人が住まなくなって、長い間放置されたままの空き家。人の手も入らず、荒れ放題になってますます近寄る人も居ないまま。そんな空き家に、もしもお化け達が忍んでいたら、一体どうなるのでしょうか。

 

お化け達の舞踏会

 

小高い丘の上に立つ

人気(ひとけ)の無いオンボロ屋敷

夜の静寂を切り裂く様に

鳴り響く大きな古時計

今夜は一年に一度

此の人気(ひとけ)の無い屋敷で

繰り広げられる

お化け達の舞踏会

皆が思い思いの衣装に身を包んで

晴れの舞台をてんやわんやの馬鹿騒ぎ

まだまだ皆物足りなくて

派手に踊り回る

満月が天空に射しかかり

此の馬鹿騒ぎを冷ややかに見詰める

今はまだ夜も更けたばかり

此のパーティーはまだ終わらない

 

夜明けまではまだまだと

浮かれ騒ぐお化け達

満月も空を過ぎり(よぎり)

星々も空を廻る(めぐる)

東の空が白み始め

雄鶏の劈く(つんざく)鳴き声が

朝の訪れを告げようとしている

馬鹿騒ぎに(うつつ)を抜かしていた

お化け達は吃驚(びっくり)仰天!

慌てふためき自分たちの(ねぐら)へ一直線

こうしてオンボロ屋敷は

再び平穏を取り戻しましたとさ

 

 

 

 

今年の春は、例年の春とは違って、急激に暑い日が続いたかと思えば、一転寒い日が続いたりと、何だか異常気象の様な春になっていますが、其れでも春は春、此の季節を満喫したいものですね。

 

春‐ラ・プリマベーラ‐

暗く冷たい雪に閉ざされていた冬が終わると
気温が徐々に上がり雪解けが進む
花の女神フローラの庭園にて冬籠りをしていた
妖精達が眠りから目覚め
地上へと飛び立ち彼方此方で謡い踊る
妖精王オベイロンと妖精女王ティターニアも
此の祝宴の中に入り込むと優雅に謡い踊る
高らかに鳴り響く唱和のシンフォニーが
眠れる草木を眠りから目覚めさせる
そして名残り雪に埋もれていた硬い蕾が
綻び始めると一斉に花開かせる
花の女神フローラは此の時とばかりに
手にしていた杖を振るい魔法の言葉を
花開かせた草木に次々と掛けていく
花達からは甘く芳しい香りが湧き立ち
虫や鳥や獣を呼び寄せ季節は春爛漫を迎える
さあ、いざ咲き誇れ、生命ある者達よ
此の麗しき季節を共に享受しようぞ

 

 

 

月。地球の唯一の衛星であり、地球の自然現象や生態系に多大な影響を与えます。其の月が月食になると、月に赤い影がさして幻想的な様を見せます。

 

緋色の月~Super Blood Moon~

寄る辺の無い我が身に
憂愁を催し
窓辺に独り佇んで
夜空を見上げれば
緋色に染まる
大きな月が
天空に懸かって
其の存在を主張していた

緋色の輝きに
瞳は釘付けになり
心の中で
其の妖しさに似合う
言葉を探し続けて
然し言葉は見付からず
唯々遣る瀬無さに
心は千々に乱れるばかり

緋色の月を見詰めながら
想いは危うさに傾き
ラジオのFMから流れ込む
切ないバラードに
耳を傾け続けて
言い様のない悲嘆を
心の中で弄び
朝が来るまで
まんじりともせず
夜を明かすばかり
我が身は何処へ
流離い往くのか
 

 

 

 

人は皆、誰でも心の中に其の人だけの、掛け替えのない物語りが在って、其れが大切な人との想いを共有するものならば、尚の事忘れる事の出来ない宝物の様なものになるのでしょうね。

 

ものがたり

誰にでも
心の内に秘めた
物語りが在る

其れは
其の人々の
人生に直結した
誰のものでもない
其の人だけの物語り

幼い頃の憧れと
其れまでに歩んできた
人生の経験と
掛け替えのない想い出と

憧れと哀しみと
出逢いと別離(わかれ)と
流してきた涙の数だけ
物語りは色付き彩られ

時に孤独に打ちひしがれ
時に人の温かさに包まれ
時に裏切られて傷付き
時に愛の深さを知り

そうして人は皆
自分だけの物語を
紡ぎ綴り続けて行く
永久(とわ)に語り継がれる
時間と空間の狭間に
刻み込まれてゆく
誰のものでもない
其の人だけの物語を

 

 

 

 

2021年11月から12月にかけて、自分の精神状態は最悪でした。薬を飲んでも、効果がみられず、毎日テンパってパニくって、兎にも角にも酷い有様でした。

 

・・・的な何か⁉

今現在、僕は自分を見失っている
目先の事に手一杯でテンパっている
折角定めた筈の将来の目標も人生設計も
何もかもが音を立てて崩れていく
何が正しくて何が間違いなのかも解らない
正にゲシュタルト崩壊・・・・・・
日常さえも・・・的な何か
自分の遣っている事が解らない
毎日毎日情緒不安定で
他人と接する事さえも怖くて
こんなにも精神状態が悪化するのは
何年ぶりだろうか?
早く快復したいさせたい
もう此れ以上辛い想いをするのはうんざりだ

 

 

毎年、夜空を彩る星座から降り注ぐ流星群。天文ファンならずとも、人々の心を強く惹きつける夜空の一大ショウ。

若しも、流星が一つだけ願いを叶えてくれるのなら、流星群には沢山のお願い事を願いたいものですね。

 

SHOOTING STARS

夕陽が地平線の彼方に沈み
天鵞絨(ビロード)の夜が全てを包み込む
星座達が瞬きながら
天球を駆け巡り
碧く燃える尾を引きながら
流星群が宙(そら)を駆け抜けてゆく
あの流星群を追い掛けて
地平線の彼方まで
走り続けてゆく
心の中に眠っていた情熱を
紅く熱く燃やして
現在(いま)の瞬間(ひととき)を
忘れる事の無い様
此の胸に刻み込んで
流星の欠片を手にしよう
叶えたい願いはただ一つ
胸の中に熱く燃える星の炎を
何時迄も永遠に消える事の無い様に
輝かせて煌かせて灯らせて

 

 

 

 

 

何時の時代においても、人間が存在している限り、恋愛は永遠に語り継がれるテーマです。洋の東西、老若男女、性別、人種、貧富の差を問わず、相手に対して特別な感情を抱いたら、もうどうしようもなくなってしまいます。

 

禁じられた遊び

 

恋は永遠の暇潰し

神様の気紛れがもたらす悪戯な遊戯

其れならばいっそ愉しまなくちゃ

二人して何を掛け合おうか

先に上がるのはどっちだろうか

勝っても負けてもハッピーエンドはあり得ない

其れならばいっそ二人して地獄を見ようか

「愛してる」なんて言葉は要らない

後で大火傷を負う羽目になるから

ただ「君が好き」だけで良い

 

恋は永遠の暇潰し

神様の気紛れがもたらす悪戯な遊戯

悲劇と喜劇 どちらに転ぶかは最後まで分からないノン・フィクション

一途に思い込んだら駄目

浮気心を持つ位の余裕を見せなければ

其れならばいっそ二人して地獄を見ようか

エデンの園を追われたアダムとイヴの様に

自由奔放にまぐわい合おうか

 

恋は永遠の暇潰し

神様の気紛れがもたらす悪戯な遊戯

其れならばいっそ愉しまなくちゃ

 

 

 

 

 

 

ギリシャ神話の神々は時として、見染めた相手が美しければ、異性であろうが同性であろうがお構いなしに自分の恋人にしてしまうと云う、困った一面を持ち合わせています。特に顕著なのは、全知全能の大神ゼウスで、その多情さ故に正妻である女神ヘーラーは常に嫉妬に悩まされています。此処に掲載する物語に登場するのは、ゼウスとレートーとの間に産まれた光明神アポローンですが、ゼウスの血を受け継いだ所為か、美少年に恋をしてしまいます。

 

太陽と西風と少年

 

今は昔、ギリシャのとある森にて

ヒュアキントスと言う美少年が居た

太陽の馬車を駆っていた太陽神アポローンは

ヒュアキントスの存在に気付くや否や

其の美しさに心を奪われ

早速地上に降り立つと

美少年の許へと参り

自らの素性を明かし

ヒュアキントスを恋人とし

円盤投げに興じては

仲睦まじく日々を過ごした

然し此の様子を快く思わぬ者が居た

其の者の名は西風の神ゼピュロス

ゼピュロスもまたヒュアキントスに

惚れて居た者で在った

嫉妬に身を焦がしたゼピュロスは

アポローンの投げた円盤を其の息吹で吹き飛ばし

在ろう事かヒュアキントスの額に命中させて仕舞った

額に致命傷を負った美少年は其の場に倒れ伏した

アポローンが慌てて駆け寄るも

哀れなるかな、ヒュアキントスの身体は冷たく為って仕舞って居た

アポローンは神々の飲み物ネクタルを

命果てた美少年に降り注ぎ、さめざめと泣き崩れ

此の様な事態を引き起こしたゼピュロスもまた

ヒュアキントスの死に大いに心を痛め

居たたまれずに其の場より飛び去った

ヒュアキントスの骸はネクタルの力により

花へと其の姿を変えた

其の花こそが我々が今日(こんにち)ヒヤシンスと呼んで居る花で在る

 

 

 

 

中学生から高校生にかけての時代、最も多感な思春期真っ只中の頃、学校の勉強もそっちのけで、オリジナルの物語り作りに夢中になって居ました。その為、学校の成績は振るいませんでしたが、資料として買ってきた膨大な数の本から得た知識が、後天的に疎かにしていた勉強の穴埋めになって行きました。そして、その知識は年を経た今でも頭に残っています。

 

無題

 

まっさらな心の頁に

描きたかったもの

其れは誰の物でも無い

自分だけのオリジナルな世界

自分自身の想いを投影した

オリジナルのキャラクター達が

活躍する異世界の物語

時を超え空間を超え

夢想し続けて来た壮大なる英雄譚

映画の観過ぎ小説の読み過ぎと揶揄されても

書き綴りたかった若き日

単なる現実逃避に終わらせたく無かった

イマジネーションの赴く儘に筆を走らせて居た毎日

一度は諦めかけて其れでも諦めきれ無かった

どうしても手放せなかった物語

 

 

 

 

 

田舎の地方都市とは違って、大都市圏の街並みは鉄筋コンクリートと硝子に覆われたジャングルか砂漠に例えられる事が多い様ですが、自分から見ると、右も左も解らない樹海の様に思えてなりません。

 

硝子の樹海

 

此の都市は硝子で出来た樹海

万華鏡の様に眩く煌めく迷路

迷い込めば二度と抜け出せない

人の心を惑わせるイマージュ

愛する事の意味を突き付ける

生きていく事の不思議を問い掛ける

 

太陽も月も星々も見えない

指し示す道標(みちしるべ)も消え去っていく

人は迷い込んだままただ惑い続ける

人の心を惑わせるイマージュ

愛する事の意味を突き付ける

生きていく事の不思議を問い掛ける

 

人の心を惑わせるイマージュ

愛する事の意味を突き付ける

生きていく事の不思議を問い掛ける