モンブランと言えば…
万年筆=マイスターシュテュック
なイメージです。当時所属していた経理部では、『万年筆部』なる集団があり、仕事ができる年の近い先輩の趣味に合わせれば考え方も似てくるだろうかと思い、入部した思い出があります。
当時は「檸檬」と呼ばれていた黄色の万年筆をメインに使っていたっけなぁ~。もう捨てたけど…。
結局字が下手な僕は万年筆のヘッドをつぶす使い方をしてしまい、向いていなかったのでモンブランはボールペンを購入したのを覚えています。しかもスターウォーカーというモデルで、マイスターシュテュックというド定番を選ばなかったんです。昔から偏屈なのは変わっていません(^^;
モンブランは1997年頃に時計を製造を開始した企業で、かなり歴史が浅いメーカーであります。
汎用品ムーブメントを使った時計が中心でしたが約10年後、ミネルバというムーブメントで有名な会社を買収し、本格的にマニュファクチュールとして一流時計ブランドに肩を並べるに至りました。
アンティークウォッチをかじっている分際なので、ミネルバの時計の実力たるは知識として身につけた気でおりますが、時計界の実力屈指の大先輩を引き連れた若輩者といういびつさを感じておりましたと同時に、またミネルバの時計が世に放たれるという期待感も大きく持つものでもありました。
僕は時計に夢中になり始めていた2018年に「モンブランは腕時計の有名メーカーとして認められる位置に君臨できる」と予想していたのですが、7年経っても時計ファン達の認知後が今一つで、そのままな気がします(^^;
定価は30万円台からと低価格帯もラインナップが充実しておりますが、高級万年筆として盤石な地位を築いただけあって、その延長で時計も併せて購入される紳士淑女な方がターゲットなのか?
スポーツモデルと言われるようなダイバーズや、タキメーターベゼルの今風の若者が好む時計への注力はできているのか?
メーカーのページを見てみるとちゃんとカバーできていましたし、存在感ある時計がありました(^^
両方向回転ベゼルの2カウンタークロノモデル。アラビア数字文字盤と2つ目玉のデザインは1950年前後でみられるデザインで、かつてミネルバが製造していた手巻き時計を彷彿させる印象があります。ただしミネルバ時代の昔は34~36ミリ径で、モンブラン現行は43ミリ径であるため、かなりボリューミーです。
若い人だけでなくアンティーク時計ファンにも欲しいと思わせるサイズダウンバージョンがあると、また購買層のすそ野も広がるのではないだろうかと感じます。いいデザインですね。
ドレスウォッチが大半ですが、そのデザインは3針ノンデイトの定番で無難なものから、ギョーシェ彫やクルド・パリといった歴史ある文字盤加工のある時計まで様々で、見ごたえもあって綺麗でした。
このギョーシェ彫はモンブランのロゴの形で作られているなど心憎い演出もイイですね!
高級文具メーカーという母体がある以上、時計の価格もそれ相応でなければブランドイメージに関わるものですので致し方ないところですが、時計の実力と価格のアンバランス感を若干ながら感じるところです。
しかし中古の市場は定価の半額以下なので、20万円台から2カウンタークロノもあってお値打ちラインのものがとても多いです。
ルーキー腕時計ファンを取り込むには時計としてのブランド力が足りないし、時計の歴史なども検討材料にするベテラン時計ファンから見ても、ミネルバをあまり前面に出ていない部分から新興メーカーの烙印が取れないという、『あと一歩』が抜け切れれば変われそうです。