この年になると、肩書やらキャリアやら、望まなくても背負わされてしまい、若手との談笑の場に入り込めない気後れを感じます…。
厚かましいくらいの若手はそういう意味では人懐っこいと解釈でき、世間話にも花が咲きます。
年老いた親が、リフォーム工事の飛び込み営業マンに心を許して、大枚をはたく気持ちも理解できます。(これ事実です)
たまにですが、異動で新任となったグループ企業の若手営業マンが、取引先と商談の空き時間に寄ってくれます。
雑談の中で時計の話題になりました。
社会人だし、自動巻きの時計に興味を持っているとの事です。
世代は違っても同じように感じる若者もまだ残っているのですね。僕の時代は、オメガ、タグ・ホイヤー、チュードルあたりからスタートして、念願のロレックスという流れがあったと思います。
しかし、昨今はどれもこれも中古だろうが新品だろうが高値の時計ばかりです。希望の価格帯での選択肢が著しく少なく、今後時計ファンが育たなくなるのではないだろうかと心配します。
おすすめしたいのは、オリエント/オリエントスターなのですが、まだまだブランドパワーが第一希望なのでしょう。
かつての僕が、背伸びしてその時計が身に着けられるくらいの自分になろうと精進する気持ちが強かったですから、渡り歩いて出した僕の今の結論に彼は納得はしない気がしまして…(^^;
そこで僕が持っているクロノタイムを分けてあげようと提案しましたら大いに喜んでくれました。
若々しさもあってオンオフどちらもこなせる青文字盤をチョイスしました。フルセット完備なので本物の証もあるし、安心してもらえると思います。
中古相場は45万~75万ですが、あまり安すぎると転売という出来心がわいてくるかもしれないので、少しは買いやすい30万円でまとまりました。僕自身も、クロノタイムマニアの先輩にあたるマカロニさんからは、過去にクロノタイムをお安く分けてもらったことがあり(それは自分にとって大事な時計なので、彼に渡す候補から外しました)、意思を引き継ぐ形で同じような真似をしました。
30万円は彼にとっても大きなお金だと思いますが、その分大事にしようという気持ちも持つと思います。
かつて僕が初めて自動巻き時計を手にしたのもクロノタイムでした。
彼にとってこれが自動巻き時計のスタートで、これから先色んな見識を深めた中で、時計の趣味へ進むか、趣味とはいかずともこれを持ち続けるか、自分が目指すものが見つかって売り払うかは彼の判断になります。
自分の手を離れる青文字盤は同時に、”これでクロノタイムの色文字盤集めはもうできなくなったな”という覚悟も持ちました。
僕にとってもひとつの区切りになりました…。
できれば、これを機に、彼も我々同様の時計ファンの一員になってほしいなと思うところであります(^^