秋晴れの空、爽やかに吹き抜ける風。今年は、紅葉が早そうです🍁

金木犀がようやく、町中で開花し、至福を感じる芳醇な香りが風に乗って漂ってきます🎵

んー、うっとり～

それはそうと、10月も半ばを過ぎ。

まもなく、太陽が天秤座を去ってしまう～その前に。

天秤座の女神について、書いておかないと。

名を使わせていただいていますしね。

それで、前記事の映画「バッド・ランズ」を観て、得たサインやインスピレーションが非常に天秤座的だと感じたので、それらを交えて書いてみたいと思います。

まず、公道12星座において、天秤座は牡羊座から数えて7番目の星座です。活動宮、風のエレメント、陽のエネルギー、思考と言語。守護惑星は金星。

乙女座で個人が完成し、社会に出ていく青年期にあたります。

天秤座の天秤は、ギリシャの女神“astoraea”～アストライア、アストライアー、アストライヤー～の持ち物であったとされます。

私的には、アストライアが読みやすいので、それでいきますね。

そのアストライアは、最高神ゼウスと法の女神・テミスの間に生まれた女神とされます。また、ローマの正義の女神・ディケ（ニケ）と同一視されることから、正義の女神とされます。それらから、アストライアは右手に剣を、左手に善悪の重さを量る天秤を持った有翼の姿で描かれます。さらに、季節と時の女神たちホーライの姉妹とされています。時というのは、制限をもたらす土星（クロノス）のことで、天秤座が土星と相性がよいとされるのは、ここからでしょうか。

アストライアの意味は、“星乙女”であり、天秤座の前の乙女座とのつながりがあります。

アストライアにまつわる神話です。

かつて、黄金の時代、人間は、エデンの園のようなユートピアで、何者にも脅かされず、食べることにも困らず、安らかに過ごしていました。その後、ゼウスが四季をつくったとされる銀の時代から、人間たちは労働せざるをえなくなり、徐々に貧富の差ができ、憎しみあいや争いが起きるようになります。次の青銅の時代へ入ると、人間は青銅や鉄、金という鉱物を見つけ、それに価値を持たせると、さらに欲望にまみれていきます。諍い、争い、武器をつくり戦争をするようになりました。神々はそれまで、人間とともに地上にいましたが、あまりの残虐さに我慢ができず、次々と天へと帰っていってしまいます。そんな中、アストライアだけは人間を信じて見捨てず、地上に残って、正義を訴え続けました。しかし、その訴えは虚しく、人間は堕ちていきました。耐えきれなくなったアストライアは悲しみながら、翼を広げて天へと昇っていきました。ゼウスは、女神を星座にしました。それが、乙女座になったとも。そして、その時に手放した天秤が、現在の天秤座になったとされます。

アストライアが去った地上は、ゼウスによって洪水でリセットされ、人間は一度滅ぼされます←英雄の時代。

その後しばらく、地上は落ち着いていたそうですが、再び人間は、欲望のために諍いや争いを繰り返し、悪行を重ねるのをやめず………それは今も続いているとされます。←鉄の時代。

天秤座は、社交やコミュニケーション、結婚などの契約、あらゆる人間関係がメインテーマです。人間関係によっては、巻き込まれ、深く傷つくことがありますが、それを扱うのも天秤座の領域です。

では、タロットカードに話を移しましょう。

タロットカードは、大小アルカナがあり、トータルで78枚。

大アルカナは22枚、0～21番の番号がふられていて、人生の旅になぞらえることができます。

0…愚者　1…魔術師　2…女教皇　3…女帝　4…皇帝　5…教皇　6…恋人　7…戦車

8…正義　9…隠者　10…運命の輪　11…力　12…吊された男　13…死神　14…節制

15…悪魔　16…塔　17…星　18…月　19…太陽　20…審判　21…世界

さて、ここで、映画「バッド・ランズ」のことに触れていきます。

①20…審判

主人公・ネリは、実の父親に、母親と一緒に金で売られ、その先で継父から虐待を受けます。そこを逃げ出した後、東京で猟奇的な男に執着されてしまったため、実の父親のところへ仕方なく戻ります。父親は、ネリに、今日はお前の誕生日だ。8月20日。20番はタロットの審判だ、といいます（ニュアンス）

ここで、日にちをストレートに大アルカナに当てているのが分かります。そして、審判は天からの裁きのカードだとか、状況に当てはめて、ネリを見下す言葉を吐いているんですけども。実は、詐欺を働くような悪党の父親でも、娘のことは天使のように思っていたのではと感じさせるのです。しかも、審判のカードのラッパを吹く天使だと。つまり、翼を持つものなのだと。そして、娘が巣に戻ってきた時点で、審判の手が降ることをわかっていたのかもしれません。

②8…正義

ネリは、賢く聡明で、勘が鋭く、知性があり、それを実践に活かせる女性です。文学的なセンスもあり、言葉の巧みさと切れ味は抜群、情報の扱い方もピカイチで、惚れ惚れします。やっていることが犯罪でなければなあと思うのです。

知性の活かし方は、“風”を感じる、爽やかな心地よさです。

それでいて、底辺の生活を送る人々や血の繋がらない弟・ジョーの世話を焼く、情の深さと面倒見の良さがあり、そのことで一見、損をしているんだけど、最後には守られて、報われて、精算できて、飛び立てるという結末へと向かうのです。この他者への関係性や信頼感の持ち方、可能な限り冷静に公平に対応しようとする姿に、かつて、他の神々が地上を去っても残っていた正義の女神・アストライアのようだなと思うようになってきたんですよね。

しかし、クライムサスペンスだし、ノワールだし、正義っていってもね…と、思ったら、グッズのアクリルキーホルダーに、“二人だけの、正義”と、書いてあるじゃないですかどんなグッズあるか、知らなかったからね…フライヤー見てないし。後で知るんですよ。こういうの。

しかもね、ネリが二人だけの正義のために使ったのはナイフで、アストライアが右手に持つのは剣なんですよね。そして、天秤にかけたのは…………

それから、キーホルダーを見て、気になったのは、テーマカラー。ターコイズとレッドの組み合わせで、これはある角度から見たら、牧羊神で半獣神のパン。パンは、タロットの悪魔のモデルです。悪魔は誘惑します。ネリたちの正義にも、取り返しのつかない誘惑が待ち受けていました。

と、同時に色の言語からは。ターコイズは、自由や個性化、クリエイティビティ、南国の海などを表し、レッドは生命、血液（血液には鉄分が含まれます。鉄は武器の材料にもなるのです）、サバイバル、ルーツなどを表します。そこから、血縁や柵から解放され、個人として自由になるテーマが垣間見えます。

ネリは、弟のジョーに、金を手にいれて、現状から解放されたらどうしたい？との問いに、答えます。

“南の海でパシャパシャしたい”と。

その願いを、弟は、鉄の塊を使い、血で贖うことで叶えようとするのです…

長くなるので、続きます。

※これらは、あくまで個人的な解釈です。予め、ご理解ください※

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天秤座の女神とタロットとバッド・ランズのネリ①