こんにちわ。コールセンター管理を行っているTです。

今回は、時計の話をしようと思います。

僕が持っている腕時計は、大学に入って初めてのアルバイトの給料で買った位のもので、もう15,6年は経っているものです。この時計はアナログで自動巻きで分の刻みがないので5分単位でしか時間がわかりません。

正確な時間よりも大体の時間を把握できればよいという感じで使っていて、

例えば約束とかも時計の時間だけに頼らないようにという自省の意味も込めて使っています。ものすごく高価なものではないのですが、たまにオーバーホールもしてベルトも換え続けてずっと現役で使っているのも珍しいと思います。


これを買った頃の自分は、アルバイトでも鈍臭くて大変だった思い出もあります。周りの人にも迷惑をかけていたのかも知れません。それから色々な人と出会い、通り過ぎて、そしてまた出会う季節を過ごし、世の中を斜めから見るすねた大人から更正もしてみました。そう考えると随分長い間、この時計と同じ時間を過ごしてきたのだと思います。


時間を計るための道具を眺めて随分長い年月が経ったなと感じるのは不思議です。そして、このコールセンターの実務面のデザインに僕がつぎ込んだもののすべては僕自身の持っていたものというより、この時計が長い年月で見てきた経験すべてであり、仕事もプライベートも境なく今までの出会いすべてなのでしょう。だからこの時計は、このコールセンターにとって奇跡を生み出す魔法の古時計かも知れません。


さて。今まで僕がここで働いている中で、ある後悔があります。このコールセンターが出来る直前の事に一緒に働いていたスタッフが退職した時のことです。楽しい事も辛い事も一緒に仕事の中で経験して、戦友とも呼べる人でした。でもいざ辞める時に気付いた事は、僕は彼女から色々なものをもらうだけで彼女に何も渡せていなかった事実。本当は色んな経験や知識をもっと伝えられた気がして、かなり複雑な気持ちでした。


その後悔を元に、ここで働く人達がお互いに自分達の持っている知識や経験を分け合うシステムを作りました。働く人達にとって、ここにいる意味を見つけてほしいという願いを込めて。


こんな気持ちもまたこの時計が見ていると思うと、新しい時計を買うのももう少し考えてみようと思い直すのです。