こんにちは!!いろいろと忙しく久しぶりの更新となってしまいました。

 

 ゴールデンウィークを利用してアストラハン➡サラトフ➡カザン➡サマーラ➡ヴォルゴグラード➡アストラハンと、ヴォルガ川沿いの大きな町をめぐる旅に出てきました。どの町もとても魅力的だったのですが、今回は第二次世界大戦の独露戦で激しい攻防が繰り広げられたヴォルゴグラード(旧名、スターリングラード)についてレポートしたいと思います。

 

 その前に一応、ヴォルガ川について説明しておきます。このブログでも何回か紹介していますが、ヴォルガ川はヨーロッパ最大級の川で、「ロシアの母なる川」と呼ばれています。ヴォルガ川沿いに大きな町が発展していきました。下の図はその流域で、アストラハンは最河口部に位置しています。

 

 

 

 ヴォルゴグラードを訪れたのは5月9日なのですが、実はこの日は対独戦の終戦記念日ということで、ロシアでも屈指の祝日となっています。どの町でも中心街に人が集まって、花火やパレードなどが催されます。特にヴォルゴグラードは、ドイツからの激しい攻撃を耐え抜いた街ということで、町中お祭り騒ぎでした。

 

 

 朝の9時に寝台列車でヴォルゴグラード駅に降り立つ。

 

 

 町を散策しているとさっそく戦車を発見、この日はいくつかの道路は一般車通行止めになっていたようです。

 

 

 旗を掲げて歩く人々。警察も出動しています。

 

 

 鉄道駅を通る目抜き通りも、戦車が通行中。

 

 さて、ヴォルゴグラードといえば…

 

 

 この、「母なる母国像」ですね。日本でも、テレビや教科書などで目にする機会がある、世界的に有名な像です。この像は、ママエフの丘という、小高い丘の上に建っているのですが、鉄道駅から少し離れた場所にあるので

 

 

 このトラムを使って移動しました。マルシュルートカとは違い、とても快適です。運賃も25ルーブル(日本円で50円)。

 駅を降りると

 

 

 花や旗、戦争グッズなどの露店がたくさん出ていました。写真の右寄りに「母なる母国像」が少しだけ見えますね(笑)

 

 

 私も元敗戦国民ですが、平和を祈願して献花をさせていただきました。

 

 

 これは永遠の炎ですね。人だかりができています。先祖を戦争で喪った人が多いのか、先祖の顔写真入りのプラカードを持って歩いている人が散見されました。

 

 

 後ろから巨像を撮影。

 

 

 さて、今回は戦勝記念日のヴォルゴグラードを紹介しました。戦争からもう既に72年がたっていますが、ロシアのこの祝日を目の当たりにして、彼らの中でその記憶は今も生き続けているということを実感しました。特に、小さな子供たちまでもが家族とともに、この像に集まっているのを見て、それを強く感じました。子供たちは戦争のことなんて何も知らないでしょうけど、両親に連れられ、とりあえず祝日を祝ってみる。こうすることで、彼らの中から戦争の痛ましい記憶が消えないようにしているのでしょう。

 

 日本でも、戦争を忘れてはいけない、などと盛んに言われてはいます。しかし、その実情は、若い世代はほとんど戦争を過去のこととみなし、あまり興味がないと言ってよいでしょう。8月15日も私の記憶にある限りでは、黙祷をささげたことを除いては、特別なことをした記憶はありません。

 もちろん、国それぞれ考え方の違いはありますが、こういったところに国民性の違いというのが浮き彫りにされているなぁ、、とうっすら感じました。

 

 最後に、街の名前にもなっているヴォルガ川の写真です。

 

 

 ではまた!