私には兄がいたはずだった
二卵性双生児の兄
普通分娩で
兄は普通に
私は未熟児で生まれてきて
私の誕生日が命日だ
お地蔵さんの彫ってある小さいお墓にいて
お菓子やおもちゃが
いつも墓前にお供えしてあった
だからかも知れないけど
お兄ちゃんぽい人に弱い
今までお付き合いしたことのある人
全員下に兄弟がいる
そして
たいして面倒見もよくないのに
全員
思い出したように
電話してきたりして
別れてからも仲がいい
そんなことを思いながら
シンビジュームを部屋に活けている刹那
すべてを清算しようと思った
女心と秋の空と言わんばかりに