いぶし銀とは、銀をいぶしてくすみ加工をし、くすみのエイジングを楽しむことです。
実際に言葉で用いる慣用句ではそういう製法を指すものではなく、独特の落ち着いた雰囲気を醸し出している(味があるとよく言われる)ものに対して高評価という意味合いで使われます。
シルバー文字盤全般に言えますが、シックでありながら飽きがこない「永遠の美しさ」を持ち合わせたカラーかなと思います。
限定モデルは季節であったり天体であったり自然の美しさをテーマに選んでいることが多く、今回は夜明けのオーロラを表現されているとの事で、普段の夜空を中心としたダークトーンな文字盤とは一線を画す新しいイメージを持ちこんだ面白い時計に仕上がっていると感じました。
RK-AY0201Aは販売店の画像などを見ますと、6時の窓にあるムーンフェイズの月の色も銀色で、暗い色はムーンフェイズの夜空に当たる部分しかなく、かなり明るい輝き方でした。
レギュラーモデルの白文字盤だと、6時位置にある暗い夜空の部分はコントラストが効いてますが、そこはさすが慣用句でいう”いぶし銀”なところで、暗い部分がくっきりと浮き出るような効果がとても薄く、ムーンフェイズの部分があまり目立たない印象でした。あえて目立たせない(?)のかそういう相乗効果を生んだのか、僕の見立て違いかもしれませんが『感慨深い時計』としてとても興味があるものであります。
同じ文字盤としてRK-BY0008Aはセミスケルトンモデルとしてラインナップされており、ケースもザラツ研磨仕上げでベゼルはポリッシュ加工なので、同じく明るい印象をもつ時計でした。
オリエントファンはオープンハートがあって当たり前なので違和感を感じませんが、他ブランドをメインに持つ方々からはオープンハートがやや目立つ色調であります為、アレルギーは出るかもしれないな…と危惧するところです。
どちらも12時位置にローマ数字で『XII』とどデカくインデックスがあり、このインパクトが好きな方とそうでない方というのはオリエントファンでも分かれてくることでしょう。かくいう僕もあの『ポリッシュドXII』は苦手意識があり、スリムデイトを身に着けた際に好印象に受け取ることができませんでした…。
ただそれはダーク文字盤ゆえに起こるものかもしれず、オーロラ銀文字盤との親和性は高いものであり、好きな方にはその良さは十分伝わりますし、苦手意識がある方でもアレルギーが起こりにくくできているかもしれません。
どちらもF7ムーブメント搭載で、日差は+15秒~-5秒と世界の一流時計たちと渡り合える高性能なので、日常使用でも不満は出てこないことは実感しております。
その他の情報として…
・連続駆動時間は50時間以上
・ケースサイズは40mm
・サファイヤガラス、316Lステンレススチールボディ
・レザーベルトがセット
最後に、
このモデルは限定各300本(11/14訂正)ムーンフェイズが300本、セミスケルトンが200本なのですが、長い目で見ればそこそこ認知&人気がでるような気がします。一過性の使い捨てモデルとしては勿体ない存在で、ロングセラーモデルとして販売したほうがよかったと思うけどなーという部分が僕の中でくすぶっています…。
そう思えてしまうほどに素晴らしい魅力を備えた時計かなと感じます。