以前のブログでも少し触れたが、
スイスのディグニタスという団体は、唯一外国人も受け入れてくれる自殺幇助団体と言われている。
費用も渡航費いれて300万円もあれば、安楽死可能と。
だが実際のところ、日本人にはほぼ無理だ。

なぜなら、日本の自殺幇助罪の壁が高い。
ディグニタスが日本の自殺幇助罪に問われるから執行してくれないということではない。

日本国内で、ディグニタスに行くための手伝いをした人が自殺幇助罪に問われる可能性があるのだ。

例えば、ディグニタスに出すと分かっていて診断書を書いた医者。
ディグニタスに行くと分かっていて、空港まで患者の車椅子を押してあげたりした人。

自殺幇助罪の問題以外にも、そもそも末期だったり、ディグニタス指定の医者に絶対に治らない重病だと認められないと、ディグニタスも執行してくれない。医療先進国で改善の可能性があるようだったら、そっちに行くようにすすめられる。
(ディグニタスも、批判を避けるためにこのあたりの認定は厳しくしているようだ。裏ルートでめちゃくちゃ大金積めば、こっそり執行してくれるのかもしれないが。)


会員登録だけなら、末期でなくても、日本人でも受け付けてくれるが、
最終的に安楽死が認められて、成し遂げた日本人の事例はない。

以前、私も僅かな期待を抱いてディグニタスに問い合わせたことがあるが、成し遂げるのはまぁまず無理な感じだった。

たしか、カナダかどっかの国の治療を受けに行ってみろ
とかも言われたなぁ(笑)

そんな治るかどうかも分からない最新治療を、外国まで受けにいく前向きな元気があるくらいなら、死ななくてもいいよね(笑)

会員登録して、ディグニタスと現在の症状などについてやり取りしてる日本人はいるみたいだけど、本当に執行してもらうには、まだもう一歩どころか百歩くらい必要だよ。
たぶんその日本人も、実現が難しいのは承知のうえで、もっともっと症状が悪化したときには安楽死してもらえるかも、という希望というか、精神安定剤代わりのために一応会費を払っているんだと思う。



でもまぁとりあえず、ディグニタスにメールで問い合わせたらちゃんと返してはくれるよ。
英語だけど。

たぶん、ディグニタスにとっては、患者の付き添い人等が日本で自殺幇助罪で捕まるかどうかは関係ないから、
「末期癌で手の施しようがない」という英語の診断書と証拠画像等を持って行って、ディグニタスの医者も間違いないと診断してくれれば、執行してくれるんだと思う。
でもそんな分かりやすい末期なら、日本の病院でも終末期の緩和治療してくれるし、わざわざ手間とリスクかけてまでスイス行かないよね。


つまり、日本人だから断っている、というわけではないが、日本の自殺幇助罪などのせいで結果的に、日本人が安楽死に至るにはかなり難しくなっている、ということだ。