ヌメとミイラとエイジング | Craftwork voyageの日記帳

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基本的に趣味の作ることについての投稿をしていきます。
レザークラフトや料理についての記述が多くなると思います。

 忙しい年度末、年度初めの時期が終わりそれなりにクラフトに割ける時間が出てきました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

 先日、それまで使っていたへたくそキーケースのジャンパーホックの金具が外れてしまいました。

 この作品はレザークラフトを初めて間もないころ、だいたい5年ほど前に制作した作品です。この頃はレザークラフトを始めたばかりというのもあって金欠、革の調達はヤフオクの端切れを良い価格で落札できたら、といったものでした。

 

 当初はこの革でカードケースを作ろうと考えていたのですが、どの程度の余裕を持って裁断すればいいか、革の硬さがどれほど作品に影響するかなんてことを全く考えておらず、程々の大きさの端切れからさらに微妙なサイズの端切れを生産してしまいやってしまったなと後悔したものです。

 

 このキーケース、非常にいい感じにエイジングしておりますがこのような感じになるまでに一悶着ありました。道端に落としたのです。

それもすぐに見つかればよかったのですが何処を探しても見つからない、遺失物にも引っかかってこないときた。当然そのままでは家に入れなかったので、泥棒みたいに出窓を開けて家に入り込みました。自身の自宅に不法侵入、ちょっと何言ってるかわからないですね。そして、鍵が鍵として機能しない状況で半年ほど生活を送りました。当然その間キーケースは雨曝しです。

 

 見つけたきっかけは本当に偶然でした。その時無くしたであろう場所の近くの、木を支える添え木(?)の上にちょこんと置かれていました。

こりゃみつからないわなと苦笑しつつ手にとって見てびっくり、ガッサガサなのです。例えるなら、そう、水性インクが即座に滲んでしまうような質の悪い再生紙であったり、処理をしていないベニヤであったり、カラッと乾いた人工芝のテニスコートであったり……とにかく、それは潤いなんてものとは遠くかけ離れた、キーケースのミイラと呼べるものでした。

 

 とりあえず家に持ち帰り、乾拭き、ニートフットオイルをしっかりと塗り込みその日は就寝、翌日もまだミイラだったのでニートフットオイルを……といったことを1週間続けました。すると結構いい感じの色合いになってきました。

 ちなみにこの後ろの革はこのキーケースと同じ革です。1年ぐらいでこの変化はすごいですね。革へのダメージは半端ないですけど。

 

 

 これから4年、革の寿命はまだまだ余裕があるのですが、今のスキルでどんなものが作れるか、少し挑戦したくなり新しいものを作ろうと思い立ち、新しいキーケースを作りました。

 

 個人的にはキーケースのように普段から手にして使うものはヌメを使いたいと言った希望があるのでヌメで作ります。エイジングも楽しめますしね。今回使うのはベルギーのMasureが鞣すEUダブルバット。恐ろしくシルキーな、ある時のミイラとはまさに対局にあるようなヌメ革です。

 ついでに同じMasureのルガトを使ったものも作ってみております。ルガとは堅牢で、エイジングが非常に遅いのですがその透明感には目を瞠るものがあります。

 

 左の青色がルガト、右側の、白飛びしそうなほどにシルキーな革がEUダブルバットです。

 EUダブルバットならいざ知らず、ルガトのような表情を持つ革をどのように使うか、非常に難しいところではあります。そしてそれにはデザインセンスも大事という……

ラフを描きたいところですがお絵描き下手くそな私にはなんとも……

 まあ、なるようにしかなりません。作ってだめならって感じです。とりあえず今日はこのへんで。