ついにイランとの戦争がはじまりましたね。
そうなると、原油高や物流の混乱、そして通貨の価値が揺らぎやすくなるという形で、家計や投資環境にじわじわ影響が広がっていく可能性があります。
ドルは足元で強く、円のようにエネルギー高に弱い通貨は不利になりやすいと言われています。
つまり、円だけで持っていること自体が安心とは言いにくい局面です。
そう考えると、以前から有力な投資先として金をおすすめしてきましたが、今はさらに強くおすすめしたいと感じています。
ただ、これまでと少し違うのは、「金だけでいいのか」という視点です。
以前は、まず金を持っておくことが大切だと考えていました。
もちろんその考えは今も変わりません。
ですが、戦争のような大きな出来事が起きた今は、金に加えて、銀、プラチナ、パラジウムまで含めて見ておく価値が高まっていると感じています。
ただし、この4つを同じ感覚で持つのではなく、まずは金を軸にして、その上で銀、プラチナ、パラジウムを少しずつ加えていくほうが自然だと思います。
こうしておけば、戦争が長引いて不安が強まった時には金が支えになりやすく、逆に相場がテーマのように大きく動く時には、銀やプラチナ、パラジウムが強く反応する可能性があります。
こういう時は、円に限らず通貨全体の不安定さを意識して、現物資産にある程度ウェイトを置くことが重要だと考えます。
その意味で、金への投資をさらに強めながら、この機会に銀、プラチナ、パラジウムまで広げて分散していくという考え方は、今の時代にかなり合っているのではないでしょうか。
ただ、ここ数日、金が下落していますので、不安になる方もいると思います。
ですが、その下落にははっきりした理由があります。
ひとつ目は、米国の金利が上がり、利下げ期待が後退したからです。
金は利息を生まないので、米国債の利回りが上がると相対的に不利になります。
原油高でインフレ懸念が強まり、「すぐには利下げしにくい」という見方が金の重しになりました。
ふたつ目は、ドルが強くなったからです。
金はドルと逆に動きやすく、ドルが買われると金は下がりやすい傾向があります。
直近は中東情勢の緊張の中で、金だけでなくドルにも逃避資金が集まっている状況なのだと思います。
みっつ目は、利益確定と現金化の売りが出たからです。
金は2026年に入ってかなり上がっていたため、相場が荒れた局面では、いったん利益を確定する売りや、現金を確保するための売りが出やすかったようです。
有事でも、いつも金だけが一直線に上がるわけではありません。
つまり、「戦争で金が不要になった」のではなく、ドル高、金利高、利益確定売りが重なって押し下げられた、ということです。
ということは、一時的に金を押し下げる力が強く出ている状態ではあるものの、金そのものの魅力が消えたわけではありません。
中長期で見れば、再び見直される可能性は十分あるのではないでしょうか。
もちろん、だからといって一直線に上がり続けるわけではありません。短期では大きく上下することもあります。
なので、守るために金を持つ。
さらに増やすために、銀、プラチナ、パラジウムも視野に入れる。
そして、一気に買うより分けて買い進める。
戦争、インフレ、通貨不安、資源高という条件が重なっている今は、こうした貴金属全体に目を向けるタイミングなのではないでしょうか。


