ネット上で見つけたヘンな T シャツの第3弾をお届けする。
面白いかどうかは別として、一応すべての T シャツがジョーク仕立てである。
そして、ここに紹介する43種のシャツのデザインのうち、後半の20種ほどは、すべてシモネタである。
したがって、この記事の半分は、「 R 指定」または「アダルト向け」であることをお断りしておく。( R 指定の R とは restricted 「制限付き」の略です)
ただし、ヘンな「画像」はひとつもないので、とりあえずアメーバさんの倫理規定に触れることはないと思う。
アメリカの T シャツにプリントされている英文は、教科書には載っていない「街の英語」や「生きた英語」であることが多い。
学習者の皆さんは、自分なりにそれぞれの T シャツの翻訳と解釈に挑戦されながら、英語クイズのつもりで読み進まれるといいかもしれない。
そしてこの拙い記事を、英語力の向上にわずかでも役立ていただければ幸いである。
シモネタの英文をプリントした T シャツの中には、我々日本人から見ると、本当にこんなヘンなものを着る人がいるのかと思えそうな珍品もいくつかあるが、アメリカとはそういう国であり、アメリカ人の中にはそんなヘンな人たちもいるという事実を知ることで、アメリカという国の文化や、人々の価値観や人生観といったものの一端を、かいま見ることができるかもしれない。
まずは、この時期になんとも季節はずれな、サンタ・クロースをネタにした T シャツから紹介したい。
ご覧のとおり、なんともバカバカしいデザインである。
英文を直訳すれば、「サンタが・・・した時、君は自分が悪い子だったことを知る」だ。
「・・・」の部分はイラストで表現されている。
つまり、「サンタが(プレゼントをくれるかわりに煙突にウンコをしたら)、君は悪い子だったということだ」という意味である。
良い子にしていないとクリスマスにプレゼントをもらえない、という戒めだろうが、なぜサンタが煙突にウンコをしているのか、その理由は不明である。
「俺にビールをおごれ。さもないと、このワンちゃんが一発くらうぞ!」
実にナンセンスなデザインながら、ワンちゃんの困った顔がちょっとユーモラスで、けっこう笑える。
You're PRETTY When I'm DRUNK
「君は美人だ、ぼくが酔っているときは」
酔った人間は、たしかに正常な判断力を失うことが多い。
それにしても、このTシャツをデートに着ていったら、シャレにならないかも。
「飲む、オシッコをする、その繰り返し」
ビールを飲むと、たしかにトイレが近くなる。
かといって、わざわざ T シャツにプリントするほどのことかとも思えるが、飲み会の席などでこれを着ていれば、頻繁に席を立つ理由をいちいち説明しなくてすむのかもしれない。
「テキーラとホットな女たち。それ以外のことはどうでもいい」
HOT は、異性を形容する場合は「セクシー」や「イケてる」などの意味になる。
文字が不鮮明で読みづらいが、こちらは、先ほどの「テキーラ」を「ウィスキー」に変えただけで、文面は同じである。
いい女と旨い酒さえあれば他には何もいらない、ということだ。
もちろん、本気でそんなことを考えている男は少ないと思うのだが。
REHAB (リーハブ)とは、rehabilitation 「社会復帰」の略で、いわゆる「リハビリ」のことだ。
QUITTER (クウィッター)は、「長続きしない人」や「仕事などを途中で投げ出す奴」という含みで使われるが、ここでは単に「酒(あるいは違法薬物)などをやめた人」のことのようだ。
つまりこの T シャツにプリントされている文句は、およそ次のような意味だろう。
「リハビリは、やめた奴のためにある。俺もリハビリが必要なほどの酒飲みだが、酒をやめる気はない」
「俺はタバコと酒をやめた。しかしボーリングはやめていない。ものには限度がある」
ボーリング場へ着ていくための T シャツのようである。
アメリカには、夜になるとボーリング場に集まって「賭けボーリング」を楽しむ男たちがたくさんいる。
DRAW THE LINE とは「線を引く」や「一線を越えない」という意味だ。
文脈次第では「限度をわきまえる」というニュアンスになる。
これもボーリングをネタにしたデザインである。
直訳は「広すぎるスプリットなどない。根性さえあれば」だ。
SPLIT とは、ボーリングで、1投目に失敗して2本以上のピンが離れて残る状態のことである。
BALLS は、この場合は男性の「タマタマ」を意味し、しばしば男の「勇気」や「男らしさ」の比喩として日常的に使われる。
つまり、どんなに広いスプリットを残しても、俺はド根性で倒してスペアにしてみせる、という決意表明かもしれない。
以下の4枚の T シャツは、aging (エイジング)「加齢」をテーマにしている。
「30歳は年寄りではない。気が滅入る年齢ではあるが、年老いてはいない」
depressing (ディプレッスィング)は、「落ち込ませる」や「憂鬱にさせる」という意味の形容詞。
たしかに人間は、30歳を過ぎると、けっこう年を取った気がするものである。
IT TOOK ME 40 YEARS TO LOOK THIS GOOD !
「こんなに見栄えが良くなるまでに、40年もかかった」
有名な英語の格言に、Life begins at forty. 「人生は40歳から始まる」というのがある。
いろんな経験をつみ、さまざまな知識を蓄えてこそ、人生を本当に楽しめるようになる、という意味のようだ。
事故や病気や天災などで命を落とさない限り、誰でも1年単位で年齢を重ねていき、40歳になり、50歳になり、そのあとも生きている限り年老いていく。
何歳になったかより、どのように年を取ったかということが重要かもしれない。
「私は禿げ始めているのではない。頭部が増加しているのだ」
本当に禿げ始めている人がこのシャツを着ていたら、けっこうユーモラスかもしれない。
というより、実際に禿げ始めていなかったら、このシャツは着れない。
「優雅に年を取るとは、こういうことだ」
老人向けの T シャツのようである。
「華麗な加齢の見本」ということだろう。
むしろショボクレたお婆さんなどが着ていたら、けっこうユーモラスに見えそうだ。
以下の5枚は、女性に関する T シャツである。
My DREAM GIRL
All this, and she leaves the toilet seat up !
このデザインと文字が表しているのは、次のようなことだ。
「私の理想の女性は、魚釣りが好きで、家の修理が上手で、料理が得意で、バスケット・ボールが好きで、酒も好きで、おまけにトイレの便座を上げておいてくれる人である」
それに加えて、このようなセクシー美女でなければいけないということか。
「ビキニ・コンテストの公式審査員」
この T シャツを着ていれば、夏のビーチで、堂々と女性たちをウォッチングできるのかもしれない。
「危険なカーブあり」
CURVES はもともと「曲線」のことで、この T シャツの場合は、女性のボディ・ラインを意味している。
「私は、テレビで見かけるような、トンでる女の子よ」
GONE WILD は、「無軌道な」や「ハチャメチャ」というニュアンス。
このような T シャツは、遊びたい女の子がボーイ・ハント用に着るのだろうか。
日本ではちょっと考えにくいようなデザインである。
ボールペンの Bic のパロディだが、これも女の子しか着られないデザインだ。
Bitch (ビッチ)とは、「クソ女」や「アバズレ」「性悪女」などの意味を持つスラングである。
つまり、「私はひとすじ縄ではいかない女よ」という警告だろうか。
あるいは、ただのシャレでこのようなシャツを着るのだろうか。
このあたりから次第にオトナ向けの内容に変わっていき、やがてポルノのようになってしまう。
JAIL BAIT (ジェイル・ベイト)は、直訳すれば「刑務所用のエサ」である。
アメリカでは、成人男性が18歳未満の女の子と不適切な関係を持つと、日本では想像もできないような厳罰に処せられ、刑務所に入れられることも珍しくない。
州の外へ連れ出すことも重大な犯罪である。
つまりこの T シャツは、「私は18歳未満よ。気をつけてね」という意味のようである。
「私にその気があるかどうか、きいてみたら」
この場合の care は、Care for drink ? 「飲み物はいかが?」などとたずねるときの care のようだ。
こんなシャツを着ていたら、通りすがりの男から Care for making love with me ? 「ぼくとセックスする気ある?」などとたずねられても、文句は言えないだろう。
「24時間オープン」
つまり、「ぼくは(私は)いつでもあなたの相手をする」という意味のようだ。
「50パーセント独身」
結婚はしているが、独身者のように自由に遊びまわりたい、というアピールだろうか。
「今夜限りのチャンス。時間制限付きのご提供品」
AVAILABLE (アヴェイラブル)は「入手可能」や「在庫あり」などの意味。
Limited Time Offer は、スーパー・マーケットや各種の商店などで見かける「タイム・サービス」のこと。
「私が欲しいなら、今夜しかチャンスはないわよ」ということのようだ。
「私を欲しくないふりをするのはやめなさい」
pretend (プリテンド)は、「~のふりをする」や「~のように見せかける」などの意味。
パーティー会場などで女の子がこんな T シャツを着ていたら、何人もの男から言い寄られることだろう。
TALK DIRTY は「ワイセツな言葉を使ってしゃべる」という意味。
つまりこれは、「私にいやらしいことをいっぱい言って」ということだ。
参考までに、ヒワイな言葉の代表的なものを挙げると次の通り。
Fuck 「ファック」、Cock 「男性のナニ」、Dick 「男性のナニ」、Pussy 「女性のナニ」、Cunt (カント)「女性のナニ」、Suck 「男性のナニをしゃぶる」、Blow 「男性のナニをしゃぶる」、Eat 「女性のナニをなめまわす」
DUCK 「アヒル」「身をかがめる」の下に、小さな文字で次の文句がプリントされている。
WARNING : 75 % OF THIS WORD IS OBSCENE
「注意:この言葉の75パーセントはワイセツです」
つまり、DUCK の D を F に変えるとワイセツな言葉になるという、単なる言葉遊びである。
日本語に置き換えると、「おしんこ」がこれに相当するかもしれない。
「セックスをさせてくれるなら、酒をおごるよ」
主語の I や We を省略して Will で始まる文は、「お知らせ」や「掲示」などでよく見かける。
「朝食も付いています」
INCLUDED (インクルーディド)は「含まれている」という意味。
Tax Included 「税込み」や Batteries Included 「電池付き」などの表示としてよく使われる。
この T シャツの場合は、「今夜私に付き合ってくれたら朝食もごちそうする」というニュアンス。
「セックス・インストラクター。初回レッスン無料」
大学で Instructor といえば「専任講師」のことだが、通常は「教える人」や「指導者」という意味。
「色情狂治療センター・スタッフ」
NYMPHOMANIAC (ニンフォメイニアック)とは「色情狂」や「淫乱」のことで、女性にしか使えない言葉である。
Nympho と略すことが多い。
男のセックス狂は Sex maniac と言う。
「ぼくの名前を覚えておきなよ。このあと君は、その名前を絶叫することになるから」
あまりの素晴らしさに、「オー、ジミー!」や「アー、ジャック!」などと叫んでしまう、ということだろう。
「君の彼女とのセックス。74人が、いいね、と言っています」
フェイスブックのパロディである。
74 people like this 「74人がこれを気に入っている」の「これ」とは、もちろん Sex With Your Girlfriend のこと。
なお、英語の Girlfriend は、女性にとってはただの「女友達」だが、男にとっては「恋人」の意味になる。
また、Boyfriend という言葉は、女性にとっては「恋人」であり、男にとっては「ホモダチ」のニュアンスになる。
「ビール腹ではありません。この(大きな)腹は、セックス・マシーン用の燃料タンクです!」
ここでの BALD SPOT とは、ひたいなどの「禿げている箇所」のこと。
「(頭部にあるのは)ハゲではありません。セックス・マシーン用のソーラー・パネルです」
「下部にあるものは、外から見た印象よりずっと大きい」
ORGAN DONOR だけなら「臓器提供者」と訳せば問題はないが、その下に書いてある文字を読むと、この ORGAN は明らかに SEX ORGAN 「生殖器」のことであることがわかる。
つまり、この T シャツ・デザインが意味しているのは次のようなことだ。
「ぼくの器官をあなたに捧げます。それがどのようなものか、詳細はズボンの中をご覧ください」
オンドリが描かれている。
オンドリは Cock であり、俗語で Cock は男性の「イチモツ」を意味する。
つまりこのデザインは、「ぼくのナニは、でっかいよ」というアピールである。
なお、Cock がナニを意味するのは、水道栓や蛇口を意味する Cock からの発想であり、オンドリとは何の関係もない。
「この T シャツを着ている者は消防士です。落ち着いて冷静に行動してください。この者があなたの炎を消して差し上げます。この者は、自分のホースの扱い方を充分に心得ております」
HOSE の正しい発音は「ホウズ」であり、日本式に「ホース」と言うと、外国人には Horse 「馬」と聞こえる。
「カサカサ肌ですか? 無料のハンド・ローションです。こちらをこすってください」
PUMP(パンプ)はいわゆる「ポンプ」のこと。
PUMP HERE とは、「ここを前後にこすって汲み出してください」というニュアンス。
「注目! 酔っている女性の皆さん。無料の酒気検知器です。こちらをくわえてください」
BREATHALIZER (ブリーザライザー)は、飲酒運転の取締りなどで使われる器具のことで、口にくわえて息を吹き込むようになっている。
なお、BLOW は俗語で「ナニをしゃぶる」という意味。
「(口で受け止めて)飲み込みなさい。さもないと眼に入るよ!」
一見したところ何気ない英文のようであり、これがシモネタだとは思えない人もおられるかもしれないが、SWALLOW の文字に施されている演出を見る限り、まぎれもなくこれはシモネタであり、しかも非常に下品な部類に入る。
「あなたがペロペロしたい場所にタトゥーがあります」
Lick は「舌でなめる」や「しゃぶる」という意味。
ひと昔前の、ケンタッキー・フライド・チキンの宣伝文句は、It's finger lickin' good ! 「指までしゃぶりたくなるほどおいしい!」だった。
「ホット・ドッグ用のソーセージを無料進呈。ご自分のパンをお持ちください」
この場合の BUNS (バンズ)は、ホット・ドッグに使うワレメの入った細長いパンのこと。
そのワレメにソーセージを入れてあげます、という意味だ。
今日の T シャツ特集も、いよいよ最後の1枚になった。
このシャツには、くだらないながらも、けっこう笑えるジョークがプリントされている。
ある意味で、男と女というものについて考えさせるジョークでもある。
その和訳文だけを紹介して、この記事を終わりたい。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
小さな女の子:「パパ、どうして女の子にはプッシーが付いているの?」
父親:「それが付いているからこそ、お前が大きくなったとき、男たちがお前に話しかけてくるんだよ」
(終り)
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