Craftwork voyageの日記帳

Craftwork voyageの日記帳

基本的に趣味の作ることについての投稿をしていきます。
レザークラフトや料理についての記述が多くなると思います。

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 皆様こんにちは。今日から9連休のGWの始まりです。皆様はなにをして過ごされますか?

 

 私は先日のキーケース制作を行っております。そのうちのルガトを使ったシンプルなキーケースの制作過程を書いてみようと思います。

 

 まず先日のルガトを型紙に沿って切り出します。こういうときに100均の方眼紙は非常に便利ですね。様々な方のレザークラフトのブログを見てもおそらく皆さん同じものを使っているのでは?

 

シンプルなキーケースであればパーツはこれら3つとキーホルダー金具、ボタンで済みます。

 

 私の作り方では、切り出しの次に捻入れを行います。捻入れは一度目に低温で、二度目に高温で行うことで捻入れの際の焼きすぎやチョンボを防ぐとともに均一な焼き締めを行います。ちゃんと切り出した革を無駄にしてしまうともったいないですしね。

 

 色々してみましたが捻入れのときに下に要らない、程々に柔らかい革を敷いて捻入れすると捻の山がダメージを受けることもなく、力をか思う存分かけれていい感じです。

 

 

 だいたいこんな感じでしょうか。この後に捻入れした部分のコバ磨きをルーターなどで行います。

 

ルーターで磨き終わったら床面の糊仕上げです。裏張りする場合はここで糊を使わずに接着剤を使ったりしますがそれはいずれまたの機会に。

 

トコノールなどを水で少し薄め、糊仕上げを行ったら、ちょちょいと形を成形してクセをつけてあげます。タンニンなめしの革は水分を含むことで柔らかくなり、乾燥することで固くなります。

 

このような革の可塑性を利用してあげることでどこを曲がるようにするか、どこを曲げたくないかコントロールします。


 こんな感じでしばらく放置。ボタン1つで止める場合は、応力のことを考えて曲げぐせを付けておかないと悲しいことになります。しっかり乾燥したら曲げグセがつきます。

 

 

 あとはパーツを接着剤でくっつけて、目打ちで穴を開けていきます。

五年前に作ったキーケースは菱目打ちで、今回作るキーケースではヨーロッパ目打ちで穴を開けています。雰囲気が大きく変わるので好みの問題になるのですが、私はヨーロッパ目打ちを愛用しております。

 

 

 全周に穴を開けました。が、よくわかりませんね。こいつをひと針ひと針チクチクチクチクと縫っていきます。今回はナチュラルカラーのシニューを選択しました。

ここにボタンを付けてハイ完成。

 

 とはまあ行きません。コバ処理がお待ちかねです。

 

まずはじめにヘリ落としで角を落とします。角を落としたら水をコバにつけて磨きます。一心不乱に磨きます。全部ルーターにさせますので私は真顔なのですが。

 

満足行く程度になったら放置して乾燥。

乾燥したら先程よりも太めの捻を使って焼き締めます。

 

 焼き締めたら多少繊維が硬化してアホ毛みたいなのが出てきますので600番の紙やすりでコバを滑らかにします。そして、いい感じのサイズのコテを使って蝋入れをしていきます。

 

今回使ったのはfrontier toolのパチえもん、Wuta leather tool のフチ捻です。捻入れにはびっくりするほど使えませんが蝋入れに関してはfrontier tool より使いやすいですよ。1個3500円なんで価値があると胸を張ってはいえませんがね……

 蝋入れをするとこんな感じでピカピカになります。だいたい蝋が入り切らなくなって乗った分は後から落とします。

 そうしてできたルガトのキーケースがこんな感じになります。

 もうちょいトラのあるところを選べばよかったなと後悔しています。

ただまあこれは自分で使うものではなくて、minnneやiichiで出すようなのですが。

 この真ん中のが自分で使うものになるので。手前のやつが5年もの、真ん中のやつが作って1ヶ月のEUダブルバット、奥のが今回作ったものになります。そして、下に敷いているのがまだ使っていないEUダブルバットです。

 人生の1/5を共に過ごしてきた物がこれにてお役御免になると考えると少し感慨深い気もしますね。捨て魔の親のようにいらなくなったらゴミ箱へという人間でなく、いつでも手入れしてやれるのでそこまでノスタルジーを感じるほどでもないと思うのですが。

 

とりあえず今日はこのへんで。

次はキーケースを作る上での失敗談がありますのでそれを話してみようかなと。

 忙しい年度末、年度初めの時期が終わりそれなりにクラフトに割ける時間が出てきました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

 先日、それまで使っていたへたくそキーケースのジャンパーホックの金具が外れてしまいました。

 この作品はレザークラフトを初めて間もないころ、だいたい5年ほど前に制作した作品です。この頃はレザークラフトを始めたばかりというのもあって金欠、革の調達はヤフオクの端切れを良い価格で落札できたら、といったものでした。

 

 当初はこの革でカードケースを作ろうと考えていたのですが、どの程度の余裕を持って裁断すればいいか、革の硬さがどれほど作品に影響するかなんてことを全く考えておらず、程々の大きさの端切れからさらに微妙なサイズの端切れを生産してしまいやってしまったなと後悔したものです。

 

 このキーケース、非常にいい感じにエイジングしておりますがこのような感じになるまでに一悶着ありました。道端に落としたのです。

それもすぐに見つかればよかったのですが何処を探しても見つからない、遺失物にも引っかかってこないときた。当然そのままでは家に入れなかったので、泥棒みたいに出窓を開けて家に入り込みました。自身の自宅に不法侵入、ちょっと何言ってるかわからないですね。そして、鍵が鍵として機能しない状況で半年ほど生活を送りました。当然その間キーケースは雨曝しです。

 

 見つけたきっかけは本当に偶然でした。その時無くしたであろう場所の近くの、木を支える添え木(?)の上にちょこんと置かれていました。

こりゃみつからないわなと苦笑しつつ手にとって見てびっくり、ガッサガサなのです。例えるなら、そう、水性インクが即座に滲んでしまうような質の悪い再生紙であったり、処理をしていないベニヤであったり、カラッと乾いた人工芝のテニスコートであったり……とにかく、それは潤いなんてものとは遠くかけ離れた、キーケースのミイラと呼べるものでした。

 

 とりあえず家に持ち帰り、乾拭き、ニートフットオイルをしっかりと塗り込みその日は就寝、翌日もまだミイラだったのでニートフットオイルを……といったことを1週間続けました。すると結構いい感じの色合いになってきました。

 ちなみにこの後ろの革はこのキーケースと同じ革です。1年ぐらいでこの変化はすごいですね。革へのダメージは半端ないですけど。

 

 

 これから4年、革の寿命はまだまだ余裕があるのですが、今のスキルでどんなものが作れるか、少し挑戦したくなり新しいものを作ろうと思い立ち、新しいキーケースを作りました。

 

 個人的にはキーケースのように普段から手にして使うものはヌメを使いたいと言った希望があるのでヌメで作ります。エイジングも楽しめますしね。今回使うのはベルギーのMasureが鞣すEUダブルバット。恐ろしくシルキーな、ある時のミイラとはまさに対局にあるようなヌメ革です。

 ついでに同じMasureのルガトを使ったものも作ってみております。ルガとは堅牢で、エイジングが非常に遅いのですがその透明感には目を瞠るものがあります。

 

 左の青色がルガト、右側の、白飛びしそうなほどにシルキーな革がEUダブルバットです。

 EUダブルバットならいざ知らず、ルガトのような表情を持つ革をどのように使うか、非常に難しいところではあります。そしてそれにはデザインセンスも大事という……

ラフを描きたいところですがお絵描き下手くそな私にはなんとも……

 まあ、なるようにしかなりません。作ってだめならって感じです。とりあえず今日はこのへんで。

こんにちは、Craftwork voyageと言います。昔から何かしらものづくりが好きで現在はレザークラフトをしております。ベルギーのタンナー、Masureが鞣すルガトショルダーが革の中では一番好きで、その特徴を活かした作品を作りたいなと日々考えています。作る作品はシンプルな小物が多いです。これから作品の制作過程であったり小噺を書いていこうと思いますのでどうぞ宜しくお願いします。m(_ _ )m