V^2/R かな)になり、大音量でなければメインシシテムとして十分使えます。
ここでもう一方のAB級プッシュプルで動作するラックスマン真空管アンプ SQ-N150(プリメイン)の音はトライオードアンプのと違いますが、サウンドステージは同じく奥深く定位し、そこから前後方向にワイドに展開します。
ここで、サウンドステージが遠ければ、必ず前後方向にワイドに広がるかどうかは関係ありません(アンプの他にUSB DACも関与し、遠く定位するだけで、全く広がらないことがあります)。
組み合わせるスピーカーは、ELAC ベラ BS404(4Ω)だと音が曇るので、13.5cm ウーファーの小型バスレフスピーカー(ELAC カリーナ BS243.4、6オーム)にしました。
スペックの定格出力10W+10Wは6Ωですが、音は抜けが良くなり、バイオリンは艶やかに鳴ります。
スピーカーの後方に広がるサウンドステージは、よりフォーカスが良く、重低音は軽くなりますが必要十分に出てきます。
スピーカーの違いも大きいですが、トライオードA級シングルエンド・アンプ(スピード、周波数・ダイナミックレンジ、透明度、前に出て元気なボーカルに優れる)は昼間に使い、リラックスしたい夜はラックスマンアンプで音量を控えめで使うことが多くなりました(ラックスマンアンプはプリメインアンプなのでヘッドホンも使えます)。
従って、ラックスマンアンプの音にサブウーファーを加えたいとは思いませんし、トライオードアンプは目が覚めるような鮮烈な音なので、夜に聴くと眠れなくなります。
トライオードアンプもラックスマンアンプも、スピーカー後方に広がるサウンドステージの広さが特徴的ですが、DSD音源やMQA音源で際立ってきます。
DSDやMQAコーデックの時間軸の高い解像度で、サウンドステージ前後方向の音像のフォーカス感(滲み)が良くなって見通しが良くなり、オーケストラが立体的に聴こえリアリティが増します。
その後で、FlacなどのPCM音源を聴くと、前後方向に分離しても滲みが多く、音像がボケたように感じますが、気にし過ぎかも知れません。
DSDであれば2.8MHz(DSD64)で十分素晴らしく、MQAもCDに埋め込められた352.8kHz(3回折り返し)で聴く小澤征爾指揮 パリ管弦楽団 チャイコフスキー バレエ組曲(1974年録音)などは、リアリティに富む素晴らしい録音だったことが分かりました(Audirvanaでコアデコードし、USB DACのMQAレンダラーを使用)。
まだ実験途中で、次回報告したいと思います。
[D級サブウーファーの導入]
以前に使っていたD級アンプ内蔵の密閉型25センチ・サブウーファー(Fostex CW250D)を左右に追加して、2.2チャンネル再生にしました。
使ったトライオード・プリアンプ(TRX-4)には3系統の出力(同じ信号が出力)があり、一つを前回紹介したトライオード真空管アンプ(音量調節をバイパスしてパワーアンプモードに)に繋ぎ、もう一つを左右のサブウーファー毎にRCAケーブル1本で接続しました。
従って、メインスピーカーとサブウーファーの音量は連動し、プリアンプの音量調整ボリュームで音の大きさを調整します。
スピーカーは前回同様、ELAC ベラ BS404(18cm ウーファー)です。
手前が、トライオード TRX-P300S(PSVANE WE300B)真空管パワーアンプ
スピーカーケーブルは、キンバー(KIMBER)4TC-AN
[試聴音源とUSB DAC]
重低音とホールトーンが豊かな音源として、ジョン・ウィリアムズ指揮ウィーンフィルとベルリンフィルの映画音楽を中心にしたアルバム(スターウォーズ 帝国のマーチなどの96〜192KHz PCM音源)を中心に聴きました。
試聴を繰り返し、D級アンプのLPFカットオフ周波数、位相、ゲインを調整しました(結果は、fc=50Hz、逆相)。
その他、ユンディ・リさんのピアノによるショパン ピアノ協奏曲1番&2番(2017年、ワルシャワ・フィル、96KHz PCM音源)は豊かなホールトーンが立体的で、演奏と共に素晴らしい録音ですが、私のトランジスタ・アンプでは再現が難しかったです。
USB DACは、ピアノのアタックが綺麗な AKM AK4497EQ DACを搭載したDAP(Fiio M11 Plus LTD)をUSB DACとして使い、Audirvanaを走らせたWindows PCから音源データを送りました。
また、旧AK4499EQ DAC や現行AK4499EX DACを搭載した据置き型USB DAC(Fiio K9シリーズ)を使いましたが、据置き型の方が、腰が座った安定感がある音で(リニア電源の効果?)、電源オンで直ぐに使えてUSB接続の安定度が高く、やはりDAPをUSB DACとして動かすより使い勝手が良いです。
という訳でDAPではなく、今後は据置き型をメインで使い、 AK4499に比べると細身で繊細に感じるAK4497EQを搭載したDAPはピアノ ソロなどを聴く時に使うことにしました。
しかし、この据置きUSB DAC2つは個体差やDAC周辺回路に違いがあるかも知れませんが、真空管アンプで聴くと音の厚みや艶とかサウンドステージの展開が別物でした。
自社FAB製造の4499は4497と共に貴重です。
自家製の純銅製ヒートシンクや置き台を使っています、動かないように重しにもなっています。
[音]
スピーカーの後方1メートル程度下がって展開される音場(サウンドステージ)は広く、スピーカーが消える奇妙な感覚をもたらします。
後で説明しますが、密閉型サブウーファーのバッフル面(スピーカーユニット側)を後ろ向きに設置しました。
サブウーファーの電源をオフにすると、サウンドステージは少し前に移動し、スピーカーの位置もしくは少し後ろが中心になるので、元々真空アンプのサウンドステージは奥深く感じます。
電源をオンにすると、重低音が後ろに下がるのに釣られて、全体のサウンドステージが後退し、透明な空間が広がります(上手に表現できなくて、すみません)。
スピーカーと背面の壁までの距離は2メートルありますが、この空間が効果を強めているかも知れません。
30Hz程度までの重低音をタイトにしっかり再生出来るようになったので、オーケストラ演奏で迫力があります。
また、カットオフ周波数より上の中高域にも影響があり、楽器の音の厚みや艶が増して活気が出て来ます。
使ったトライオード TRX-4 プリアンプは、パワーアンプ同様に真空管アンプ(球は12AX7を4本)ですが、プリアンプを挟んだ弊害は特に感じず(音の純度など)、導入前後で音の変化は真空管パワーアンプに比べて小さい気がします。
密閉型サブウーファーを背面の壁に向けた経緯ですが、
タイトで音の立ち上がり早い密閉型のサブウーファーは、同じくハイスピードに感じる真空管アンプの音と合うはずと思いますが、音の響きや余韻(残響音など)の成分は遅れて聴こえるべきで、耳に到達する時間が僅かに早過ぎる感じがしました。
そこで、多くのバスレフスピーカーのポートが後ろを向いていることに習って、サブウーファーを180度回転させましたが、サブウーファーの設置の仕方でサウンドステージまでの距離が変わるのは予想外でした。
密閉型サブウーファーは一般的に能率が悪く音量が取れないので、後ろに向けて使うことはHiFiオーディオ用途では通常しません(背面の壁との距離もある程度必要でしょう)。
その他に気がついた点として
o 重低音の距離感が自然
o サブウーファーからの直接音が減るので、聴感上LPFの減衰を急峻にしたのと同等で重低音の純度が向上
雰囲気はバスレフ型サブウーファーのような自然だが、密閉型らしく締まってタイトな音
o 背面の壁で反射する効果?、直接波で聴いていた時よりも重低音の音圧が高く、密閉型でも十分な音量
また、直接波が無くなったことで、首を動かしただけで音圧が変わるようなメイン・スピーカーとの干渉や定在波は感じませんが、前後方向でゆっくり音圧が変わる低周波の定在波は健在で消えませんでした(周波数がステップで上昇する正弦波のテスト音源を使用)
o 2.2チャンネル再生で、重低音が左右で分離されるので、ホールトーンや残響音が立体的でリアル
前回紹介したヘッドホンホン端子を備えるラックスマンの真空管アンプ(SQ-N150)とダイナミック・密閉型ヘッドホン(ゼンハイザー HD820)の組み合わせも、サブウーファーで聴くよりも軽くはなりますが、重低音の再生に優れ、特にオーケストラの響きや残響音などのホールトーンが立体的でとても綺麗です。
夜に聴くには、丁度良いバランスだと思いますが、定在波の邪魔が無い素直な周波数特性では、どう聴こえるべきかを教えてくれます。






