人は皆、誰でも心の中に其の人だけの、掛け替えのない物語りが在って、其れが大切な人との想いを共有するものならば、尚の事忘れる事の出来ない宝物の様なものになるのでしょうね。

 

ものがたり

誰にでも
心の内に秘めた
物語りが在る

其れは
其の人々の
人生に直結した
誰のものでもない
其の人だけの物語り

幼い頃の憧れと
其れまでに歩んできた
人生の経験と
掛け替えのない想い出と

憧れと哀しみと
出逢いと別離(わかれ)と
流してきた涙の数だけ
物語りは色付き彩られ

時に孤独に打ちひしがれ
時に人の温かさに包まれ
時に裏切られて傷付き
時に愛の深さを知り

そうして人は皆
自分だけの物語を
紡ぎ綴り続けて行く
永久(とわ)に語り継がれる
時間と空間の狭間に
刻み込まれてゆく
誰のものでもない
其の人だけの物語を