私の旅は何も起きない。
観光地にも行かないし、特別な出来事もない。
ただその土地の空気の中を歩いて帰ってくるだけだ。
韓国編
韓国に行こうと、母と妹に誘われた時
正直、辛いものを食べられないのに、行って何を食べればいい?というのが感想だった
気乗りしないまま飛行機から降り立つと、足元から湧き上がってくる良い意味で得体の知れないエネルギーに、私の心は色めき立った
もしもパワースポットと呼ばれるものがあるなら、この国は私にとってのパワースポットかもしれないと感じた
街を歩いてる時にどこからともなく聞こえてくる音楽
それはいわゆるK-POPと呼ばれるもので、私は心を奪われ、日本に帰ってから誰の何という曲だったのか調べた
トイレに行けば大きなゴミ箱が個室の中に置かれ、その意味がわかってからもトイレットペーパーを間違えて水に流すというミスをし続けた
普段やってる流れ作業は、簡単には修正出来ないものだ
チムジルバンでは、垢すりをしてもらったのだが、ものすごい薄地の下着姿のおばさまが台に横たわった私の垢を擦る
そのものすごく薄い生地の下着姿にも驚いたが、順番が最後の方だったからか、誰もいなくなったお風呂のぬるさに、身体が全く温まらない、むしろ寒いくらいなのにも驚きつつお風呂を後にした
ツアーだったのでガイドの女性が終始一緒にいたのだが、雰囲気的に、もしかしたらプライベートの電話してる?ということがわかり、それに同じツアーに参加してる方々が何も反応していないことにも驚いた
どうやらガイドさんの夫は他都市に住み、娘さんは学校から塾へ直行するので、ガイドさんは夜遅くまで働いているという状況らしい
一日だけ、自由行動の日があったので、その日はどこに行くのかと質問された
私は梨泰院と漢江に行きたいのだと言うと、どちらも治安が悪いので行くべきではないと言われた
本当にそうなのか、何か面倒くさいことがあったのかはわからない
彼女は私がツアーバスの中でした色々な質問にも、それはただそうだからそうなのだとしか答えてくれないタイプだったので、私の質問は答えるのが面倒くさいと判断していたかもしれない
そのツアーに参加していた九州から来ていた四人組の女性の中の1人は、何度も渡韓していたようで、仲良くなってからは地下鉄の乗り方を一緒に移動して教えてくれたり、レストランに案内してくれた
帰国後には母が九州にある彼女の家を旅行で尋ねたことがあるくらい仲良くなった
そのツアー後
数年間は毎年のように韓国に旅行した
娘とだったり、母とだったり、夫とだったり
ツアーでは出来なかった、ただ街をぶらぶらと歩く旅
どこに行くとは事前に決めずにとりあえず宿を取る
その宿の近くや、天気が良ければ地下鉄で移動して、その日に行きたい場所に行く
旅行マップに載ってそうもないお店でご飯を食べるのが好きだ
そんなお店にはもちろん英語のメニューすらない
英語すら通じない
だが、何となくわかることがあったり、きっと明らかに韓国人ではない私たちに、韓国語で何かを教えようとしてくれたりする人がたくさんいる
何かを察してくれてるのだなと感じて、とても温かい気持ちになる
私は韓国をぶらぶら歩いてるのが好きだ
だが、不思議なことに住みたいとは思わない
漢江まで宿から歩いてみたことがある
雰囲気的に漢江はこっちの方角だろうくらいの感覚で
どこへ向かっているのかも、どれくらい歩いたのかもわからないまま、ただ街の中を進んでいた
宿のテーブルにあった、近くの商店の開店セールの広告に釣られて、そこへは行ってみた
コストコで売られてるようなイチゴを買い、それを抱えて食べながら歩く道すがら
一羽の鶏が道端に箱に入れて置かれていた
なぜこんな所にと思いながら写真を撮った
でもこれはかなり、その場所の景色に馴染んでいて、きっと誰もなにも思わないんだろうなと感じた

すごく長い階段があり、これを登って家に帰るのは無理だと思ったり
字が読めないと、何の会社なのか、何のお店なのか、すごく観察しなきゃわからないんだなと思いながら歩きました
辿り着いた漢江は、思ってたような場所ではなかったけど、その川沿いは場所によって見える景色がきっと違うから、また違う景色を見に行きたい
この時の梨泰院の宿は、夫と泊まったホステルだった
ルーフトップがあり、周辺の家々の屋根が見下ろせた
一角には全ての家々の屋根が繋がっている場所があり、きっと貧困層がそこに住んでいるのだろうと思われる
火事が起きたらどうなるんだろうと思われるような複雑な狭い路地
階段を登ったり降りたりしながらたどり着く場所にあるホステルだった

梨泰院の駅辺りにある広い道路の歩道には、夜になると中東の人らしき人が、地面にブレスレットなどを広げて売っている
その一つを買った
それは手作りで、売り物としては売れそうにもないものだったけど、きっと彼らもこの国で必死なんだ
そのメイン通りから一本外れると、生気のない目をした若者が路肩に座っていた
彼の足元には銃と弾丸のようなものが無造作に置かれていた
彼が足を動かした時、銃に当たったのか、金属のような音がした
夫が、あれは本物の銃と弾だから、あまり見ない方がいいと私に言い、メイン通りに出るとすぐそこには派出所のようなものがあった
警察がいるこんな近くで本物の銃を持った人なんている?というのが私の思ったことだけど、あの生気のない目は、そんな現実とも思えないことを肯定したくなるものだった
最初の旅のガイドさんが言ってたような、治安が悪いという雰囲気ではなかったにしろ、私が梨泰院に夫と行った頃はすでに改善されていたのかもしれない
どの国にも闇はある
私が住みたくないくらい必死で生き抜かなきゃならない社会と、何度も訪れたくなる人々の温かさの対比が、好きなのかもしれない
その他のエッセイはnoteに投稿中
長旅で必須のネックピローは、意外と邪魔なのよね
日本はたいていの国と電源が違う…
荷物が増えてもこれさえあれば、お土産もたくさん買えますね
流れてくる荷物もお気に入りの柄で包めば、見つけるの簡単!

